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カテゴリー「144 コラール」の67件の記事

2018年10月25日 (木)

賛美歌体験

実はバッハムゼウム到着してすぐ、併設の音楽ホールに駆け込んだ。

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同館が所蔵するオルガンやチェンバロを実際に弾いてくれるレクチャコンサートがあった。

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そのレクチャコンサートで旅行中最大の衝撃的体験に遭遇した。腰が抜けるほど驚いた。

チェンバロ2台、オルガン1台を弾いてくれたあと最後の足踏み式オルガンを試奏するにあたって、パイプに空気を送るペダルを踏んでくれる人を聴衆から募った。

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こうして始まった演奏は「Ein fest Burg ist unser Gott」(神は堅き砦)だった。曲目の説明はなかったが、旋律でそれとわかった。おそらく「BWV302」か「BWV303」のどちらか。曲が終盤に近づいたころ、白いシャツの奏者が演奏を続けながら聴衆の方に首だけを向けて「どうぞ」とばかりに合図した。

そうしたら。そうしたら。

聴衆が賛美歌「Ein fest Burg ist unser Gott」を歌い始めた。最前列にいた私は思わず後ろを振り向いた。テキストも何ももっていないのに全員が賛美歌を歌っている。同曲は数ある賛美歌の中でも知名度において筆頭格ではあるのだが、これには心底驚いた。いや、その瞬間は鳥肌がたった。

こういうことだったか!という感じ。

演奏を終えた瞬間、温かい拍手が湧いた。奏者も聴衆の方に向き直り手をたたいた。

元々コラール前奏曲は会衆による賛美歌の斉唱を先導する「音取り」が主目的だ。知識としては基礎に類するのだが、実際に遭遇して腰が抜けた。この感動を奏者に伝えようにも私の英語ではどうにもならなかった。一生ものの体験だ。

2018年8月 2日 (木)

オルガン名曲集

古今の有名曲をオルガンで演奏したCDは珍しくない。本日話題のCDを店頭で手に取った時は、よくある名曲集かと思っていた。

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帰宅してブックレットを読むと、軽い衝撃を覚えた。2016年録音で2017年発売のCDなのだが、オルガニストのGeorges Athanasiades さんは1929年のお生まれだった。録音時点で87歳ということになるからだ。

オルガン名曲集としては自然なことだが、収録全14曲中4曲がバッハだった。

  1. 主よ人の望みの喜びよ
  2. アクトゥストラジクス
  3. G線上のアリア
  4. 恋するガリア

これら超有名曲が淡々とオルガンで鳴らされるのだが、冒頭の「主よ人の望みの喜びよ」の後にブラームスが置かれていた。最後の作品「オルガンのための11のコラール前奏曲op122」の10番「Herzlich tut mich verlangen」である。この手のオルガン曲集に採用されることは大変珍しい。これだけでも購入に踏み切るに十分だった。

さらにそのあとは「タンホイザー」の「巡礼の合唱」だった。オルガンで弾かれてみてはっとした。なんだかきっちりとはまっているので驚いた。しかもオルガン編曲はリストだという。その次にモーツアルトのハ長調ソナタK545全3楽章のオルガン版だ。本CDの唯一のキズともいうべき選曲だ。曲や編曲の良し悪し以前に雰囲気になじんでいない。

しかし続くシューベルトで違和感はリセットされる。「Litanei」D343だ。「連祷」と訳されて違和感の無い万霊節用リートのオルガン編曲だ。「しみじみ」とはこのことだ。

それからお次はショパン。前奏曲op20から4番6番20番が続く。4番はまたまたリストの編曲らしい。そして満を持すバッハ。アクトゥストラジクス、G線、ガリアという流れはよどみがない。

ラスト14曲目が流れ出して耳を疑った。思わずブックレットを読むと「Choral St,Antoni」と書てあるばかりか、演奏者本人の解説で「ブラームスのハイドンの主題による変奏曲の原曲」と明記されていた。87歳の老オルガニストの脳裏にブラームスがあることは確実だ。「聖アントニーのコラール」がハイドン作ではないことはもはや定説となっている。だからジャケットには作曲者名が書かれていない。オルガン曲集のプログラミングだというのにバッハを差し置いてトリにブラームスを持ってきたことは明白だ。ここに及んで、2曲目にブラームスのコラールが置かれた意図がはっきりする。バッハとブラームスでロマン派の作曲家たちをはさんだということに他なるまい。つくづく場違いなモーツアルトが惜しい。

で、演奏はというと。

演奏はというと、遅めのテンポでオルガンが奏でる「聖アントニー」は、なんだかしっとりと心温まる。弾かれてみて「その手があったか」と納得。ハイドンの木管五重奏の第二楽章として、ブラームスの管弦楽用変奏曲の主題として名高いのだが、あくまでもあくまでも本質は「コラール」なのだということを改めて思い知らされた。

2018年7月19日 (木)

今こそ声上げ

オリジナル「In dulci Jubilo」という。このタイトルはドイツ語ではなくラテン語である。テキストもドイツ語とラテン語が混在し、庶民はラテン語部分の意味は分からず呪文状態だったと推定されている。

  1. バッハ BWV608,729,751
  2. ブクステフーデ  BuxWV197

パッヘルベルとテレマンに採用がないけれど、心躍るばかりのクリスマス専用コラールだ。原題のラテン語は「甘き喜び」くらいの意味。「dolci」は音楽用語「dolce」の複数形であるばかりか「スイーツ」の意味もある。「jubilo」はサッカーJリーグのジュビロ磐田のネーミングの元ともなっているからなじみ深い。

2018年7月10日 (火)

照る山もみじ

「愛するイエスよ、我らここに集いて」(Liebster Jesu, wir sind hier)は大好きなコラールだ。本当に本当に美しいのだが、冒頭赤枠内が「もみじ」の中の一節に似ているので、私的通称としては「照る山もみじ」になっている。

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作曲者はヨハン・ルドルフ・アーレ(1625-1673)は、ミュールハウゼンのオルガニストとして活躍した。同職務は息子のヨハン・ゲオルクに引き継がれた後、その死去にともなって21歳のバッハが引き継ぐことになる由緒ある地位だ。

だからというわけでもなかろうが、バッハは合計6度編曲している。

  1. BWV373 4声のコラール集
  2. BWV633 オルゲルビュッヘライン 5声体
  3. BWV634 オルゲルビュッヘライン BWV633の異稿
  4. BWV706 キルンベルガーコラール
  5. BWV730
  6. BWV731

みんな微妙に違っていてとても楽しい。BWV373はオルガン版、合唱版ともに美しい。カンタータに採用がないのが残念だ。

2018年7月 9日 (月)

大出費

レーガーがブラームスに献じたオルガン作品「JSバッハの作法にて」のCDをとうとう入手した。全集の中に入っていた。

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これ欲しさに、全集をやむなく買い求めた。およそ8000円の大出血だ。

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気を取り直してブックレットを読むと、オルガンコラールが山ほどある。バッハと共通するものも多くてしばらく退屈しない。

2018年7月 3日 (火)

心を弾ませ

ドイツ語では「Werde munter,meine Gemuete」という。1642年ヨハン・ショップの旋律だ。夕べの歌として知られている。

  1. バッハ BWV1118
  2. パッヘルベル P498

BWV1118という大きな番号はノイマイスター手稿譜での実在ということだ。パッヘルベルにもあってうれしいなどと言っている場合ではなかった。

「主よ人の望みの喜びよ」として有名なBWV147の第6曲と第10曲は、この「心弾ませ」が下敷きになっていた。4分の4拍子の原曲を8分の9に差し替えているからわかりにくい。感覚としては別旋律だ。

2018年7月 2日 (月)

マリア訪問の日

さっぱりわからんのが実態だ。就職活動の一環としての「会社訪問」の場合、学生が会社を訪問することだから「会社」は目的語だけれど、キリスト教の祝日「マリア訪問の日」の場合は「マリア」が目的語ではない。つまり誰かがマリア様を訪問した日ではなかった。正解は主語だ。マリア様が主語である。

天使ガブリエルから受胎を告げられたマリア様は、それが受け止めきれずに、当時身重だった親戚のエリザベートを尋ねてアドバイスを受けた日で、7月2日とされている。

バッハのトマスカントル就任のその年でもある1723年7月2日マリア訪問の日のために初演されたのが「心と口と行いと生活で」BWV147であった。このカンタ-タの第6曲こそが今や知らぬもののない「主よ人の望みの喜びよ」である。

2018年7月 1日 (日)

ブラームスの弾いたオルガン

ブラームスは、1862年にウィーンに進出する前、ハンブルクに住んでいたころ、自らの洗礼を受けた聖ミヒャエリス教会で、しばしばオルガンを弾いた。1770年ヨハン・ゴットフリート・ヒルデブランド製だったという。バッハと親交があったことでも知られているツァハリス・ヒルデブラントの息子である。

礼拝でオルガンを弾くほか、合唱の伴奏も務めていたらしい。

ウィーン進出後は、フォーティフ教会1878年製を弾いていたとされている。

こうしたオルガン演奏経験が、「オルガンのための11のコラール前奏曲op122」の作曲に繋がっている。

2018年6月28日 (木)

Luther Collage

ご機嫌なCDのタイトル。「ルターカレッジ」かと思った。よく読むと「コラージュ」だった。

ドイツの声楽アンサンブルCalmus Ensembleの演奏。以下のコラール7種を様々な作曲家の作品で演奏しながら、教会暦をたどるという巧妙なコンセプト。思うだに意欲的だ。

  1. Ein Feste Burg ist unser Gotte
  2. Nun komm,der Heiden Heiland
  3. Christum wir sollen loben schon
  4. Mit fried und freud ich fahr dahin
  5. Christ lag Todenbanden
  6. Komm,Gott Schoepfer,Heiliger Geist
  7. Velreih uns Frieden gnaediglich

まずはこのCalmusEnsembleという団体がアカペラの声楽五重唱団だということをおさえておく。ところが演目の中にオルガン用のコラール前奏曲やカンタータが含まれる。不審に思って聴くと驚く。カンタータもオルガンコラールを声楽アンサンブルで再現しているからだ。

そしてそして、上記4の中にブラームスがある。op74-1がフィナーレだけ採用されている。ロマン作曲家では他にレーガーとメンデルスゾーンが収録されている。

2018年6月27日 (水)

BWV299

「Dir,dir,Jehova,will ich singen」(汝に向かってエホバ我は歌う」BWV299は、アンナマクダレーナバッハの音楽帖に収められている。39番だ。四声用が39aで、独唱用が39bだ。

アメリンク盤は、きびきびと美しいのだが、4声版が聴けなかった。ところが記事「おそるべき6枚組」で言及したCD集にひっそりと収められていた。6枚組のうちの5枚目の33トラック。演奏時間48秒の小品ながら息をのむ美しさだ。

これを音楽帖に収めたのも無理からぬことだ。

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