5度上げて無チェロ
我が家の無チェロコレクションの話。元々は申すまでもなくチェロ用なのだが、チェロよりオクターブ高い音が出る楽器ヴィオラにとっても古来おいしい素材だったと見えて、楽譜はもちろんCDも割とよく見かける。
がしかし、これを5度上げてヴァイオリンでとなると楽譜もCDも手薄と感じる。無伴奏ヴァイオリンには、それようにとバッハ自身が用意した渾身の作品群があるから、わざわざチェロ用を移調してまでとは思わないのだろう。無伴奏ヴィオラ作品をバッハが残さなかったから、せめてチェロ用でと思い詰めるヴィオラ奏者とは訳が違う。
ところが、ジュリアーノ・カルミニョーラという名高いヴァイオリン奏者が、その「5度上げ移調版無チェロ」のCDを出していた。
最初はあれっという感じ。無伴奏ヴァイオリン作品の5度下げヴィオラ版よりは慣れない感じ。でも繰り返し聞いていると慣れてくる。もっとCDがあっても良さそうだ。思うに「シャコンヌ」クラスの名曲が含まれないからCDの売り上げが芳しくないという大人の事情もからむ気がする。
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