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カテゴリー「172 ヴァイオリン」の39件の記事

2021年3月13日 (土)

op8-9

「創意とインヴェンションの試み」op8のうちの最初の4曲、いわゆる「四季」を除く8曲に焦点を当てた。そのうちの9番ニ短調がop8-9である。実は大のお気に入りだ。独奏はオーボエでもいいことになっている。オーボエで演奏した場合、かなりのハイテクが求められているという。ヴァイオリン独奏版はRV236で、オーボエならRV454になる。ここいらの複雑さを面倒と思うか醍醐味と思うかでヴィヴァルディ度が推し量れるというものだ。

いわくありげなシンコペーションの連続で立ち上げる第一楽章。モーツアルトの同じ調のピアノ協奏曲を思い出す。

我が家所有のCDは下記のとおり5種類しかない。「四季」は20種類くらいあるのに、この曲は5種類ということは、op8全体を録音せずに「四季」だけを取り上げている演奏家が多いということだ。四季はそれほど「ドル箱」ということだ。

  1. イムジチ アーヨ RV236
  2. イムジチ アゴスティーニ RV454
  3. イタリア合奏団 RV454
  4. ヨーロッパガランテ RV236
  5. アルテデラルコ RV454

これらのうちをヴァイオリン独奏で収録しているのは、上記1と4で、残りはオーボエ独奏だ。4のヴァイオリン独奏はもちろんビオンディだ。困った甲乙つけがたい。

 

 

2021年3月 2日 (火)

ラカトシュ

ロビー・ラカトシュさんは1965年生まれのハンガリーのヴァイオリニスト。というよりロマ音楽の大家だ。

そのラカトシュさんをソリストに据えた「四季」のCD発見。周囲が普通の合奏団だから、ノリノリにはならぬのを承知で購入。恐る恐る聞いてみた。ツィンバロンとの二重奏あるいはせめてピアノとの二重奏にでも編曲されているなら別だろうけど、通常の合奏団を従えてできること多くあるまいとタカをくくっていたのだが、ソロの場面では十分に楽しめる。春の出だしは普通でがっかりしたが、ソロの音質でハッとさせられた。

夏1楽章の緩急交代の妙がハンガリー風で一息つける。ハンガリーの夏は暑いのか、2楽章のけだるさは独特。ツィンバロンのトレモロが聞こえる。フィナーレでは本調子に。

普通に始まる秋の1楽章のソロはアドリブがすごい。ピチカート総動員。89小節から105小節目までのねむりの場面で楽譜にない旋律をppで弾く。第二楽章の最大の特色として通奏低音のツィンバロンがひそやかなアルペジオを敷きつめる。まあこれも続く第3楽章の控えめな予言でしかないとあとから気づく。冬の第一楽章では当然歯の根が合わない。

「楽譜にないことを弾く」という意味では冬の第2楽章が頂点だ。ハンガリーロマたるものこうでなくては。フィナーレ120小節目「東風吹かば」の急速なパッセージから逆算された「滑ってころんで」がきれっきれで心地よい。

全体の印象として、チェンバロの不参加が大きく印象を変えていると思う。代わりがツィンバロンであることを味わうとより印象が深くなる。

 

 

2021年2月25日 (木)

雨の描写

ブラームス作品における雨の描写といえば下記であると、申したことがある。

  1. ヴァイオリンソナタ第1番ト長調op78「雨の歌」
  2. 歌曲「夕立」op70-4
  3. ドイツレクイエム第4曲中間部いわゆる「干天の慈雨」だ。

ブラームス愛好家のチョイスとしては自然だと思うが、世の中のクラシック愛好家のチョイスとなるとヴィヴァルディの「四季」から冬の第二楽章が高い確率で選ばれそうだ。

私とて大好きな曲である。思うに「ヴィヴァルディって天才」だ。雨の描写自体はピチカートなのだと思う。独奏ヴァイオリンは、暖炉の前のくつろぎの描写だろう。冬の雨なのに雪にならないのはイタリアならではである。梅雨時の雨ではないところに欧州らしさも感じる。

 

 

2020年10月 3日 (土)

小出し感

オランダの女流ヴァイオリニストにジャニーヌ・ヤンセンがいる。オランダというと何となくバロックヴァイオリンのイメージだが、この人は違う。2007年にバッハのクラヴィーア作品の「インヴェンション」を弦楽アンサンブルで録音したCDを出していた。2声はヴァイオリンとヴィオラで、3声ではこれにチェロが加わる。目から鱗で、一瞬で愛聴盤となった。

このCDには余白に無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータニ短調BWV1004が収録されていた。終曲がシャコンヌになっているあの作品だ。これを余白にさらりと入れているところがシャープだ。つまりこのCDは独奏、二重奏、三重奏で構成されている。

この人同じバッハのヴァイオリン協奏曲のCDも風変わりだ。イ短調とホ長調の定番2曲に続いて、「ヴァイオリンとオーボエのための協奏曲」が続く。「2つのヴァイオリンのための協奏曲」が来ないので軽い驚きがあるけれど、まあ想定内だ。

その先にはヴァイオリンソナタ3番ホ長調と4番ハ短調が収録されている。コンチェルトの余白にソナタを2曲ということだ。大好きな4番が入っているのがうれしい。とりわけフィナーレはかなり早いテンポで爽快だ。難を申せば、全曲聴きたくなる。パルティータといい、ソナタといいじらしまくった余白の使い方が巧妙だ。

2020年9月26日 (土)

アッカルドコレクション

サルヴァドーレ・アッカルドさんはイタリアのヴァイオリニスト。1941年9月26日のお生まれだ。昨日のグールドに続いて本日はお誕生日である。現代ヴァイオリンの演奏家としてシェリングとならぶ大好きなヴァイオリニストの双璧だ。我が家のCDコレクションは下記のとおり。

  1. ヴィヴァルディ 四季 1968年 イタリア室内管
  2. ヴィヴァルディ 四季 1987年 ナポリ国際音楽祭管
  3. ヴィヴァルディ 2つのヴァイオリンのためのソナタop1 全12曲 2枚組
  4. ヴィヴァルディ ヴァイオリンソナタop2 全12曲 2枚組
  5. ヴィヴァルディ ヴァイオリン協奏曲集op7 全12曲 2枚組
  6. ヴィヴァルディ ヴァイオリン協奏曲集op11 全6曲
  7. ヴィヴァルディ ヴァイオリン協奏曲集op12 全6曲
  8. タルティーニ  ヴァイオリン協奏曲集
  9. バッハ      ヴァイオリン協奏曲集
  10. バッハ      無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ
  11. パガニーニ   ヴァイオリン協奏曲集
  12. パガニーニ   24のカプリース
  13. ヴィオッティ   ヴァイオリン協奏曲第22番
  14. ベートーヴェン ヴァイオリン協奏曲
  15. シベリウス   ヴァイオリン協奏曲
  16. ブラームス   ヴァイオリン協奏曲
  17. ブラームス   ヴァイオリンソナタ全集

こんなもん。どれも好き。気が付けばこんなにという感じだが敢えて申せば上記3と4のソナタだ。もうなんだか絶妙。もちろんチェンバロとのアンサンブルだが、いわゆるバロックバイオリンではない。「端正」とか「清潔」とかいろいろ思いうかぶけれどどれも不完全だ。

2019年6月28日 (金)

Gera di due violini in uno

イタリア語だ。「1台のヴァイオリンによる2台のヴァイオリンの競争」とでも解しておけばいい。

エアフルト生まれで主にマインツで活躍した作曲家ヨハン・ヤコプ・ワルター(1650-1715)のソナタ集「ホルトゥス・ケリクス」の第17番のタイトルだ。

興味深いのはその内容。記譜はト音2段とヘ音1段の計3段だが、2段に分かれたト音記号部分はヴァイオリン1本で演奏することになっている。一台のヴァイオリンによる、2役だ。独奏ヴァイオリンによる複数声部作品の先駆けと考えられる。楽譜が2段になっていることで、声部の進行は明瞭な一方で、記譜から重音奏法とは察知しにくい。

このソナタ集の出版は1688年バッハ3歳のころだ。当時からヴァイオリン学習の基礎教材として使用されていたから、バッハ自身が使用していた可能性も排除されていないという

バッハが一連の無伴奏作品で指し示したもの、単一弦楽器による複数声部の扱いが到達点とするなら、ワルターのこの作品は、発想として源流を形成していると思われる。

2019年6月27日 (木)

始祖としてのジョゼッペ・コロンビ

イタリア・モデナのヴァイオリニスト・作曲家。1634年生まれで1694年に没した。17世紀イタリアにおいて無伴奏ヴァイオリン作品作り手としては、ほぼ唯一の存在と目される。

バッハのシャコンヌに象徴される「無伴奏ヴァイオリン作品」は、ヴァイオリンの故郷イタリアではむしろ異端であり、通奏低音を伴うのが普通だった。

「無伴奏ヴァイオリン作品」は、残された作品群から見て、ほぼドイツにおいて考案発展されたと考えられる。ドイツ特産品と考えていい。しかし、またその一方でバッハだけの功績と思い込んではいけない。バッハは明らかにその到達点、頂点を形成していいることと合わせて肝に銘じておきたい。

 

 

2019年6月26日 (水)

来ませ聖き御霊

8大コラールに入選したコラール。原題「Komm,heiliger Geist」という。バッハ、ブクステフーデ、パッヘルベル、テレマンの華麗な競演を聴こうとCDを再生して直ちに軽い衝撃が走る。

どこかで聴いた旋律なのだ。各人によって微妙な細工が施されてはいるものの流れは同じと感じた。それもそのはずバッハの無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ第3番の第二楽章フーガの旋律だ。バッハが無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ第3番を作曲するにあたって第2楽章の主題に、慣れ親しんだコラールから引用したということだ。

旋律になじみが深いだけ、巨匠たちの装飾っぷりが際立つ。

 

 

2019年3月18日 (月)

ガリヴァー組曲

テレマンが1729年に出版した2本のヴァイオリンのための組曲。TWV40:108だ。英国の作家スウィフトの「ガリヴァー旅行記」は1726年に出版されるや大した評判になった。そのわずか3年後にテレマンはストーリーをトレースした作品を書いたということだ。機を見るに敏だ。

全体は下記の5つの部分からなる。

  1. イントラーダ(序曲)
  2. リリパット人(小人)のシャコンヌ
  3. 巨人のジーク
  4. アンダンテ ラピュタ島の住民たちの空想と目を覚まさせる下僕
  5. フウイヌム人のローレとヤフー人の野蛮な踊り

いろいろと面白い。通奏低音なしだから事実上のヴァイオリン二重奏だ。それから拍子がたいそうマニアック。上記の2番は「32分の8拍子」で、3番が「1分の24拍子」つまり「1小節に全音符が24個」ということだ。聴いた感じは普通なのだが、楽譜の見てくれで小人と巨人を表現したと目される。

ガリヴァー旅行記のストーリーをなぞりながら、全体の枠組みは舞曲になっている。ドイツにおける組曲の模範的な配置「アルマンド」「コレンテ」「サラバンド」「ジーク」からは景気よく逸脱していて、残ったのはジークだけという荒唐無稽ぶりも狙い通りだろう。

2018年7月22日 (日)

虫のCD

なぜ虫のCDというのかは、以下の画像で明らか。

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木村理恵さんのドイツバロックのヴァイオリンソナタ集だ。時代的にバッハに先行する人々の作品が集められている。

ワルターやクリーガー、エルレバッハ、ブクステフーデなど濃いメンツだ。

とても気にいっている。

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