昨日話題にしたヴァイオリンの絵本の中に、「ヴァイオリン音楽の流れ」というページがあった。作曲家切り口になっている。取り上げている作曲家を掲載順に列挙する。
この10名だ。絵本の作者はページ冒頭で「ヴァイオリンの作曲家を何人か紹介します」とことわって略歴が簡単に紹介されている。
ヴァイオリン作曲家は有名ヴァイオリン作品を作曲した人程度の意味かと考えていたが、違和感もなくはない。パガニーニ、サラサーテは納得だ。ヴィヴァルディやバッハもスンナリ入ってくる。ベルクはよう知らん。
ハイドンは交響曲と弦楽四重奏、あるいはピアノ三重奏においてヴァイオリンに出番があるが、ヴァイオリン協奏曲やヴァイオリンソナタは必ずしも主役ではない。モーツアルトやベートーヴェンだって似たようなものだ。
でブラームスだ。彼の記述はヨアヒムとセットになっている。ヴァイオリン協奏曲の存在が無視されていない印象。それでいて名高いヴァイオリン協奏曲を書いたメンデルスゾーンやチャイコフスキーが落選しているという人選。
私ごときの小さな違和感はともかく、これが世の常識なのかもしれないと納得。
妻の形見のヴァイオリンは、長女の受験を機に弾かれなくなって17年。我が巨大ヴィオラの空白より長く放置された罪滅ぼしに最小限の手入れをしたら、いっそ「ご自分でお弾きになれば」と言われて少し触ってはみた。幸いバッハを筆頭に興味深い楽譜が我が家にあった。
しかし触ってみていろいろ無謀だと自覚するに至った。心も身体も巨大ヴィオラへの適用が思いのほか進んでいた。存在しないC線の響きをヴァイオリンに求めたりはせぬが、D線やG線の響きでさえもう完全に別物だ。
毎日のヴィオラ練習の際に、ついでにヴァイオリンも取り出して風に当てる程度が関の山だ。二刀流なんてほど遠い。それでも毎回取り出してチューニングをしてやっているうちにまた気も変わるだろう。
初孫がヴァイオリンをと言い出す日まで。
ヴィオラを練習する時、ついでに妻の形見のヴァイオリンにも風を当てている。どっちもケースから取り出しているということだ。休憩代わりに触ってやるくらいの関わり方だ。で、音程が悪いのはサイズのせいではないと実感させられたが、驚いたのは鳴りの差だ。
元々ヴィオラ弾きの端くれとしてヴァイオリンには存在しないC線の響きを愛してきた。その延長線上で巨大ヴィオラに憧れてここまできたのは事実ながら、D線やG線の鳴りも全く違う。あるいはA線まで加えてもいいかもしれぬ。それらはヴァイオリンにも存在するけれど、巨大ヴィオラの鳴りとは全く別物である。
15年のブランクから復帰してかれこれ1年、復旧にいそしんで来た甲斐もあって、腕前はともかく耳と脳みそはすっかりヴィオラ仕様に塗り変わっていたということだ。
結論が遅くなった。ヴィオラを生涯の楽器にせねばならぬ。
妻の形見のヴァイオリンのケアの一環として楽器に触っている。
我が家にあった楽譜を取り出して、音だしを試みて愕然とした。
楽器のサイズからくる取り回しの違和感や、鳴りの違いは想定内ではあるのだが、音程が悪いのはご愛嬌だ。従来音程の悪さついて、巨大のヴィオラの取り回しの難しさを言い訳にしてきたが、こんなに小さいヴァイオリンでも音程の悪さは変わらなかった。
それが分かったのが収穫とポジティブに開き直る。
これからはヴィオラに加えてヴァイオリンも練習しようかと考えている。
そのつもりで探したら興味深い楽譜が出てきた。
まずはバッハのヴァイオリンソナタ全6曲。BWV1014からBWV1019まで。前半の3曲がベーレンライターで後半3曲がヘンレという豪華さだ。
さらにだ。無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータもペーター版がある。言わずと知れたシャコンヌを含む。同曲集は5度下げたヴィオラ版を練習の対象にしているので、このオリジナルをヴァイオリンでさらえるということになる。調が5度高いだけでフィンガリングは同じでいいはずだ。テレマンの無伴奏ヴァイオリンのための12のファンタジーだってある。
そうそうブラームスのヴァイオリンソナタもある。
巨大ヴィオラへの適応に走らされてきた身体がどう反応するんだろう。
目から鱗。妻の形見のヴァイオリンが弾かれなくなって17年たつ。最近知った工房に持ち込んで点検を頼んだ。
マイスターは、楽器を一目見るなりフランス製とわかるとおっしゃった。f字孔からラベルをのぞき込んでふむふむとなった。1821年ミルクールとある。名のある個人製作ではないもののフランスの工房の作品だとのこと。経年の割には状態は健全に保たれているので、急を要する修理は不要との判断をいただいた。
細かくはいろいろあると付け加えることも忘れない。これをきっかけに誰かがこの楽器を弾くのかそうでないのかで、対応が変わるとのことだ。
もし、すぐ弾くなら、弓の毛替えと弦の交換は不可避。肩当てのパットの部分のスポンジが劣化してボロボロだからこれも代えた方がいい。さらに細かくはアジャスターだ。さび付いてボロボロなのでチューニングがストレスになるはずだなどと事細かだ。
当面弾く予定はないと伝えたところ、「いっそ貴殿が弾いてはいかがか」という想定外のコメントをいただいた。楽器は弾かれてなんぼ。適度に弾くことが最良のメンテだということだ。ヴィオラとヴァイオリンの二刀流を勧められたということだ。
娘たちがヴァイオリンを習っていたころ、その練習に付き合うためにヴァイオリンを弾いたことはある。バッハのニ短調のドッペルの2番ヴァイオリンを弾いたり、ヴィヴァルディのイ短調op3-6に付き合ったり。
言われるまで思いもしなかった。どうしよう。
自室整理中、妻の形見のヴァイオリンにも風を当てた。少し弾いてもみた。「ちいさい」。日頃巨大ヴィオラをいじっているからなおのことだ。楽器のサイズの違いから来る違和感は、大から小への持ち替えに当たる場合、ストレスにはならない。小から大へのトライだと40.5cmくらいの標準サイズのヴィオラでも、ストレスになるのだろう。
思えば、長女がこの楽器を弾いていた。中学3年になった年2008年の5月にレッスンをやめて以来、誰も弾いていない。17年放置だ。私の巨大ヴィオラより期間が長いではないか。
この度楽器をメンテナンスに出すことにした。
妻の形見のヴァイオリンがどうもフランス製らしい。高校まではピアノだったが、大学入学とともにオケにはいってヴァイオリンをはじめた程度のことしか聞いていなかった。
いつどこでヴァイオリンを買い求めたのか聞いておけばよかった。そこから記事がいくつかひねり出せたに違いあるまい。f字孔からのぞき見た古びたラベルの記載だけで、妄想が膨らむのだから、エピソードや蘊蓄がそこに添えられれば、ロマンめかしたテイストもほのめかせたに違いない。
長女は6歳からヴァイオリンを習い始め、中学生になるころ分数ヴァイオリン卒業と同時に、妻の形見のヴァイオリンを弾き始めた。
その長女が昨年母になった。もしかすると我が初孫がこのヴァイオリンを弾く日が来るかもしれぬ。分数ヴァイオリンの卒業後となると最低10年は先の話だ。孫に弾かせる楽器、ヴィオラとヴァイオリンどちらも可能ですとばかりに待ちだけは広げておきたい。
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