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カテゴリー「120 ベースライン」の8件の記事

2019年6月 6日 (木)

ペダルソロ

やはり楽譜は見てみるものだ。ブクステフーデのハ長調プレルーディウムBuxWV137のことだ。

 

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楽譜を見ずに聴いていた時はわからなかった。3段楽譜の最下段を見てほしい。冒頭5小節間ソロだ。ヘ音記号の3段目は足鍵盤だ。延々5小節の間、足鍵盤のソロだ。冒頭いきなりのペダルソロとは華麗な。速度の表示はないものの、これを足でとなるとかなりな名人芸だ。

2019年5月14日 (火)

BuxWV149

ブクステフーデのPraeludium Gmollのお話。8分の12拍子華麗な16分音符の連続でバッハ然と立ち上がる。やがて7小節目からペダルが加わる。

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こんな感じ。付点4分音符7個の羅列が「ブクステフーデ」に聞こえて仕方がない。

 

2019年4月14日 (日)

二声ということ

テレマンのコラール前奏曲が二声と三声に編曲されていると書いた。二声は、バッハの同種の作品を聴き慣れている耳にとってはすっきりした印象になる。

例えばTWV31:20

 

20180330_071410_3
「二声」というともっともらしいが、2つの声部のうちどちらかはコラールの定旋律であることを考えると、単純な伴奏と旋律ととらえなおすことができる。例示したBWV31:20は、定旋律が終始右手側に置かれているから一段とシンプルだ。

テレマンのコラール前奏曲、とりわけ二声バージョンは、「旋律と伴奏」という枠組みで理解できる。次の世代古典派の先取りとも受け取れる。

 

 

 

 

2018年4月17日 (火)

F音連打

記事「C音連打」の続き。第二交響曲にささやかなC音の連打があると書いたが、本日は「F音」だ。

ドイツレクイエムの冒頭から10小節目まで「F音」が4分音符で連打される。4分の4拍子だから合計40個の4分音符が4個ずつスラーで一まとまりにされている。レクイエム第一曲はヘ長調だから、その主音がチェロとコントラバスで連打される。ダイナミクスは「p」だから粛々と進行するので必ずしも連打というイメージではない。

ダイナミクスが「p」であることを除けば第一交響曲の冒頭と似ている。第一交響曲は主音「C」が8分音符で52個、ドイツレクイエムは4分音符40個。

  • 2017年11月 4日 (土)

    C音連打

    断り無くいきなり「C音連打」などど申せば、第一交響曲の冒頭を思い出す人は多いだろう。ましてや本日11月4日は第一交響曲の初演記念日でもある。

    ところがもうひとつささやかだが印象的な「C音連打」がある。

    交響曲第2番第3楽章だ。中間部「Presto ma non assai」の中ほど、51小節目、第3楽章ではじめて「フォルテ」が出現する場所でもある。ここから10小節間ホルンとコントラバスが20個の四分音符を羅列する。すべて「C音」だ。第1交響曲の冒頭に比べればささやかなもので一瞬の出来事ではあるのだが、まことに印象深い。さらにそのあと71小節目からの10小節でも、「C音連打」がおぼろげに仄めかされる。

    先の記事「もしかしてC」で、4つの交響曲の中で、第二交響曲にだけ「C」を主音にする楽章が存在せずに、残念だという趣旨の話をしたが、この「C音連打」はそれを補うような感じである。

    2015年12月25日 (金)

    molto p e sotto voce sempre

    繊細で微妙な指定だ。ヴァイオリンソナタ第3番第1楽章84小節目に鎮座する。いわゆる展開部がここから始まる。

    130小節目で再現部が始まるまでの46小節間が展開部と称されている。その間最強のダイナミクスは「p」に留まる。注目すべきはピアノの左手だ。46小節間途切れることなく「A」音の四分音符184個が敷き詰められる。同音184回の連打は非常に珍しいが、効果の程も絶大だ。

    ヴァイオリンは、開放弦の使用を強制された移弦奏法による第一主題の暗示が主体だが、合いの手に差し挟まれるアルペジオが悩ましい。声を荒げる瞬間は全く訪れず、ニュアンス1個の出し入れで全てが表現される。

    こうした展開部のキャラを一瞬で伝えるための指定が「molto p e sotto voce sempre」だと解したい。

    ブラームス生涯でたった一度の指定だと思いたいところだが、実は実はもう一箇所、全く同じ指定がある。インテルメッツォ嬰ハ短調op117-3冒頭だ。これほど繊細で微妙な指定が2箇所もあるとは、ただ事ではない。

    2009年1月 3日 (土)

    佳き人よく見

    佳き人の 良しとよく見て 良しと言ひし 吉野よく見よ 佳き人よく見

    万葉集巻1に天武天皇の御製として納められらた歌だ。吉野を誉める内容である。高貴な人が誉めることは言霊的に、意味があるとされている。国誉めと同列だと思われる。ここで言う吉野が桜で名高い奈良県の吉野だと解してよいのか議論もあるようだ。

    難しい論争は専門家にお任せするとして、気になることがある。この歌には「よ」が頻発するのだ。全部で9回も「よ」が出現する。第3句が字余りだから合計32音の4分の1超28.1%が「よ」ということになる。異様な密集ぶりである。「よ」を意図的に重ねたと推定出来る。

    よ○○○○ よ○○よ○○○ よ○○○○○ よ○○よ○○よ よ○○○よ○○

    各句の先頭は全て「よ」である。

    「ブラームスの子守歌」で名高い「Wiegenlied」op49-4は変ホ長調4分の3拍子、全長18小節の小品だ。18小節全てにおいてピアノの左手は必ず低い「Es」音で始まっている。「オルゲルプンクト」あるいは「ペダル音」というにはあまりに可憐だ。

    天武天皇の御歌の「よ」は、この「Es」18回に通ずるような気がしてならない。

    こじつけもここまで来ると芸術の域。

    2005年7月10日 (日)

    ベースラインマーカー

    これは私の造語。

    ブラームスの演奏振りや、ピアノの弟子への指導振りを目撃した幸運な人々は、しばしばブラームスが、作品のベースラインを重視したことを証言している。その度合いはしばしば旋律線そのものよりもベースラインを重視するケースさえあったとされている。ベースラインをないがしろにした演奏に対して烈火のごとく怒ったとか、僕は低音しか見ていないと語ったとか、その種のエピソードには事欠かない。

    こうしたベースライン重視の姿勢が彼が残した膨大な量の楽譜に何等痕跡を残していないとは考えられない。残っていて当然である。ベースラインの動きが特に大切な場面で、ベースラインを担当する声部に付与した目印を私の著作の中で「ベースラインマーカー」と命名している。

    先に言及した「主旋律マーカー」と合わせればブラームスの作品の2大骨格の「旋律」と「ベースライン」が浮き彫りとなる。時に応じて多彩な用語が使われた「主旋律マーカー」に比べて「ベースラインマーカー」は起用される単語が限定されている。その代表例は「marcato」である。「ben marcato」までを含んで「marcato」の二大機能のうちの一つである。「marcato」は「f」側における主旋律マーカーを担っているケースもあり判別が難しいが、この用例はけっして少なくない。

    おっと、書き過ぎたか!

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