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カテゴリー「093 バロック」の54件の記事

2019年9月11日 (水)

未聴CD

読んで字の如く「まだ聴いたことがないCD」という意味だろう。実際にはもう一つの意味で用いられてこその言葉だ。すなわち「入手済みのCDのうちまだ聴けていない」という意味だ。

世の中には膨大な数のCDが存在するから、どんなマニアでも聴いたことがないCDの方が多いに決まっている。入手不可能のCDは聴けなくて当たり前だ。むしろ入手していながら、時間の都合で聴けていないという状態こそが、議論に値すると感じる。

CDショップの店頭やオンラインショップの画面を眺めているうちに、購入を決断したCDのうち、聴いたことがないCDがバカになら枚数に達しているマニアは少なくないと聞く。未聴CDの演奏時間の合計と残りの人生の余暇時間を比較して絶望している層もいるらしい。ある種の病とも思われる。CDを所有することが目的になってしまい買ったCDを聴かないという症状だ。

私はブラームスに関しては未聴CDは無い。iPodのおかげで時間を効率よく使えるようになって尚更万全になった。買ったが最後ちゃんと聴いているということだ。むしろ対処に困っているのは、1度聴いただけで2度と聴いていないCDだ。

2019年9月 6日 (金)

副産物の堆積

特集の備蓄が、底をついたと申し上げたばかりだ。しかし、「バロック特集」を終えた今、記事を書き上げていながら、日程の都合でやむを得ず、期間内に公開できなかった記事がかなりな量堆積している。第二バロック特集も夢ではない。

割りを食ったのはイタリアンバロック関連の記事が中心だ。かれこれ120本、4か月分は超えている。特集の備蓄は心細いばかりで、かといってワーグナーやベートーヴェン、モーツアルトを取り上げる気力もない。どうしたものかと思っていたが、どうやら一息つきそうだ。

 

 

 

 

2019年9月 4日 (水)

バロックロス症候群

会期20か月のバロック特集を終えた。2016年秋に2018年をバッハイヤーにしようと決意して始まったのだが、途中でバロック特集に変更して準備した。2018年元日の開幕時、すでに記事の量的備蓄を終えていた。

バッハからバロック全体に間口を広げたことは正解であった。あくまでもバッハを中心に据えながらも広くアンテナを立てた。その象徴がブクステフーデであり、パッヘルベルでありテレマンであった。ブログ「ブラームスの辞書」の主役ブラームスそっちのけでおバカな記事を連発したが、悔いはない。一度バロックに徹底的に浸した耳で聴くブラームスは快適でさえある。

特集を終えた今、「祭りの後のさびしさ」を味わっている。

 

 

2019年8月30日 (金)

風の変わり目

記事「本質への手順 」が、風の変わり目だった。

誰の言葉だったか、「ブラームスの中に過去500年のドイツ音楽が投影されている」という言葉がある。ブログ「ブラームスの辞書」を長く続けている身としては、知識としてその言葉を知っていたことは知っていた。ブラームスは19世紀末の欧州楽壇で、その作品に宿る個性により確たる地位を築きながら、同時に古楽譜の収集や、先輩作曲家の研究などそのキャラクターを通じてドイツ音楽500年の集大成と位置付けられた。

が、今思うと上辺だけだった。「過去500年のドイツ音楽」など、話が大きすぎて頬ばりきれていなかった。この度の「バロック特集」を開始した時点でさえ、特集の意図として「過去500年のドイツ音楽」を探査の対象としてはいなかった。その証拠に、ブラームスと直接関係のないバッハネタの発信を「脱線」「逸脱」と称し、言い訳を添えていた。「バロック特集」開幕に先立つ13年の間、そちらに踏み出そうともしなかった。今思うとはずかしい。

記事「本質への手順」ではそれら「脱線」「逸脱」こそが本質に迫るための適正な手順なのではないかと自問した。効果はてきめんだ。こちらがそう変わってみると、ブラームス作品の聞こえ方が一皮むけた。

ブラームスの視線はバッハより200年さかのぼった先までも見据えていた。それに気づかせてくれたのは、バッハだと断言できる。

2019年8月27日 (火)

バロック特集の手応え

バロック特集は会期1年8か月、記事420本でフィニッシュしそうだ。それでもなおブログ「ブラームスの辞書」の設定するゴールまでは遠い。2033年5月7日のブラームス生誕200年まで記事を敷き詰めるにはあと五千と少々をなんとかひねり出す算段が必要だ。いつの日か、もう一度バロック特集を開催できれば相当楽になる。ワーグナーやベートーヴェン、あるいはモーツアルトを特集するよりは、そちらの方がよっぽど現実味がある。

バロック特集を終えた今だからこそわかる。バッハを中心に据えたバロック特集ならまだ未言及の広大な領域が存在する。マタイ受難曲に代表される声楽作品はほぼ手つかずと言っていい。クラヴィーア作品や無伴奏チェロもしかりである。

 

 

 

 

 

 

 

 

2019年6月30日 (日)

バロック特集総集編⑨

総集編の9回目。2019年5月と6月分をお送りする。

  1. 05月01日 改元  
  2. 05月03日 ブクステフーデオルガン作品全集
  3. 05月04日 カプリチョーザ変奏曲
  4. 05月05日 楽譜を見たい癖
  5. 05月07日 登録番号
  6. 05月08日 往復書簡の証言
  7. 05月09日 ブウステフーデ忌
  8. 05月10日 東京遷都150年
  9. 05月11日 パッサカリアニ短調BuxWV161   
  10. 05月13日 パッサカリア瓜二つ
  11. 05月14日 BuxWv149
  12. 05月15日 アーベントムジーク
  13. 05月16日 4つ目の選択肢
  14. 05月17日 エキストライニング
  15. 05月18日 三面鏡
  16. 05月19日 オルガンインデックス
  17. 05月20日 オルガン目線
  18. 05月21日 頭出しCD集
  19. 05月24日 全集さまざま
  20. 05月25日 校訂者ルスト
  21. 05月26日 自筆譜縛り  
  22. 05月27日 調の常用域
  23. 05月28日 ショートオクターブ
  24. 05月29日 変ホは不要か
  25. 05月30日 調の選択肢
  26. 05月31日 怒涛の横展開
  27. 06月01日 横展開の効能
  28. 06月02日 学術目的
  29. 06月03日 のんきな見過ごし
  30. 06月04日 重複上等  
  31. 06月05日 番号順再生
  32. 06月06日 ペダルソロ
  33. 06月07日 あっと驚くシュピッタ
  34. 06月08日 何たる見落とし
  35. 06月09日 第二次横展開
  36. 06月10日 狭まる常用域
  37. 06月11日 横展開の挫折
  38. 06月12日 パッヘルベルの逆襲
  39. 06月13日 賛美歌フリー
  40. 06月14日 ブラームスのオルガン自由曲
  41. 06月15日 インデックスコンプリート
  42. 06月18日 慧眼と迂闊
  43. 06月19日 偶然と必然と
  44. 06月20日 着陸態勢
  45. 06月21日 バッハはシャコンヌを弾けたか
  46. 06月22日 2つの「Ciaccona」
  47. 06月23日 はたしてシャコンヌか
  48. 06月25日 3大フーガ
  49. 06月26日 来ませ聖き精霊
  50. 06月27日 始祖としてのジョゼッペコロンビ
  51. 06月28日 Gere due violini in uno
  52. 06月30日 本日のこの記事 

 

2019年6月28日 (金)

Gera di due violini in uno

イタリア語だ。「1台のヴァイオリンによる2台のヴァイオリンの競争」とでも解しておけばいい。

エアフルト生まれで主にマインツで活躍した作曲家ヨハン・ヤコプ・ワルター(1650-1715)のソナタ集「ホルトゥス・ケリクス」の第17番のタイトルだ。

興味深いのはその内容。記譜はト音2段とヘ音1段の計3段だが、2段に分かれたト音記号部分はヴァイオリン1本で演奏することになっている。一台のヴァイオリンによる、2役だ。独奏ヴァイオリンによる複数声部作品の先駆けと考えられる。楽譜が2段になっていることで、声部の進行は明瞭な一方で、記譜から重音奏法とは察知しにくい。

このソナタ集の出版は1688年バッハ3歳のころだ。当時からヴァイオリン学習の基礎教材として使用されていたから、バッハ自身が使用していた可能性も排除されていないという

バッハが一連の無伴奏作品で指し示したもの、単一弦楽器による複数声部の扱いが到達点とするなら、ワルターのこの作品は、発想として源流を形成していると思われる。

2019年5月10日 (金)

東京遷都150年

1869年5月9日、明治天皇が東京に着いた。遷都のためだ。昨日はその150年のメモリアルデーだ。おりしも令和改元の8日後だ。ブクステフーデの命日と重なっていなければ昨日の記事になっていたはずの話題である。

そして150年という時間の長さを思い遣る。1600年から1750年までの150年間と定義されるバロック時代と同じ長さが、東京遷都後に流れたということだ。

歴史系音楽ブログを自称するブログ「ブラームスの辞書」として避けて通れぬ話題。

2019年5月 9日 (木)

ブクステフーデ忌

ディートリッヒ・ブクステフーデは1707年5月9日に没した。一昨年没後310年だった。

北ドイツ・リューベック・マリエン教会のオルガニストとして名高く若きバッハが400kmを徒歩で聞きに行ったという。例にもれず19世紀前半のバッハ復興の流れの中で再評価が進んだ。教会所属のオルガン奏者だから作品の中心はオルガンやカンタータなのだが、市民コンサート向けの室内楽もわずかに存在する。

聴いてみて思うのは「ちっとも古くない」ということだ。

 

 

2019年5月 4日 (土)

カプリチョーザ変奏曲

ブクステフーデのクラヴィーア作品。正確にはアリア「ラカプリチョーサ」による32の変奏曲ト長調BuxWV250だ。

結論から申すならバッハのゴールドベルク変奏曲との関連が疑われる。32の変奏曲がト長調というだけで相当怪しい。ゴールドベルク変奏曲の第30変奏「クオドリベート」そっくりだ。トータル演奏時間25分くらいのうちの2分50秒前後と15分50秒前後がとりわけ似ている。

バッハの新発見の曲と言われたらするりと入ってきかねない。

 

 

 

 

 

 

 

 

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