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カテゴリー「094 ドイツバロック」の19件の記事

2018年10月11日 (木)

シュッツ

ハインリヒシュッツは1585年10月18日、バッハのちょうど100年前に黒ビールで名高いケストリッツで生まれた。シャイト、シャインらとともにドイツ初期バロックの「3S」と称えられる存在だ。1621年にドレスデンの宮廷楽長となり同地で1672年に没した。作品は声楽曲中心で器楽曲や室内楽は見かけないが、声楽曲は現代合唱団の主要なレパートリーになっている。

ブラームスはバッハにも劣らず尊敬していた。合唱曲とりわけドイツレクイエムの着想に影響を与えたと目される。

バートケストリッツ訪問の目的地の一つがシュッツハウスだ。醸造所からわずか150m。迷う余地のない道のり。

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楽器や楽譜中心の丁寧な展示だ。

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彼の父親は同地で宿屋を経営していた。黒ビールのケストリッツァー社の操業はシュッツの生まれる42年前である。父親の取引先だった可能性もある。

ビールとバロックが混在する街。

2018年8月24日 (金)

旅のテーマ

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過去2回のドイツ旅行では鉄道の利用は下記の通り限定的だった。

  1. 前々回 ニュルンベルクとレーゲンスブルク往復
  2. 前回 ニュルンベルクとミュンヘンの往復

前回のハイライトだったプラハには鉄道を用いず、ニュルンベルクからバスを使った。だから今回は3度目の正直で鉄道にこだわった。かといって目的もなくただ鉄道に乗るだけでは芸がないので、「音楽」と「ビール」を切り口にした。そのことを端的に現すのがこの画像だ。

2018年7月22日 (日)

虫のCD

なぜ虫のCDというのかは、以下の画像で明らか。

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木村理恵さんのドイツバロックのヴァイオリンソナタ集だ。時代的にバッハに先行する人々の作品が集められている。

ワルターやクリーガー、エルレバッハ、ブクステフーデなど濃いメンツだ。

とても気にいっている。

2018年7月20日 (金)

第二次ウィーン包囲

シュメルツァーのヴァイオリンソナタに「トルコ軍に勝利するキリスト教徒」という作品がある。シュメルツァーと言っても息子のアンドレアス・アントン・シュメルツァーの方。父の弟子と目されるビーバーのロザリオのソナタ第10番の盗用という話題もついて回る。

二か月におよぶ包囲に耐え抜いた喜びを作品に盛り込んだとみるが、横着して盗用したわりには包囲終了3年後の完成と言われている。

アンドリュー・マンゼのCDを買い求めて楽しもうと思ったら、その前後に収録されていたシュメルツァーのソナタが美しくてはまっている。

2018年6月17日 (日)

A German Soul

ワールドカップ開幕したばかりのこにタイミングでこのタイトルでは、いわゆる「ゲルマン魂」の話題とも思われかねない。ドイツは統一前からワールドカップの舞台で幾度どなく名勝負を演じてきた。説明不能の奇跡に接した人々はしばしば「ゲルマン魂」のなせる業と理解した。私が初めて接したワールドカップは1974年の西ドイツ大会。ゲルト・ミューラーの決勝ゴールに震えを覚えた中学二年の男の子は、その後ワールドカップにたびにドイツを応援するようになる。

これささやかなフェイクだ。実は先ごろ入手したご機嫌なCDのタイトル。ロウソクをもった乙女2人が寄り添うジャケットデザインですでに1本とられている感じがする。

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またしてもブリリアント社の仕業だ。副題に「Devotional Music 17th-century'Hamburg」と添えられている。「17世紀のハンブルクを切り口とした宗教曲集」という趣きだ。カンタータあり、室内楽あり、オルガン独奏ありの全13曲を供給した作曲家は収録順に下記の通りだ。

  1. Johann Roenmueller(1619-1684)
  2. Heinrich Scheidemann(1595-1663)
  3. Johann Sebastian Bach(1685-1750)
  4. Michael Praetrius(1571-1621)
  5. Franz Tunder(1614-1667)
  6. Matthias Weckmann(1616-1674)
  7. Johann Philipp Krieger(1649-1725)
  8. Dietrich Buxtehude(1637-1707)

この中ではなんとバッハが一番年下である。しかも1720年に一度だけハンブルクを訪れたことがあるとはいえ、バッハとハンブルクの関係はそこまで濃厚とは言えまい。さらに収録の曲がBWV527のオルガンのためのトリオソナタの室内楽版だ。ライプチヒ時代の作品で、ハンブルクとの直接の関係は薄かろう。愛好家へのサービスなのかもしれぬが、むしろラインケンあたりを入れてほしかった。テレマンの落選を「17世紀ではないから」と説明した瞬間に「バッハは?」と切り返されることは確実だ。

突っ込みどころは満載ながらやはりつくづく華麗なメンツである。バロック特集で情報収集しながら作品に親しんできたおかげとはいえ、このメンバーを心から華麗だと思えるから不思議だ。

タイトルがドイツ語ではなくて英語になっている点が、イエローカードの対象だ。

2018年6月 5日 (火)

オルガンタウン

バッハ以前のオルガン音楽の作曲家を調べていると面白い現象に出会う。ハンブルクに関係する人物が多いのだ。たどりついた職務はほぼオルガニストだ。

  1. ヤコブ・プレトリウス1世(1530?-1586) 聖ヤコビ教会
  2. ヒエロニウム・プレトリウス(1560-1629)  聖ヤコビ教会
  3. ヤコブ・プレトリウス2世(1586-1651) 聖ペトリ教会
  4. ハインリッヒ・シャイデマン(1595-1663) 聖カタリーナ教会
  5. マティアス・ヴェックマン(1616?-1874) 聖ヤコビ教会
  6. ヤン・アダム・ラインケン(1643-1722) 聖カタリーナ教会
  7. ヴィンツェント・リューベック(1654-1740) 聖ニコライ協会

彼らの共通点は、ハンブルクの教会のオルガニストであることなのだが、もう一つオランダ・アムステルダムのヤン・ピーテルスゾーン・ズヴェーリンクの薫陶を受けたということだ。つまりはネーデルランド楽派のドイツへの拡大と見ることができる。

アムステルダムに近いハンブルクは、ハンザ都市として隆盛を極め、貿易による富が集中しており、早くから宗教改革を受け入れたという背景もあって、各教会に壮大なオルガンが設置された。

トゥンダー、ブクステフーデ、ベームがいたリューベックとともにオルガンの北ドイツ楽派を形成していたと思われる。

こうした伝統をハンブルク生まれのブラームスが知らぬはずはない。

2018年6月 3日 (日)

オルガン作品全集の状況

バッハ、ブクステフーデ、パッヘルベル、テレマンの4名についてオルガンコラールの情報を集めている。

しからばこの4人以外の情報はどうなっているのかが本日の話題だ。

  1. フローベルガー 作品数は多く、CDもあるけれどオルガン自由曲がほとんど。
  2. ラインケン やはりオルガン自由曲ばかり。
  3. ズヴェーリンク コラールを見かけるけれどCDが少ない。
  4. ヴェックマン あるにはあるがCDがレア。
  5. シャイデマン あるにはあるがCDがレア。
  6. ワルター あるにはあるがCDがレア。
  7. ブルーンズ 早世のため寡作。
  8. リューベック あるけど相当レア。
  9. ベーム 同上

折をみて、ズヴェーリンク、ヴェックマン、シャイデマン、ワルターの作品もコラダスに取り上げることとする。

2018年5月25日 (金)

クリーガー問題

無知とは困った問題だとつくづく感じた一件がある。

ドイツバロックの情報収集をしていて「Krieger」という作曲家を調べていて軽い混乱を味わった。てっきり一人だと思っていたら実は兄弟だったという話だ。

<兄>Johann Philipp Krieger(1649-1725) ニュルンベルク生まれ。

  • オルガニスト兼作曲家としてデンマークやバイロイト、ハレで活躍した。ヘンデルを見出した人かもしれないという。
  • 相当な多作家だったと伝えられるものの残されてはいない。

<弟>Johann Krieger(1651-1735) ニュルンベルク生まれ。

  • オルガニスト兼作曲家としてバイロイト、ツァイツ、グライツで活躍したのち、ツィッタウに赴任し最後の任地となった。鍵盤楽器演奏の達人として君臨していた。
  • 最初の音楽教育を生地ニュルンベルクのゼバルドゥス教会で受けた。
  • 鍵盤楽器用の作品と声楽作品が残っている。

さらにだ。

これに賛美歌作曲家ヨハン・クリューガーJohan Krueger(1598-1662)まで加わって三つ巴の混沌になっていた。

2018年5月23日 (水)

ケストリッツァーの住所

先に紹介したアプリでドイツ随一の黒ビールの老舗ケストリッツァーの所在地を調べていて、興味深いことに気付いた。

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ご覧の通りだ。「Heinrich Schuetz Str16」となっている。「ハインリッヒシュッツ通り16番地」くらいの意味だ。記事「シュッツと黒ビール」でも言及した通り、この街は黒ビールと初期バロックの巨匠シュッツが混在する街だ。

発酵中の酵母に「シュッツの合唱曲を聞かせている」くらいの小技は十分期待できる。

2018年5月20日 (日)

プレトリウスのオルガン

Mプレトリウスはバッハの生地アイゼナハと指呼の間にあるクロイツブルクに生まれた。1572年生まれだからバッハに先立つこと113年だ。没したのが1621年。バロック時代は1600年からの150年間とひとまず定義されているから、バロックに先立つルネサンス音楽と初期バロックの継ぎ目付近にいる。バッハ家ほどではないものの、プレトリウス家は多くの音楽家を出した。

彼のオルガン作品を収めたCDを店頭で手に取って、吸い込まれるように入手した。

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思いのほか日本語解説が充実しているのがうれしい。最初からオルガン用として作曲されたわけではなく「場合によってはオルガンも可能」という位置づけの作品を、やっぱりオルガンでという意欲が素晴らしい。

  1. O Lux beata Trinitas おお聖なる三位一体の光
  2. A Solis ortus caine 日出る地平から
  3. Summo Parenti gloria 至上なる父に栄光あれ
  4. Wir Glaeuben all an einen Gott 我ら唯一の神を信じます
  5. Alvus tumesit virginis 乙女マリアの胎に宿れり
  6. Nun lob mein Seel den Herren 今ぞ我が魂、主を讃えん
  7. Christ unser Herr zum Jordan kam 我らが主キリストはヨルダン川に来たり
  8. Te mane laudum carmine 朝には歌をもってあなたを讃え
  9. Vita sancotum 聖なる命が
  10. Ein feste Burg ist unser Gott 神は堅き砦

見ての通りラテン語タイトルが優勢だ。のちのバロック時代にあって隆盛を誇ることになるオルガンコラールの原型がここにある気がする。

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