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カテゴリー「126 ジプシー音楽」の4件の記事

2021年3月 2日 (火)

ラカトシュ

ロビー・ラカトシュさんは1965年生まれのハンガリーのヴァイオリニスト。というよりロマ音楽の大家だ。

そのラカトシュさんをソリストに据えた「四季」のCD発見。周囲が普通の合奏団だから、ノリノリにはならぬのを承知で購入。恐る恐る聞いてみた。ツィンバロンとの二重奏あるいはせめてピアノとの二重奏にでも編曲されているなら別だろうけど、通常の合奏団を従えてできること多くあるまいとタカをくくっていたのだが、ソロの場面では十分に楽しめる。春の出だしは普通でがっかりしたが、ソロの音質でハッとさせられた。

夏1楽章の緩急交代の妙がハンガリー風で一息つける。ハンガリーの夏は暑いのか、2楽章のけだるさは独特。ツィンバロンのトレモロが聞こえる。フィナーレでは本調子に。

普通に始まる秋の1楽章のソロはアドリブがすごい。ピチカート総動員。89小節から105小節目までのねむりの場面で楽譜にない旋律をppで弾く。第二楽章の最大の特色として通奏低音のツィンバロンがひそやかなアルペジオを敷きつめる。まあこれも続く第3楽章の控えめな予言でしかないとあとから気づく。冬の第一楽章では当然歯の根が合わない。

「楽譜にないことを弾く」という意味では冬の第2楽章が頂点だ。ハンガリーロマたるものこうでなくては。フィナーレ120小節目「東風吹かば」の急速なパッセージから逆算された「滑ってころんで」がきれっきれで心地よい。

全体の印象として、チェンバロの不参加が大きく印象を変えていると思う。代わりがツィンバロンであることを味わうとより印象が深くなる。

 

 

2016年2月14日 (日)

ジプシーアンサンブル

ご機嫌なCD手に入れた。

ラオシュ・ホルバート2世率いるハンガリージプシーアンサンブルが演奏するハンガリア舞曲だ。ハンガリア舞曲の原型を垣間見る思いがする。編成はヴァイオリン、ツィンバロン、ピアノ、コントラバスだ。ジプシー四重奏の基本編成なのだと思う。解説書にも興味深い話満載だ。超絶技巧ヴァイオリンはハンガリージプシーのお家芸で、名人の系譜は16世紀にまで遡るらしい。そしてその系譜の最後に位置するのがブラームスの相棒、エドゥワルド・レーメニだという。ブラームスはレーメニから正当なハンガリージプシーの語法を吸収したと考えられる。

これをもとにブラームスがピアノ4手用に編曲したのが名高いハンガリア舞曲なのだと思い知らされた。誤解を恐れずに言えばアクが抜かれている感じだ。市民社会の台頭とともに一般家庭に急速に普及したピアノを念頭にと申しては刺激が無さ過ぎる。彼等の演奏に比べればヨアヒムが編曲したヴァイオリン&ピアノ版もおとなしいものだ。

1番、2番、4番、5番、6番それに17番の6曲だけというのが残念だ。ドヴォルザークのスラブ舞曲10番が入っているのがご愛敬でもある。この編成でピアノ四重奏第1番のフィナーレが聞いてみたい。

2015年6月14日 (日)

どこがジプシー風

ピアノ四重奏曲第1番ト短調op25のフィナーレ第4楽章は、「Rondo alla zingarese」と書かれている。古来「ジプシー風ロンド」と解されている。「ジプシー風」の定義は、わかる人にはわかると言わんばかりに明示されていない。

32小節目に初めて現れる音階は以下の通りだ。

  • 嬰ヘ
  • 変ロ
  • 嬰ヘ

普通の旋律的短音階である。いわゆる「ジプシー音階」にはなっていない。ジプシー音階であるなら、「ハ」が「嬰ハ」に、「ホ」が「変ホ」でなくてはならない。属音「ニ」を半音で囲む必要がある。このあと同楽章には、この音型が繰り返し現れるが、「ジプシー音階」になっているところは一か所も無い。

同楽章が「ジプシー風」と呼ばれている根拠は音階以外の別の部分に求めねばならない。

2007年7月19日 (木)

ジプシー音階

ジプシー音楽で用いられる音階。Dを起点に考えると下記のようになる。

D-E-F-Gis-A-B-Cis-D

シャープ2個のニ長調から考えると、Fにナチュラル、Gにシャープ、Hにフラットが必要になるが、フラット1個のニ短調から考えると、Gにシャープ、Cにシャープで事足りる。ニ短調においてCにシャープは違和感がない。旋律的短音階をベースに第5音を半音で囲んだと見ることも出来る。属音の強調と言ってしまうと少々理屈っぽくなる。第6音が半音下がるのは、ブラームスお好みでもある。素直に音階、特に短音階を駆け上らないのはブラームス節の特徴かもしれない。

ブラームスは無名時代レーメニとのコンビを組んでいた頃からハンガリージプシーの語法を積極的に取り込んで来た。ハンガリージプシー音楽の痕跡はブラームス作品を印象的に縁取っている。

最も劇的な用例と考える場所を一つだけ挙げる。

ヴァイオリン協奏曲第1楽章90小節だ。独奏ヴァイオリンが颯爽と登場するところである。先ほど示したDを起点とするジプシー音階を駆け上る。厳密に言うとAの後のBが省略されいきなりCisに至る。その後の三連符の展開でBが現れるので、ここでブラームスが省略したのがHではなくてBだと推定できる。

ニ長調の作品なのに、この部分明るいとはお世辞にも言えない。難しい割にスカーッとしない立ち上がりだ。臨時記号も多い。ニ短調とも少し違う。なんだか訳が分らないというのが素直な感想だ。この協奏曲に挑もうかというヴァイオリン弾きに音程不安があろうはずもないが、ただ楽譜通りに音をトレースすればよいという訳ではない。短調でも長調でもない変な音階だと感じていたら、それは必ず音に現れる。ブラームス渾身の大コンチェルトの立ち上がりが、その程度のノリで弾かれては困るのだ。

「Dを起点とするジプシー音階」を弾くんだという意志を込めて弾かれるべきだ。そう意識した瞬間から考えなくても指が勝手に動くことが望ましい。訳の分らぬ音階を、言われたたまに駆け上るという意識では困る。音階から除かれていた「B音」が三連符の中にキチンと現れた瞬間の幸せを感じたいものだ。

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