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カテゴリー「119 テキスト」の105件の記事

2021年12月23日 (木)

判定やいかに

記事「王と王子の12番歌合せ 」の判者つまりレフリーは私だ。本日は私の判定結果を公表する。

<第1組> ブラームスの勝ち

「糸を紡ぐグレートヒェン」と「永遠の愛について」という盤石の短調対決。前者が私的ベスト24から漏れていることからも明らか。

<第2組> ブラームスの勝ち

「月に寄す」「五月の夜」という「ヘルティ作詞の月夜歌合わせ」前者は比較的マイナーながら肉薄。意外な僅差。

<第3組> シューベルトの勝ち

「連祷」「サッフォーの頌歌」 遅い4拍子どうしだが、意外な大差でシューベルト。

<第4組> 引き分け

「幸福」「セレナーデ」 順当な引き分け。

<第5組> ブラームスの勝ち

「子守歌」対決。事実上の世界一決定戦かとぞ見る。

<第6組> シューベルトの勝ち

「ます」「雨の歌」、前者はピアノ五重奏、後者はヴァイオリンソナタの引用元。引用後の作品ならブラームスの圧勝だが、引用元だとシューベルト。

<第7組> シューベルトの勝ち

「水の上で歌う」「あの娘のもとへ」最愛の短調対決。泣く泣く判定。引き分けにしないのが愛。

<第8組> 引き分け

「夕映えの中で」「エーオルスのハープに」

<第9組> 引き分け

「夜と夢」「野に一人いて」 ブラームス最愛の歌曲とがっぷり四つに組んで引き分けるとは!

<第10組> シューベルトの勝ち

「ノルマンの歌」「領主フォンファルケンシュタイン」 思わぬ大差でシューベルト。

<第11組> シューベルトの勝ち

「シルヴィアに」「調べのように」 この勝負を心から楽しめる自分に乾杯。

<第12組> ブラームスの勝ち

「菩提樹」「日曜日」大接戦の末、ブラームスが差し切る。

ご覧の通り、シューベルト5勝、ブラームス4勝、3引き分け。前半終了時点でブラームスが3勝2敗1分けで折り返したが。案の定王者の貫禄で逆転。

 

 

 

2021年12月19日 (日)

詩人はいかに

昨日の記事「シューベルトの24曲 」で話題にしたシューベルト歌曲私的ベスト24についてテキストの供給状況を整理しておく。

登場するのは18名。「子守歌」はテキスト作者不明なので23曲を18人でカバーしているということだ。2作品に供給したのは以下の5名。

  1. ゲーテ
  2. ヘルティ
  3. ザリスゼーヴィス
  4. ラッペ
  5. コリン

3作に供給した詩人はいない。1作が下記。

  1. シラー
  2. ヤコビ
  3. ショーバー
  4. シューバルト
  5. マイヤーホファー
  6. シュトルベルク
  7. リュッケルト
  8. シュルツェ
  9. シュトルク
  10. シェークスピア
  11. ロホリッツ
  12. ミューラー
  13. シュレヒタ

選定中は気にかけずに行ったので、結果としてのこのバランスの良さは意外。このメンバーを見るだけでワクワクする自分がうれしい。

 

2021年12月16日 (木)

リートとドイツ三大詩人

先に話題にした「ドイツ三大詩人 」の件。ゲーテ、シラー、ハイネがそれにあたるという評価だそうだ。ゲーテとシラーはシューベルト歌曲においてはテキスト供給の1位と2位だし、シューマンの力を借りればハイネも上位に来る。ブラームスはこれらメジャー所があまり多くないというのが特徴になっている。

ドイツ三大詩人の選定に、ドイツリートへのテキストの供給状況が影響しているなどということはあるまいな。ないとは思うが誰かに先に言われるのも悔しいので記事にしておく。もし、シューベルトがクラシック音楽の中に「ドイツリート」というジャンルを創設し、その後何人かが追随しなかったとしても「ドイツ三大詩人」はこの3名だったのだろうか?

少しは影響があったほうに1ユーロ賭けたい気分である。

2021年12月11日 (土)

自作テキスト

子守唄は、テキスト作者不明なのをいいことに、もしかして「シューベルトの自作か」とはしゃいで見せた。ところが本当にテキストが、シューベルトという作品があった。

「サリエリ氏の50歳の誕生日を祝して」D407だ。

ここでいうサリエリ氏とは、アントニオ・サリエリだ。映画「アマデウス」で名高いあの人である。彼は教育者として優秀な弟子を数多輩出した。シューベルトはその一人である。師匠の50歳を祝うカンタータだ。テキストはと見るとちゃんと韻も踏んでいる。めでたしめでたしなのだが、作曲年が1816年なのはおかしい。サリエリは66歳の年にあたる。

2021年12月10日 (金)

詩人ストッカー

根拠レスな直感で申し訳ないが、一般の音楽人名事典は、歌曲のテキストの供給者の記述が薄いと感じる。作曲家と演奏家に偏っていると思う。もしかするとオペラの脚本家や演出家もそうした偏りの被害を受けてはいまいか。古今のドイツリート作品にテキストを供給した人の詳細なリストを見てみたい。そこに記載された顔ぶれを架空ながらひとまずA群と位置付ける。次に参照したいのは一般の人名辞典だ。その中の詩人のリストをめくる。そこの記載された詩人たちをB群とする。作家辞典ならなお好適なのは申すまでもない。

そらまあ話題がドイツリートである以上A群にはドイツ語の話者が並ぶのが自然だ。B群からドイツ人を抽出してC群としなければなるまい。オーストリア、スイスの人もあるいは加えてもいいこととする。

A群とC群を比べよう。詩人たちを以下のように分類する。

  1. A群にもC群にもいる。そらまあゲーテもシラーもハイネもここだ。訳詩までOKならシェークスピアもここだ。
  2. A群にいてC群にはいない。
  3. A群におらずC群にいる。生まれた時代が極端に古かったり新しかったりも影響すあるかと。
  4. どちらにもいない。数の上ではここが一番多いのかと。

断然興味深いのは2番だ。「ドイツリートのテキスト供給者としてしか知られていない詩人」という位置取り。さらにこの人たちをどの作曲家が付曲しているかで分類する。シューマンの末っ子4男フェリックスはここに入るはずだ。ブラームスが確か3曲付けている。この要領で作曲家をカウントすると、人数でも頻度でもシューベルトが多い気がする。それは歌曲作品の絶対数を考慮するにしてもだ。シューベルティアーデで交流のあった友人のテキストに曲を付けてそれが不滅の位置にいるケースも少なくない。

これがつまり詩人ストッカーだ。もちろん私の造語。妄想が止まらぬが、世はすでに芸術の秋。

 

 

2021年12月 9日 (木)

詩人大賞

ドイツの三大詩人は、ゲーテ、シラー、ハイネと言われてはいるのだが、ブラームスやシューベルトに限ると違和感もある。シューベルトにおいてハイネは、主流とまでは言えないし、ブラームスでも似たようなものだ。ブログ「ブラームスの辞書」としては、ヘルティを推したい。「五月の夜」のヘルティだ。シューベルト、ブラームスどちらにも佳曲が多い。

2021年12月 8日 (水)

女流不在

歌曲へのテキスト供給者に女性がいない。作家も作曲家も事情は同じだ。世の中女子の時代だというのにいかがなものか。

我が国の古典和歌だと無視し得ぬ女性歌人も存在するがむしろ例外だ。

2021年12月 7日 (火)

3大詩人

日本人だけではないと思われるが「三大なんとか」がとかくもてはやされる。「ドイツ三大B」「日本三景」「三名園」「御三家」などすぐに思いつく。同じノリで「ドイツ3大詩人」というとゲーテ、シラー、ハイネだという。

なるほどな感じがする。

歌曲へのテキストの採用状況を見てもゲーテとシラーはシューベルト歌曲の上位1位2位だ。ハイネはシューベルトには少ないがシューマンになると幅を利かせて来る。ブラームスはこのあたりを偶然か意図的には避けていて、ブラームスだけを見ていると全体を見誤るので、私のような者には注意が要る。

中国だと李白、杜甫、白居易だそうだ。日本の歌人だとどうなるのか興味深い。オーソドックスに申せば、人麻呂、家持、定家あたり。お叱りも覚悟の私は断固、実朝、後鳥羽院、九条良経である。

2021年12月 6日 (月)

テキストネタ

ブログ「ブラームスの辞書」にはカテゴリー「108」に調性があり、調にからんだ与太話が堆積している。よく考えると、この「調性ネタ」は器楽曲においてこそ盛り上がる。現在展開中の「歌曲ネタ」では調性関連の話はぐっと後退する。元々歌曲は歌手の声の都合で移調が認められるという慣例がある。器楽で演奏家の都合で移調して弾くなんぞもってのほかであるのと対照的だ。よくよく観察するとこれは独唱歌曲だけに見られる特例で、同じ声楽でも合唱では移調演奏が一般的とは言えまい。歌曲を肴に調性で盛り上がりにくい原因をこのあたりに想定している。

歌曲話において調性ネタに代わって俄然浮上するのが、テキストネタだ。器楽曲の名前を云々する際に必ず調性の名称がついて回るのとほぼ同じ気合で、テキスト供給者の名前が付与される。ドイツリート作品への作品の供給をキーにした詩人ランキングがどこかにないものか。有名詩人たちの一通りの経歴や芸風についての話題は、調性同様に盛り上がる。

 

2021年12月 5日 (日)

独唱用詩人

どうも様子が変だ。ゲーテのことである。シューベルトの独唱用歌曲は「ドイツリート」の始祖と位置付けられており、ゲーテは質的にも量的にも最大のテキスト供給者だ。質を深く論ずる知識がないから量を問題にする。ひとまず母数を575曲とし。このうち73がゲーテのテキストだから12.7%を占める。これが合唱や重唱となりと様変わりだ。宗教的作品は控除するので合唱曲全集ではなくてSingphonikerさんの「男声パートソング全集」で確認する。全97曲のうちゲーテさんのテキストは下記の通り。

  1. 水上の精霊の歌 D538
  2. あこがれ D656
  3. 昔を今に D710
  4. 水上の精霊の歌 D714

たった4曲、4.1%でしかない。しかも4曲と言いながらD538とD714は同じなのでテキストとしては3作にとどまる。歌曲側の供給数第二位のシラーは43曲7.5%なのだが、重唱では18曲18.6%で一躍首位に躍り出る。シラーさん以外にもヘルティ、マティソン、ザリスゼーヴィスという面々が数の上でゲーテを上回る。

テキストに接した作曲家の脳内に湧き出るインスピレーションが、楽曲の形式を決めているとするなら、ことシューベルトに関する限りゲーテはいわば独唱用詩人と位置付けうる。この落差はゲーテにおいて特に目立つ。

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