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カテゴリー「187 オルガン」の161件の記事

2024年7月 4日 (木)

バッハの6曲

「シュープラーコラール」と通称される一連のオルガン作品がある。BWVで申せば645から650までの6曲を指す。出版譜には次のように書かれている。

「2つの手鍵盤と足鍵盤を持つオルガンで前奏するためのいろいろな種類の6つのコラール」

出版人は「テューリンゲンの森の近くのツェラのヨハン・ゲオルグ・シュプラー」とある。だからこれらが「シュプラーコラール」といわれているということだ。1746年以降という事以外出版年はわかっていない。作曲年は不明だが、6つのうち5曲までが、カンタータの単一楽曲からの編曲になっている。残る1曲BWV646も実は現存しないカンタータからの編曲とする説もある。バッハ在世時にすでに人気が出てきた楽曲を作曲者自身が手際よくオルガン独奏曲に仕上げたとも受け取れる。楽譜の売れ行きを考慮したマーケティングのたまものとするなら、出版人シュープラーはなかなかのやり手ということになる。

さてその6曲は以下の通り。

  • BWV645 「目覚めよと呼ぶ声が聞こえ」BWV140の第4曲
  • BWV646 「我いずこにのがれゆくべき」原曲不詳
  • BWV647 「尊き御神の統べしらすままにまつろい」BWV93の第4曲
  • BWV648 「わが心主をあがめ」BWV10の第5曲
  • BWV649 「我らとともに留まりたまえ」BWV60の第3曲。
  • BWV650 「イエスよ、今ぞ汝御空より降り来たりて」BWV132の第2曲

BWV10は昨日話題にしたばかりだ。原曲の出所が確かな5曲はリヒター先生のカンタータ選集にも全て入っている。バッハ在世当時の「人気楽曲」だとしても不思議ではない。

 

2024年4月23日 (火)

K405a

モーツアルトは晩年といっても30代だが、バッハに触れたことで、さまざまな宝物を残してくれた。バッハのオルガン用のトリオソナタBWV525~530にも大きな関心を寄せていた。

2番ハ短調BWV526の第2楽章および第3楽章。3番BWV527の第3楽章を編曲しているらしい。

CDを探しているのだがちっとも見つからない。

 

 

 

 

2023年9月18日 (月)

コラールの淵源

1523年ルターは友人への手紙で「信仰を助けるための歌の重要性」を説いて、賛美歌集の出版に協力を求めた。今から500年前のことだ。これが実を結ぶのが1524年である。

1524年とはマルティン・ルターによる賛美歌集が刊行を指す。1517年の宗教改革から7年後だ。従来賛美歌は美しいけれど複雑で訓練された聖歌隊が歌うものだった。これを平易なドイツ語に転写するとともにシンプルに編曲して大衆に開放した。7年後その集大成として刊行したということだ。現在もなお通用する多くの賛美歌群で、ルター自身の作品も多く含む。刊行の時点ですでに知られていた旋律もあるから、旋律の起源としてはもっとさかのぼるものもあるがドイツ初の賛美歌集の出版はルターの功績とみていい。

コラールの音取りとしてのオルガンの関与がここから始まる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2023年9月17日 (日)

変奏曲の伝統

新しいCDプレイヤーがきっかけで、オルガン作品に親しんでいる。オルガン作品のうちキリスト教と関係がないものがオルガン自由曲と呼ばれる一方で、プロテスタントの讃美歌が題材に取られるケースにもおびただしい実例がある。

庶民の信仰を助けるために音楽の力、とりわけ歌を重用したルター。彼に起因するかなりな数のコラール。カトリックにおいては専門家による歌唱が常識だった賛美歌を庶民に開放する過程でおきた「簡素化」「一般化」がコラールの起源であること周知の通りだ。一旦「簡素化」「一般化」が行われたコラールを素材に。オルガンによる音取り装飾を目的としたコラール前奏曲という段階。賛美歌をコラールにする手続きを第一段階とするなら、こちらは第二段階だ。さらにはそのコラールを元に華麗な変奏を紡ぎ出すというコラール変奏曲まで続く。

それらどれもが変奏と感じる。古典派、ロマン派と時代が下るにしたがって、変奏作品は全欧州に拡大するが、元はコラールのいじくりまわしに端を発しているのではないかと感じる。

ブラームスを変奏の大家と評価することはすなわち、プロテスタント伝統のコラール変奏の継承者という位置づけの再確認に等しい・・・のではないか。

 

 

2023年9月16日 (土)

風の送り手

オルガンのパイプに風を送る職人のことをカルカントといった。ドイツ語で「Kalkant」と綴る。さしずめ「ふいご職人」といったところか。踏みっぱが壮麗であるといってもカルカントたちがきっちりと風を送っていればこその話だ。シュニットガーなどの歴史的なオルガンも現在では電動で風を送る。

風の送り方が下手だとオルガンの鳴りに影響するらしい。弦楽器でいうならボウイングにも相当する重要な位置づけが、演奏家とは別人格だということである。バッハには専属のカルカントがいたと言われている。ストップの操作はアシスタントだということを思うと、両手と足を総動員して直足らずにカルカントとアシスタントが要るという豪勢な楽器である。

オーケストラの次に人手がかかると言っていい。

 

 

 

 

2023年9月15日 (金)

2個イチは南方系か

バッハ風の「2個イチ」型がブクステフーデに出現しない現象について、議論を深めるためにパッヘルベルで調べてみた。我が家所有のCDのブックレットを頼りにあたる。下記の通り「2個イチ」型が発見できた。

  1. 前奏曲とフーガ ハ短調
  2. 前奏曲とフーガ ホ短調
  3. 前奏曲とフーガ ト長調
  4. 幻想曲とフーガ イ短調
  5. トッカータとフーガ 変ロ長調
  6. トッカータとフーガ ハ長調
  7. トッカータとフーガ ヘ長調

パッヘルベルはブクステフーデより14歳年下だが、没年は1年違いで、活躍した時代は重なっている。バッハよりざっと半世紀遡る。2個イチ型の不存在は時代の違いとは言えない。

2個イチ不存在は地域の特色だという可能性もある。もっとサンプルが欲しい。

2023年9月14日 (木)

フーガ包含型

ブクステフーデのオルガン作品にバッハ風の「2個イチ」型が見つからないと書いた。ところが、ブクステフーデの「前奏曲」の内部を調べると「フーガ」が出て来る。

前奏曲やトッカータの内部に「フーガ」に相当する箇所が混入しているということだ。異なるエピソードを挟んで「フーガ」が2回出て来ることもある。バッハの「2個イチ」型の後半が必ず「フーガ」であることから「フーガ」を聴かせることが目的と推測したが、「フーガ」を必ず聴かせるという意味ではブクステフーデも同じだった。

2023年9月13日 (水)

2個イチの起源

バッハのオルガン自由曲には2曲一組を標榜するものが多い。「前奏曲とフーガ」「トッカータとフーガ」「幻想曲とフーガ」などなど。どれにも「フーガ」が入っている。「フーガ」を聴かせることが目的で、その前に「前奏曲」「トッカータ」「幻想曲」が置かれると申していい。

ところがだ。ブクステフーデのオルガン自由曲41曲には、このパターンが1曲もない。

  1. Prelude 21曲
  2. Toccata 5曲
  3. Ciaccona 2曲
  4. Passacaglia 1曲
  5. Canzona  4曲
  6. Canzonetta 5曲
  7. Fuge 3曲

以上だ。

ブクステフーデの作品は自筆譜が残されておらず、すべて他人の筆写譜による伝承だ。我々の眼前に残された作品は幸運の賜物だ。散逸した作品の中に、「前奏曲とフーガ」があったこもしれないから断言にはなお慎重を要する。偶然の産物であるなら、なぜ、バッハ型2個イチが偶然1つくらいは残ってもよさそうなものだ。筆写するに足る優秀な作品が「2個イチ型」にはなかったということか。

2023年9月11日 (月)

BuxWV158

ブクステフーデのオルガン自由曲「Prelude Amoll」を指す。

20190211_154645
似ている。

バッハのオルガン作品の代表作「トッカータとフーガニ短調BWV565」に出だしの雰囲気が似ている。

実演では冒頭の「E」音に、トリルがかかっているせいもある。

 

 

 

 

2023年9月10日 (日)

収載の選択基準

音楽系書物の代表格が、名曲解説である。大作曲家たるもの自作の解説だけで、分厚い1冊になる。これをもって大作曲家と定義したいくらいだ。残した曲数が多くても、それらが名曲認定されていないとお話にならない。

悩ましいのは、バッハの作品であっても、名曲解説全集に収載されないものもあるということだ。アランさんの「バッハオルガン作品全集」のブックレットがありがたいのは、バッハのオルガン作品すべてについて言及があることだ。音楽系出版最大手の「作曲家別名曲解説ライブラリー」のバッハに収載されているオルガン作品は限られている。オルガン自由曲のうち同書に収載されている作品を以下に列挙する。

  1. BWV532 前奏曲とフーガニ長調
  2. BWV538 いわゆる「ドリアントッカータ」
  3. BWV540 いわゆる「踏みっぱ大王」
  4. BWV542 いわゆる「大フーガ」
  5. BWV543 いわゆる「シシリアン」
  6. BWV547 いわゆる「ブラ2」
  7. BWV548 いわゆる「くさび」
  8. BWV552 いわゆる「聖アン」
  9. BWV564 いわゆる「全三音」 
  10. BWV565 トッカータとフーガニ短調
  11. BWV578 小フート短調
  12. BWV582 パッサカリアハ短調
  13. BWV588 カンツォナ
  14. BWV589 アラブレヴェ
  15. BWV590 パストラーレヘ長調

以上15種類が名曲認定されている。どういう基準なのか大変興味深い。

 

 

 

 

 

 

 

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