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カテゴリー「174 チェロ」の13件の記事

2019年8月15日 (木)

当然の疑問

無伴奏ヴァイオリンのためのソナタやパルティータが、19世紀後半のバッハ再興の時代には、伴奏つきで演奏される慣習があったらしい。ロベルト・シューマン編曲ならば全6曲のピアノ伴奏付与版のCDも出ているし、シャコンヌだけならメンデルスゾーン版もある。

しからば、同じケーテン時代に作曲されたとされる無伴奏チェロ組曲全6曲に、ピアノ伴奏を付与した猛者はいなかったのだろうか?気合を入れて探しているのだがなかなか見つからない。そもそも存在しないのか?

無伴奏チェロ組曲は20世紀に入ってカサルスが再発見するまで、半ば忘れられていたという来歴がある。その点が無伴奏ヴァイオリンとの大きな違いである。どこかに埋もれてはいまいか。

 

 

 

 

2019年3月31日 (日)

無伴奏チェロのためのファンタジー

テレマンの「無伴奏ヴァイオリンのためのファンタジー」のチェロ編曲版。

 

Viviane Spanogheという女流チェリストがCDを出している。ほかに「音楽の忠実な師」から「独奏ガンバのためのソナタ」をチェロ用に編曲したものも収録されている。

 

 

 

 

 

 

 

 

2015年12月28日 (月)

果たして変わり者か

シムカ・ヘレドというチェリストがいる。イスラエル生まれの人だ。

ブラームスのヴァイオリンソナタ全集のCDが手元にある。ブラームスのヴァイオリンソナタ全3曲をチェロで弾いている。4度低く移調されてDdurとなった第一番以外の2曲は、オリジナルの調になっている。

チェリストがヴァイオリンソナタの編曲物を取り上げてCDに収める試みは、珍しいものではないが、3曲全てをとなるとちょっと見かけない。特に2番は、我が家のコレクションで、この人だけなので貴重だ。

さらに、私の探し方が悪いのか、この人がオリジナルのチェロソナタを録音したCDを発見できていない。このチェリストは、ブラームスのチェロソナタをCDに録音していないのに、ヴァイオリンソナタ全3曲をCD化しているという可能性がある。

2012年12月27日 (木)

クロスリズム

ピアノ五重奏曲の第3楽章の魅力は、4分の2拍子と8分の6拍子の頻繁な交代にある。その対比が聞かせどころの一つには違いないのだが、この両者の錯綜共存は見られない。弦楽四重奏第3番フィナーレには、これらの拍子に加え、4分の3拍子までが同時に鳴る場所が存在するけれど、次女たちが挑むスケルツォでは共存が避けられている。

ところが例外が一箇所。トリオのそのまた中間部、練習番号E226小節目のピアノ左手に注目願いたい。ここから拍子が4分の2に変わる場所。4分の2拍子の2拍目に3連符が配置される。ピアノ左手だけ2拍目が3分割された2拍子を弾く。つまりその間事実上の8分の6拍子ということになる。ピアノと第一ヴァイオリンが4分の2拍子だから、そこで8分の6拍子を弾くピアノ左手との間にリズム的な緊張が起きる。これがクロスリズムだ。234小節目のアウフタクトからはチェロに引き継がれる。ピアノとヴァイオリンのダイナミクスがメゾフォルテであるのに対してチェロはフォルテだから、「チェロが引っ込み過ぎてはなりませぬ」というブラームスからのお達し。クロスリズムを際立たせよという意図だ。

そうしたリズム的拮抗はやがて結審される。242小節で全体が8分の6拍子に戻る。チェロの8分の6拍子は、一足先の復帰だったことが明らかになる。トリオの開始部のチェロと5度違いの瓜二つとなっている。トリオ低音部は事実上8分の6拍子で貫かれている。

2012年12月18日 (火)

チェロのC線

チェロに限らず弦楽器は、決められたA音を基準に、耳で完全5度を聞き取りながら調弦することでピタゴラス音律になる。一方ピアノは平均律で調律されているから、この両者「A音」以外の音が厳密に一致することはない。

「A音」を基準に完全5度下の「D音」を取った場合、平均律のピアノよりは少しだけ低くなる計算だ。その「D音」を基準にさらに五度下の「G音」を取ればそのズレが堆積されることになる。ヴァイオリンは、G線で終わりだからまだマシともいえるが、チェロはヴィオラとともにさらに下のC線があるから、ズレが拡大してしまう。悪いことに最低弦のC音は、必要になったら解放弦を鳴らす以外に方法が無い。弦楽器奏者たちの耳に頼った微調整が出来ない。

次女たちが挑むブラームスのピアノ五重奏の第3楽章は、あろうことかそのチェロC線解放弦のモノローグで始まる。さらに印象的なトリオでもチェロの解放弦のC音が重要な役割を果たす。ピアノとの共存を前提とするピアノ五重奏だというのに、ブラームスはチェロC線解放弦の使用を恐れていない。

申し遅れましたがしばらくの間、スコアを御手許に開いて読むと、面白さがいっそう引き立ちます。

2010年9月27日 (月)

コントラバスソナタ

えらいCDを見つけた。ブラームスのチェロソナタ第1番のコントラバス版だ。我慢は100%無理で、即購入。

転がり込むように帰宅してさっそく再生。

元がいい曲だから、弾けさえすれば形になるに決まっているが、フィナーレはどうするのだろうという怖い物見たさが先に立った。いやはや凄い。ほぼ全域でオクターブ下げられている。伴奏のピアノはオリジナルな音域だからそれだけで既に気分が違う。とりわけ第3楽章。コントラバスが弾いているところを想像するとそれだけでテンションがあがる。根を詰める仕事をしながらは聴けない。流して聴いたら失礼。

2010年8月25日 (水)

ドボコンの思い出

大学オケで私の一つ下の学年には上手い奴が多かった。

とりわけ某チェロ弾きは別格だった。彼とはなかなか縁が深い。学部学科が同じで私の次のオーケストラの団長でもあった。私が彼の結婚披露宴で司会をしたお返しに、私の結婚式の2次会のブラ4では、彼がチェロのトップを弾いた。快刀乱麻とノーブルが両立するチェロ弾きなのに、何故か某スナック菓子のキャラクター然とした風貌とのイメージのギャップも手伝ってか皆から愛されていた。

肝心なチェロがどれほどうまいかというと、大学4年の夏合宿で彼をソリストにしてドヴォルザークのチェロ協奏曲をやろうという話が出るほどだった。オケのメンバーには事前に楽譜が配られ、各自練習しておくようにと言われた。第一楽章だけとは言え、練習不足で青息吐息のオケをバックに、サクサクと弾きこなして見せた。もちろん私はバックでヴィオラを弾いた。ソロの邪魔をしないことだけを心がけていた。

当時私のニックネームは「あざらし」だった。だから彼にはその縮小形のニックネームが定着してしまった。私のことを「あざらし」と呼ぶ仲間は、今では誰もいないが、彼は今でもそのかわいらしい縮小形で呼ばれている。

2009年10月19日 (月)

チェロ協奏曲

チェロを独奏楽器とする協奏曲。古来名曲を生んできたとは言え、数の上ではピアノ協奏曲やヴァイオリン協奏曲には及ばない。

ブラームスを世に出したのはロベルト・シューマン。そしてそのブラームスによって世に出されたのがアントニン・ドヴォルザークだ。不思議なことにブラームスと関係浅からぬこの2人は後世に残るチェロ協奏曲を書いた。

ドヴォルザークはアメリカ滞在中にチェロ協奏曲ロ短調の作曲に着手し、帰国後1895年にこれを完成する。ドヴォルザークは完成間もないチェロ協奏曲を携えて体調がすぐれぬブラームスをウィーンに見舞う。ブラームス感嘆して曰く「こんな協奏曲がかけるなんて!」「わかっていたら真っ先に自分が書いていただろうに」つまり絶賛である。以来ドヴォルザークのこの協奏曲は、現代に至るもチェロ協奏曲の代名詞として君臨している。

素朴な疑問がある。ブラームスは恩師シューマンのチェロ協奏曲を知っていたのだろうか。

シューマンのチェロ協奏曲イ短調は1850年の作品だ。出版は1854年だから、ちょうどブラームスがシューマン邸を訪れた頃である。尊敬するシューマンの作品には隅から隅まで目を通していたはずだから、この協奏曲も知っていたと考えるのが自然だ。

ドヴォルザークのチェロ協奏曲の出来映えに興奮して思わず口をついて飛び出した言葉だろうと思うが、クララがいたらヘソを曲げていたかもしれない。

ドヴォルザークはブラームスの口から発せられたこのような評価を心に留めていた。いや、心に留めていたどころではない。肝に銘じていたと申すべきだ。1897年10月19日ブラームスの追悼演奏会がライプチヒで開かれた。ドヴォルザーク自身の指揮で取り上げられたのが、他でもないこのチェロ協奏曲だった。

2008年3月29日 (土)

チェロ版FAEソナタ

ピアノとヴァイオリンのためのスケルツォハ短調。通称FAEソナタのヴィオラ版は既に手に入れたことは2006年12月10日の記事「意外な当たり」で述べた。

今度はそのチェロ版を見つけてしまった。「所詮編曲物だからねぇ」と憎まれ口をききながらホクホク顔で即買いしてしまった。

プラハ生まれのチェコ人、ミカエルなんとかという男性チェリストが弾いている。曲が好きなこともあって、結局何で弾かれてもそこそこ感動してしまう。CD批評家としては失格だ。

こうなるとコントラバス版でもありはしないかと心配になる。

2008年2月 9日 (土)

ホ調のソナタ

ブラームスは多楽章器楽曲のソナタを35曲残している。交響曲、協奏曲、室内楽の合計にピアノソナタの3を加えるとこの値になる。

このうち第1楽章をホ長調またはホ短調で開始するケース、つまりホ調のソナタは2例にとどまる。チェロソナタ第1番ホ短調と交響曲第4番ホ短調だ。シャープやフラットが極端に多い調の場合、作品が少ないのは自然だが、シャープ1個または4個の割には少ないような気がする。もちろん第2楽章にはホ長調も出現するが、それはこの際除外である。

この2曲実は共通点があるように思えてならない。

共に2分の2拍子の第1楽章を聴いてみる。冒頭いきなり序奏無く第1主題が奏されて始まる。弱拍に和音を差し込んで行くという伴奏パターンが共通している。

終楽章は、どちらもバッハを隠しテーマにしている。チェロソナタの主題がフーガの技法との関連が取り沙汰されている。交響曲の方は泣く子も黙るパッサカリア。この主題もバッハのカンタータ150番との関連が古来から指摘されている。

バッハとホ短調に何か特別な思い入れがあったのだろうか?

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