AAsG
第一交響曲のフィナーレの話だ。28小節目というより、「Piu Andante」の2小節前と申し上げるべきである。ホルンがアルプスのメロディで大見得を切る2小節前にあたる。第4楽章の序奏がストリンジェンドやクレッシェンドでめまぐるしく煽り立てられた頂点で、ばっさり切って落とされる小節。我らヴィオラはC線の開放弦とそのオクターブ上のCで重音を引き伸ばす。じっと引き伸ばしながら急速なディミヌエンドをかます。忙しくないから少し周りの音を聴くといい。
チェロとバスそれからコントラファゴットだ。ヴィオラと同時に「A音」を伸ばし始めていたのだが、ダイナミクスが十分弱まった中29小節目の3拍目に半音下のAs音に降りる。これがホルンの大見得の2拍前だ。さらにその2拍後つまりPiu andante到達と同時にはまた半音降りてG音に至る。このG音はホルンの大見得を下支えする大地になる。
A→As→Gという打ち続く半音下降は極上である。あくまでもホルンの大見得の準備に過ぎないのだが、全オーケストラのオーラを一身に背負うかのような瞬間だ。この手続きあればこそのホルンでさえある。







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