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カテゴリー「095 イタリアンバロック」の15件の記事

2022年8月 7日 (日)

ラフォリアの流行

イベリア半島起源の舞曲「フォリア」が17世紀のイタリアで大流行した痕跡が我が家所有のCDにどれほど残っているのか検証してみた。

  1. 1490 作者不詳の「Folia」
  2. 1520  Juan Di Enzina
  3. 1553 Diego Rodrigez
  4. 1553  Diego Ortiz
  5. 1557  Antonio de Cabezon
  6. 1650  Andrea Falconiero
  7. 1659  Maurizio Cazzati
  8. 1664  Berardo Storace
  9. 1669  Giovanni Antonio Pandorfi
  10. 1671  Francesco Corbetta
  11. 1685  Arcangero Correlli op2
  12. 1700  Arcangero Correlli  op5-12
  13. 1701  Marin Marais
  14. 1705  Antonio Vivaldi op1-12
  15. 1709  Antonio Martin Y Coll

「おお」ってなもんだ。ドイツの作曲家がいない。ヴィヴァルディより200年少々さかのぼるとはイタリアおそるべし。

 

 

2022年8月 6日 (土)

ラフォリア

「ラ」は冠詞だから実態は「フォリア」で「Folia」と綴る。イベリア半島起源の舞曲だ。メヌエットやサラバンドと同じ舞曲の名前なのだが、長い間に短調主体の低音部の定型までも含んで定義されるようになった。「ラフォリアバス」という。

イ短調を例にとると「A→E→A→G→C→G→C→E」だ。

「ラフォリア」と明記されていなくても、ベースラインの進行がこの流れであるなら、聞き手はラフォリアを想起する。ましてや、シャコンヌやパッサカリアの低音進行がラフォリアバスだった場合は実質ラフォリアということになる。短調のシャコンヌやパッサカリアはひとまず疑ってかかるほうがいい。

17世紀イタリアで大流行し、たくさんの作曲家が作品を残している中、コレルリのop5-12がとりわけ名高い。

 

 

2022年7月25日 (月)

まさに醍醐味

店頭で手に取ったのは、単なる偶然だった。ストラディヴァリウスというイタリアのレーベルが珍しくて何の気なしだった。内容はヴィヴァルディのオルガン協奏曲だった。収録曲目を見て血の気が引いた。イタリア語はわからぬものの「RV265」と「BWV976」という記載が確認できた。

 

ヴィヴァルディの「調和の霊感」から12番ホ長調op3-12RV265を、バッハがチェンバロ独奏に編曲したものがBWV976である。ヴィヴァルディのオルガン協奏曲を集めたCDの余白に収録されている以上、チェンバロ独奏用の作品がオルガンで演奏されている可能性が高いとにらんで購入。

 

帰宅して再生するとあたりだった。まさにBWV976のオルガン盤である。第二楽章ラルゴをオルガンで聴けた。

 

そりゃあもう絶句。「目覚めよと呼ぶ声が聞こえ」をシュプラーコラールBWV645で初めてオルガン曲として聴かされて以来の衝撃と申すべきか。いやはや敬虔。ヴィヴァルディにも編曲したバッハにも宗教的な意図なんざあったはずはないのだが、賛美歌風だ。これを教会で聴かされたら神様を信じてしまう。

2022年7月 3日 (日)

無意識の結晶

音楽作品は作曲家の創意の結晶である。これは疑えない。それが注文による作曲であったにしてもだ。もちろんその楽譜上に記載される楽語の選択も含めて、作曲家その人の意思の発露である。作品を世に問う手段としての楽譜出版の位置づけが重みを増せば増すほど、楽譜上に記される楽語の重要性もまた高まっていくことは確実だ。

さて、そうした作品がある程度たまってきたとして、作曲家はそれを手元において常に参照しただろうか。もっというならそこで用いられた楽語をカウント集計していただろうか。

おそらく答えは「No」だ。つまり作品自体はそこに書かれる楽語含めて意思の反映であるのに対し、作品群中の楽語の使用頻度までは意識されてはいるまい。250年後の極東日本の愛好家がまさか数えるとは思ってもいないはずだ。

だから楽語使用の頻度は、作曲家の無意識の反映だ。だからこそヴィヴァルディの「ALA」への固執は、個性の反映であると解し得る。

 

 

 

 

2022年7月 1日 (金)

タルティーニさんの事情

タルティーニのヴァイオリン協奏曲125曲について急緩急3楽章の発想記号がどうなっているか調べている。「ALA」はわずか14%程度。しからば何が多いのか。

「急緩急」のうち、両端の「急」については「Allegro」がほとんどで、変わるとしても「Presto」だ。この点はヴィヴァルディと大差ない。問題は中間の「Largo」が、どう差し替わるかだ。そこで両端を「Allegro」で固定し、中間楽章のバリエーションを調べた。

  1. Adagio    20
  2. Andante   22
  3. Cantabile   1
  4. Grave    16
  5. Largo    16
  6. Sostenuto  1
  7. 無表示    2

バランスが取れていると申し上げていいだろう。「Sostenuto」を除けば顔ぶれはヴィヴァルディと大差ない。ヴィヴァルディの「Largo」への固執だけは確実だろう。

2022年6月30日 (木)

タルティーニのALA

イムジチのヴィヴァルディボックスのブックレットを頼りに、ヴィヴァルディのコンチェルトにおける、楽章冒頭の発想記号を分析してみた。となるとヴァイオリン協奏曲全集のブックレットを頼りに同じことをタルティーニでやりたくなった。

まずは総数を125曲と押さえる。ここから3楽章ではないケース12曲が脱落するから113曲だ。ここでまずは軽い驚きがある。ヴィヴァルディやテレマンは様々な独奏楽器の協奏曲があったが、タルティーニの113曲はすべてヴァイオリン1本の独奏だ。

さてこのうちプレーンの「Largo」が、これまたプレーンの「Allegro」に挟まれた「真正ALA」は6曲しかない。

  1. D  29 ニ長調
  2. D  55 ホ長調
  3. D  59 ヘ長調
  4. D  93 イ長調
  5. D116 変ロ長調
  6. D117 変ロ長調

「Allegro」「Largo」が何かに修飾されている形「疑似ALA」まで含めると下記10曲が加わる。「Larghetto」2曲をこれに含めている。

  1. D   5 ハ長調
  2. D 13 ハ長調
  3. D 18 ニ長調
  4. D 25 ニ長調
  5. D 36 ニ長調
  6. D 81 ト長調
  7. D 87 ト長調
  8. D 88 イ長調
  9. D123 変ロ長調
  10. D125 ロ短調

合計16曲14%少々の構成比でしかない。ヴィヴァルディとは大違いだ。

2022年6月29日 (水)

バッハのALA

ヴィヴァルディのコンチェルトに「Allegro」「Largo」「Allegro」という3楽章構成がやけに多いと書いた。じゃあバッハはどうなのかというのは自然な展開だ。そもそもバッハのコンチェルトはヴィヴァルディほど多くない。

BWV1055のチェンバロ協奏曲が、疑似ALAに相当するくらいしか見当たらない。楽章冒頭の発想記号なしというケースも大変多い。緩徐楽章に「Largo」系の用語が出るには出るが、「Allegro」にサンドされない。

 

 

 

 

2022年6月13日 (月)

フレスコバルディ

初期バロック時代のイタリアの作曲家。鍵盤楽器用作品を数多く残した。

彼のオルガン作品の中にコレンテという舞曲があるという情報をキャッチした。流布しているCDを発見できていない。もしも実在するなら、「オルガン作品に舞曲は現れない」という命題の反証になる。あるいはドイツに限ってはという詞書の付与が必要になる。

彼の作品は鍵盤用作品としてくくられて語られることが多い。チェンバロ用なのかオルガン用なのか見極めたい。

 

 

 

 

2022年5月30日 (月)

バラ売り

ドイツではかなり順守されている組曲内部の舞曲構成の下記ルールがイタリアでは守られていないと昨日書いたばかりだ。

  1. 「アルマンド」「クーラント」「サラバンド」がこの順で連続する。
  2. 終曲に「ジーク」を据える。

このルールの両方を同時に満たす作品が発見できないということなのだが、ここでいう4舞曲「アルマンド」「コレンテ」「サラバンド」「ジーク」はイタリアでも普通にみられる。これら舞曲が書かれていながら、上記定義だけは満たしていないということに他ならない。ヴィヴァルディより若い世代に至るもその傾向は同じである。この4つに「ガヴォット」「エア」「プレルード」を加えた7曲は本当によく見かける。必ず曲集の先頭になる「プレルード」以外の配置場所は実に多彩だ。

舞曲の種類はドイツとイタリアで共通するものの、その配置についてはイタリアはドイツよりずっと自由だ。

 

 

2022年5月29日 (日)

イタリアの実態

ドイツには下記定義を2つとも満足する組曲配置が多いと検証した。

  1. 「アルマンド」「クーラント」「サラバンド」がこの順で連続する。
  2. 終曲に「ジーク」を据える。

ヴィヴァルディやコレルリがちっともこの定義を満たさないとわかったから、他のイタリア作曲家についても所有CDのブックレットを頼りに確認してみた。結論から先に申すなら、我が家所有のCDに関する限り、イタリア人のバロック作曲家の組曲に上記2つの定義を満たす作品は1つもなかった。確認した作曲家は下記のとおり。

  1. Vivaldi
  2. Correlli
  3. Tartini
  4. Veracini
  5. Geminiani
  6. Farini
  7. Pandorfi

ついでに申すなら、パーセルにもルクレールにもなかった。

貧弱な我が家のコレクションだから、サンプルの絶対数に不安があるのはご指摘を待つまでもない。がしかし、コレクションが薄いのは何もイタリアバロックに限った話ではない。ドイツバロックだって薄いのだ。それでいてドイツとの差はいったいなんだ。開票率がまだ低いのに当確を出す感じににている。

フローベルガーの定義はドイツにのみ有効であると。

 

 

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