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カテゴリー「178 クラリネット」の11件の記事

2016年2月 3日 (水)

ルチアーノ・ベリオ

1925年生まれのイタリアの作曲家。1986年にブラームスのクラリネットソナタ第1番のピアノパートを管弦楽用に編曲している。長らくCDを探していたが、やっと見つけ出した。2700円を迷わず購入である。いやはや難儀であった。

第1楽章で、まず否応なく気付くのは、冒頭10小節少々にわたってオリジナルにない走句が提示されることだ。再生のトラックを間違えたかと思った。それ以降は大きな違和感もなく、7分少々を退屈せずに聴けた。第2楽章にも2小節程のイントロが付加されている。ごくごく控え目、薄皮のような伴奏には好感が持てる。第3楽章冒頭アウフタクトの弦楽器がなまめかしい。音響的なヤマは第4楽章だ。

ホルンとトランペットの使用が控えめなことや、ティンパニ以外の打楽器が無いことなどブラームスの手法が墨守されている。おそらく独奏クラリネットのパートには手を付けていないと思う。木管の音色の微妙な違いを用いたニュアンスの使い分けも好ましい。フルートの低音域やオーボエの出番に工夫が感じられる。

誰かクラリネットをヴィオラに持ち替えて録音してはくれないものか。

2009年5月16日 (土)

もう一つのナイチンゲール

5月10日の記事「愛鳥週間」で、ブラームスの歌曲に出現する鳥のリストを作り、ナイチンゲールつまり小夜鳥が、最多登場だと書いた。鳴き声の美しい鳥として認知されているようだ。

さて、ブラームスは弦楽五重奏曲第2番の完成後、創作力の衰えを自覚し、作曲を控える決断をした。ところが、この決意はあるクラリネット奏者との出会いによって撤回される。

彼の名はリヒャルト・ミュールフェルトだ。独学でクラリネットを学んだらしいが、その表現力は素晴らしく、ブラームスはたちまち虜になった。

ブラームスはミュールフェルトを指して「私のナイチンゲール」と呼んだのだ。歌曲最多出場のナイチンゲールの売りは、その美しい鳴き声だ。ミュールフェルトの操るクラリネットがそれにあやかるほどの音色だったということに他ならない。

その考えに同調する人はきっと多かったのだと思う。ヨアヒム四重奏団は、結成以来はじめてクラリネットとの競演に踏み切った。それは、ミュールフェルトを加えて、ブラームスの新作クラリネット五重奏曲を演奏するためだった。

愛鳥週間今日まで

2009年1月25日 (日)

北原白秋

中でも彼の短歌が好きだ。高校で習って以来、好きになった。一番好きなのは下記の通りだ。

君帰す朝の敷石さくさくと雪よ林檎の香のごとく降れ

現代語訳不要の色艶だが、高校生としては、少々やばい。

1番こそ譲るものの大好きな歌が、次の歌だ。

すずろかにクラリネットの鳴りやまぬ日の夕暮れとなりにけるかな

「すずろか」が急所だ。クラリネットの音の描写であることは疑い得ないが、辞書を引いたところで載っていない。北原白秋にのみ許された北原語だ。読者に解釈を任せるのだ。「すずろか」という語感だけが手掛かりだ。「涼しげ」「まろやか」の中間あたりを狙ったかもしれぬ。「すずろか」の語感だけで申すならモーツアルトのクラリネット五重奏曲の第1楽章あたりがぴったりと来る。上の句「すずろかにクラリネットの鳴りやまぬ」だけならモーツアルトだ。ところが、下の句「日の夕暮れとなりにけるかな」と続くと、にわかにブラームスの可能性も浮上する。

北原白秋はブラームス存命中の1885年1月25日の生まれだから、今日が生誕124周年の記念日だ。ドイツの有名な指揮者、フルトヴェングラーが1886年1月25日生まれなので、ちょうど1年違いということになる。

2008年1月19日 (土)

あかんべー

子供が舌を出しながら下まぶたを引き下げるあの動作ではない。私が入団した大学オケのクラリネットの先輩が語ってくれた昔話の題名である。昨日の記事「移調楽器」を書いていて思い出した。

昨日クラリネットにはA管(アーかん)とB(ベーかん)の2種類があると書いた。「アカンベー」の伝説はそうした背景の許に生まれた話だ。

われわれの先輩クラリネット吹きが、A管で吹くべき場所なのにB管で吹いてしまったという他愛のないものだ。普段から音程が悪いので誰にも気づいてもらえなかったというオチが付く。その話が「ホラーコメディ」めかして語られていたものだ。大抵は「だからちゃんと練習しなさい」という勧善懲悪調になって結ばれる。元々「A管B」というタイトルだったのだろう。それが語呂合わせ的に「あかんべー」になったらしい。

どこのパートにも代々伝えられているそうした伝説が1つや2つは必ずあった。そのうちいくつかを生で目撃したこともある。あたかも見てきたように語る先輩も一人二人はいつもいてくれた。大抵は大げさに脚色されているのが常だった。

それらもオーケストラの伝統のうちなのだ。

2007年10月10日 (水)

10度の跳躍

10度の音程と言えばかなりの間隔である。ヴァイオリンのA線の開放弦を基準にした場合、10度上の音は上に仮線を2本足して、その2本目に串刺しにされている「C」の音になる。つまり「3度上のオクターブ上」である。ピアノではなかなか届かない幅だろうが、届くと便利なのは事実だ。

ブラームスが好んだ「3度」「6度」の音程と密接に関係している。ヴァイオリン協奏曲第1楽章にはしばしば10度の音程を重音で取る場面が現れてヨアヒムを心配させた。下の音が開放弦で無い場合は、よいしょとばかりに指を拡張しなければならない。ポジションが低いほど拡張幅が大きくなる。

この間隔の乱高下は弦楽器やピアノにとどまらず、管楽器にとっても厳しい。クラリネットソナタには、クラリネット吹きには厄介な10度の跳躍が散りばめられている。

  1. 第1番第1楽章 6小節目。第一主題の2小節目のF→As
  2. 第1番第1楽章 8小節目。第一主題の4小節目のB→Des
  3. 第1番第2楽章 5小節目。第一主題の5小節目のF→As
  4. 第1番第2楽章 53小節目。第一主題再現の5小節目のF→As
  5. 第2番第1楽章 4小節目~5小節目。第一主題F→As 
  6. 第2番第1楽章 8小節目~9小節目。第一主題F→As
  7. 第2番第1楽章 106小節目~107小節目。第一主題の再現F→As
  8. 第2番第1楽章 110小節目~111小節目。第一主題の再現F→As

上記8例はいずれも「一つのフレーズが終わって、次のフレーズが10度上から始まる」のではない。一つの旋律の中に10度の跳躍が織り込まれているのだ。ブラームスの作品で同一の旋律線内における3度や6度の進行は珍しくないが10度の跳躍はさすがに珍しい。その珍しい例がクラリネットソナタに集中しているのは特徴的である。リヒャルト・ミュールフェルトの腕前に敬意を表してのことかもしれない。

しかも上記8例中2番以外の7例が「F→As」の10度である点特筆物である。ヘ短調で書かれている1番の第1楽章に存在する上記1,2番は「さもありなん」だが、それ以外の6例全てが「F→As」になっているのは、鮮やかでさえある。ブラームスの得意技「FAF」の投影さえ疑われよう。ブラームス関連書籍の中で頻繁に言及される「FAF」だが、この点を指摘しているケースは見当たらない。

これらの10度跳躍はブラームス本人によるヴィオラ版にもキッチリと保存されている。

10月10日にピッタリの話題である。

2007年4月16日 (月)

クラリネットコネクション

学生オーケストラでは、パートが重要な行動単位になっている。「同じ楽器どうしの仲間」と言い換えてもよい。練習に際してはいつもいっしょのことが多いのは申すまでもないが、練習を離れてもいつも連れだっている。みんなで同じ楽譜を弾くことが多い弦楽器はもちろん、誰がどのパートにありつくかについては直接の利害関係にある管楽器でも、パートのメンバーが集まっては何かと盛り上がる。その典型がパートコンパだ。どのパートにもコンパがあった。アルコールの量が進むという点では金管コンパが最右翼だ。女性の比率は弦楽器が高い。

私はヴィオラだった。何かと忍従を強いられることが多いヴィオラは、いつも団結していないと生き抜けないから、パートのイヴェントには工夫を凝らした。コンパは当然としてパートの合宿、パートのTシャツまでエスカレートした。ヴィオラだけ12本によるパッヘルベルのカノンも思い出深い。

私はブラームスにおいてヴィオラと何かと縁があるクラリネットのコンパには皆勤だった。いつしかクラリネットコンパの幹事が私の出欠を確認することは無くなっていた。出席が当たり前だったからだ。当時のクラリネットのメンバーの団結もなかなか気合いが入っていた。そのつながりは今も続いているらしい。3月31日の記事「同期の桜」の主人公、今ではプロのオーボエ奏者になった男も、当時はクラリネットだった。

http://brahmsop123.air-nifty.com/sonata/2007/03/post_1fbe.html

彼自身のブログには当時のメンバーが集っているようだ。昨日彼のブログを通じて懐かしい仲間から「ブラームスの辞書」に注文が舞い込んだ。私より2コ下の彼もまたクラリネット奏者だった。三味線もプロの域である。私だって口三味線なら得意だが、彼は本当に長唄の伴奏もしてしまうのだ。あの当時のクラリネットには、才人が揃っていた。

注目の番号バトルは惨敗だ。結局は「おまかせします」になってop50だ。カンタータ「リナルド」にした。

お買いあげまことに有り難うございます。

2007年2月21日 (水)

パニック

コミック「のだめカンタービレ」第17巻に千秋真一がパニックに陥るシーンが描かれている。マルレオケ第2391回演奏会での出来事だ。ベートーベンの第4交響曲の中で起きる。千秋は一瞬今いる箇所を忘れる。94ページ最下段のコマだ。

演奏の冒頭から異変に気付いていたトマシモンの洞察力とリーダーシップ、そしてマルレオケメンバーの機転で、最悪の事態だけは免れるが、判る人には判ってしまう。原因は弾き振りのバッハのコンチェルトの演奏後に父の姿を客席に見た千秋の心の動揺にある。原因となった父はその瞬間「バーカ」と念ずる。ロランくんにも見通された。新聞の批評では「若者の背伸び」と書かれる。譜例に霞がかかっていてどの場所かわからない。第1楽章だろうとは思う。

私にも似たような経験がある。1980年6月22日千葉大学管弦楽団第47回定期演奏会のメインプログラムの中で起きた。何を隠そうブラームスの第一交響曲第2楽章である。38小節目からのオーボエのソロが消えたのだ。ヴァイオリンとヴィオラは拍頭に休符を持つシンコペーション気味の刻みなので、非常に数えにくいところだ。オーボエを聴くことによってのみアイデンティーを確認するという感じの場所だ。その肝心要のオーボエが落ちた。得てして「何でまた!」というようなところでトラブルが起きるものだ。オーボエに続くクラリネットも落ちた。一同もうだめだと思ったところで、チェロが決然とインテンポで入ってきた。後から思えばこのチェロが救いの神だった。チェロが曲がりなりにもインテンポで入って来なかったら止まっていた。後でチェロの連中に聞いた話では「オーボエを聴かずに数えていた」ということだった。今風に言えばリスク管理だろう。もちろん今では良い想い出だ。

何かと厳しいトマシモンはさすがである。93ページ左上スミのコマを見るがいい。「指揮を見るな」という合図があるのかという感じである。その合図をとっさに出すコンマスもコンマスなら、それを読み取るオケもオケだ。このとき千秋と父の葛藤はオケ全員誰も知らぬはずである。何がそうさせるのか?自分へのプライド、オケへの愛情、千秋への信頼などいろいろ考えられるが、結果として危機回避のためにオケは一致団結した。「ボレロ」や「魔法使いの弟子」でのあっけない決壊とは雲泥の差だ。

演奏会後、楽屋通路でのトマシモンの愛ある説教、後日ライブラリーでのテオの新聞音読およびそれに続くトマシモンのおやつ付きフォローには、暖かみを感じた。千秋がいることをテオから知らされている可能性を考えたい。でなければトマシモンにおやつを持ってライブラリーを覗きに来る癖があることになる。実はテオとトマシモンもいいコンビなのだ。客演指揮者アーロン・ネヴィルの使いッパシリと化す千秋とそれをネタにテオを叱るトマシモンの光景は、その延長線上にある。「うちの常任に人前でそんなことさせるな」とトマシモンが口走る場面がある。175ページ右下だ。13巻131ページ目で千秋の常任指揮者就任を聞かされて「私はまだ認めていない」と言い張った本人であることを考えると、この発言は感動的である。

その雰囲気は、トマシモンとテオだけにとどまらず、全員に伝染していたと解するべきである。巻末も程近い187ページ。ミスを謝るべきか迷いつつリハーサルに臨んだ千秋を迎えた足踏みがその根拠である。

第17巻まるまる一冊を使って、マルレオケと千秋の関係が「不滅」であることが描かれる。そしてそれが千秋自身のミスによって強調されるという筋立てだ。のだめとの微妙なすれ違いとは対極にある。

2006年12月 5日 (火)

モーツアルトへの挑戦

本日午前10時からココログはシステムメンテナンスに入る。50時間以上にも及ぶ長大なシステムメンテナンスだ。

  1. その間のブログ閲覧は可能。
  2. 管理画面へのアクセスが出来なくなる。
  3. 記事へのコメントは不可能。
  4. 12月7日午前1時から8時間はアクセスがカウントされないらしい。

仕方ないので本日の記事を朝アップする。明日6日の記事は既にセットしたが、公開はメンテナンス完了後になるようだ。

気を取り直して。

現在に伝わる資料を読む限り、ブラームスのモーツアルトに対する姿勢には一貫性がある。交響曲第40番の自筆譜を所有していたり、ピアノ協奏曲のカデンツァを複数作曲していたりという作品への積極的なアプローチが見られる。モーツアルトのあるアンダンテ楽章を評して「あれが自分に書けたら、自作のガラクタを全部くれてやる」と言ったとも伝えられている。有名なところでは、「モーツアルトのように美しく書けないならば、確かに書くことを目指すべきだ」という趣旨の発言もあった。

尊敬と言うよりも畏怖に近い感情を持っていたのではないかと思われる。

半ば畏れていたモーツアルトに対してブラームスは、創作人生の最後で真っ向から対峙する道を選ぶ。クラリネットの名手リヒャルト・ミュールフェルトとの出会いによって一連のクラリネット入り室内楽を生み出すことになった。その最初のものは作品114イ短調の三重奏曲だ。ブラームスがそう欲しさえすればこの次にクラリネットソナタを作曲してお茶を濁すことも出来たはずなのだが、ブラームスはクラリネット五重奏曲を世に問うのだ。

クラリネットに弦楽四重奏を加えた編成のクラリネット五重奏曲には、まばゆいばかりの先例がある。モーツアルトその人の作曲によるイ長調ケッヘル581だ。もちろんブラームスはその先例の存在を認識していたに決まっている。そして自分がクラリネット五重奏曲を発表すれば、人々はいやでもモーツアルトのクラリネット五重奏曲と比較することを知ってたはずだ。

それでも敢えて作曲に踏み切ったブラームスの決意が爽やかだ。

今までにかすかにモーツアルトへの思いを感じさせる瞬間はあった。交響曲の調性がジュピター主題になっていることがその代表だ。ピアノ四重奏曲第1番がト短調なのは、モーツアルトの同種曲を意識していたかもしれない。けれどもこれらはあくまでも推測だ。今度は違う。ブラームスの脳裏にモーツアルトがあったことは否定出来まい。

そしてそのことは、ブラームスがフィナーレにモーツアルト同様変奏曲を持ってきたことで確信が深まる。あくまでもモーツアルトと同じ土俵に上がるという意思表示だとも思える。イ短調に転ずる変奏はモーツアルトがヴィオラに与えた最高の出番だが、ブラームスではチェロにすり替えられて33小節目に投影されている。

どちらかの五重奏曲に軍配を上げるのは本稿の目的ではない。生涯を通じて畏怖尊敬してきたモーツアルトに最後の最後で挑戦して見せたブラームスの心意気を思いやってモーツアルトの命日に花を添えたい。モーツアルト本人が預かり知らぬ記念イヤーの喧噪もまもなく終わる。

2006年3月19日 (日)

ヴィオラとクラリネット

ブラームスにあって、ヴィオラとクラリネットという2つの楽器は、なかなかに縁が深い。

担当する音域が近いというのも一つの答えだと思うが、単にそれだけではないと思わせる何かがある。晩年のクラリネット入りの室内楽四曲は、クラリネットの代わりにヴィオラでも演奏出来るように、ブラームス本人が編曲している。クラリネットの名手の演奏に霊感を得て一気に作曲したというエピソードで名高いのだが、ほぼ同時に当のクラリネットの入らぬ編成の楽譜を出すこと自体が興味深い。クラリネットの代わりにと白羽の矢が立ったのが、ほかならぬヴィオラだというのが、ブラームスらしい。ソナタについては後日ヴァイオリン版も出ているが、真っ先にヴィオラというのが泣かせてくれる。

第四交響曲の第二楽章アンダンテの冒頭第一主題はクラリネットの出番なのだが、再現部になるとその役目はヴィオラに差し替えられる。同じ旋律の違う側面に光を当てる行為だ。管弦楽のスコアにはこうしたペアが目に付く。高音域で旋律を弾くチェロはホルンとペアになることが多い。旋律を受け持たずベースラインに張り付く時のチェロはファゴットが相棒になることが多い。

弦楽器と木管楽器(ホルン含む)で息のあった相棒を設定するのは、ブラームスの癖とも思われる。もちろんその代表格はヴィオラとクラリネットだ。

不思議というか、言われてみれば当然というか、ヴィオラとクラリネットの互換性は、クラリネットからヴィオラに向かう方向でしか発揮されない。弦楽四重奏曲のヴィオラパートをクラリネットに置き換えたりといったことは一切起きていない。あるいは弦楽五重奏曲の2本のヴィオラのうち一本をクラリネットに差し替えれば、クラリネット五重奏曲の編成になるのだが、かすりもしていない。クラリネットはヴィオラで代替が利くが、ヴィオラはクラリネットで代行不可能という位置づけなのだ。

2006年2月19日 (日)

ヴィオラソナタ

作品120-1ヘ短調と120-2変ホ長調のソナタのこと。ブラームスはこれらの作品を「クラリネットとピアノのためのソナタ」として作曲したが、自らの手で「ヴィオラとピアノ用」に編曲している。

乱暴この上ない話なのだが、「ブラームスの辞書」ではこの「クラリネットソナタ」を全て「ヴィオラソナタ」と表記している。冒頭の凡例の中で断ってはいるものの、我ながら強引だと思う。世の中のクラリネット愛好家のお叱りを覚悟の暴挙だ。いわば著者の権限の乱用である。かくして「クラリネットソナタ」という単語は「ブラームスの辞書」ではこのことに言及した凡例の中にしか登場しない。

晩年のクラリネット入りの室内楽は、クラリネットのパートをヴィオラに差し替えたバージョンが存在するが、クラリネット五重奏曲とクラリネット三重奏曲に関しては、このような暴挙を思いつかないのだから始末が悪い。「五重奏と三重奏はやはりクラリネットでなければならない」と思っている。「闇雲」ではないという点強調したいが、単なる言い訳かもしれない。

我が家にはもちろん楽譜もCDも両方そろっているが、クラリネットの方には埃が積もっている。この曲がヴィオラオリジナルでないのが信じられないくらいはまっていると思う。B管用に書かれたクラリネット版とは調号が違っているし、ヴィオラに重音を要求するところなど単にクラリネットのパートをヴィオラに移しただけではない奥行きを感じる。特に第一番第一楽章の冒頭や第二番のスケルツォはヴィオラでなければ収まるまいと本気で思っている。

それにしても、ブラームスって相当ヴィオラ好きだったのではないかと思う。

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ブラームスの辞書写真集

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    はじめての自費出版作品「ブラームスの辞書」の姿を公開します。 カバーも表紙もブラウン基調にしました。 A5判、上製本、400ページの厚みをご覧ください。
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