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カテゴリー「187 オルガン」の127件の記事

2021年2月13日 (土)

パーソナルカラー

オルガン頭出しCD集の作成を終えて、次なる楽しみは、ジャケットカヴァーとブックレットだ。全38枚組の手製CD集には様々な工夫を凝らした。

収載作品の明細をエクセルで作成した。見やすくするために作曲家ごとに特定の色を割り付けた。これが楽しい作業中だった。

 

20190212_155357
最上段「OrgelINdex」のゴールドと黒は「OrgelIndex」のテーマカラーだ。以下対象作曲家の生年順に並べた。ブクステフーデは深緑、パッヘルベルは臙脂、テレマンは紫、バッハは濃紺、ブラームスはこげ茶だ。試行錯誤の末の結論。ダークがかった色に白い文字。フォントは「TimesNewRoman」とした。パソコンのディスプレイの色とプリントアウトした色が微妙に違っていて悩ましかった。

 

 

 

 

 

 

2021年2月 3日 (水)

定点観測としてのBWV565

バッハのオルガン作品の代表作として「トッカータとフーガニ短調」BWV565がある。もっとも有名なオルガン作品と断言したところで、大したお叱りは受けるまい。

バッハのオルガン作品のCDを集めていると、いつのまにか複数種類の演奏がそろってしまう。本日は我が家所有のCDについてリスト化を試みる、オルガンの聴き比べをする際には、同じ曲を違うオルガンで聴きたいというニーズに応えるためにはこの作品が最適と思う。録音年、演奏者、録音場所を記載する。

  1. 1947 ヘルムート・ヴァルヒャ リューベック聖ヤコビ教会
  2. 1956 ヘルムート・ヴァルヒャ アルクマール・ロレンツ教会
  3. 1969 ウィルヘルム・クルムバッハ ラーム シュロス教会
  4. 1970 ウェルナー・ヤコブ アールスハウム カテドラル
  5. 1973 グスタフ・レオンハルト アムステルダム ヴァールス教会
  6. 1979 ハンス・オットー フライブルク ドム
  7. 1983 トン・コープマン マーシリウス グローテ教会
  8. 1989 サイモン・プレストン ボン クロイツブルク教会
  9. 1991 鈴木雅明 アンガームンデ 聖マリエン教会
  10. 1993 マリー・クレール・アラン フライブルク ドム
  11. 1993 フランツ・レルンドルフェン オットーボイレン ドム
  12. 2004 ハラルド・フェラー メミンゲン 聖マルチン教会
  13. 2004 ユルゲン・ヴォルフ ライプチヒ 聖ニコライ教会
  14. 2018 パヴェル・ズヴォボダ レータ 聖ゲオルク教会

このリストにわくわくする脳味噌になってしまった。

 

2021年1月30日 (土)

Jean Claude Zehnder

記事「デザイン込み」で、話題にしたバッハのオルガン作品全集の楽譜の話だ。ブライトコップフの最新の原典版だということで身が引き締まる。その校訂者を見て、「はて、どこかで」となった。

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Jean Claude Zehnderさんだ。それってなもんで、我が家のCDコレクションを探すとCDが一つ出てきた。

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「バッハ最初期の手稿譜」とでも題されたCDである。2006年に発見された「ワイマールオルゲルタブラチュア」の世界初録音、しかもハンブルクのシュニットガーオルガンで弾いている。ブライトコップフの最新全集の校訂者となれば、昨日今日のぱっと出の若造のはずはない。

いやはやすごい。

2021年1月29日 (金)

デザイン込み

BWV598の楽譜なら、ネット上に画像があふれている。譜面づらを拝むだけならそれで事足りるのだが、「紙がないと落ち着かない性分」で、どうしても楽譜を手許に置きたくなった。

楽譜屋さんに出向いて店頭で係の人に事情を話すと「BWV598」単品の販売はなく、全集の中に入っているのを探すしかないと、いくつか候補を紹介してくれた。

結果、ブライトコップフの新版を買い求めた。

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手持ちの楽譜との重なりが多いし、およそ5500円の価格にはためらいもあったが、表紙のデザインにころりと参って購入した。BWV598だけのための出費としては破格の痛みだが、後悔はない。買い求めたのはオルガン作品全集の4巻。巻によって黄色の部分の色が変わる。全巻そろえたくなる。

2021年1月28日 (木)

ペダルエクセサイズ

原題は「Pedal Exercitium」BWV598だ。調性はト短調、楽譜を見るとヘ音記号で一段書き。オルガン奏者の足用の練習曲だ。

オルガン作品全集に収載されていないことも多いけれど、数多いバッハの教育目的作品と同じく、芸術としての香気が充満している。我が家にはウエルナー・ヤコブさんの全集にのみ収録があった。5巻の10曲目だ。

同巻の11曲目には「小フーガト短調BWV578」が入っていて、何度も何度も聞いたのに心に響いていなかった。

 

 

2021年1月26日 (火)

楽器の法王

かつてピアノを楽器の王様と認定しながら、人の声の優秀さを話題にした。ところがメンデルスゾーンは、オルガンを「楽器の王様」と断言しているらしい。

このところバロック特集を展開する中で新たな考えが浮かんだ。オルガンには発音後の減衰を伴わぬというセールスポイントがあるし、歴史は控えめに見積もってもピアノの数倍はある。

かといって、「楽器の王様」の称号をピアノから剥奪するのも乱暴だと思い一計を案じて良いことを思いついた。オルガンを「楽器の法王」に認定する。単に「王」だと俗界のトップという感じがするが、「法王」だと聖界の長というニュアンスがこもる。「皇帝」となると「王」より上っぽくてややこしい。オルガンの来歴を考えると、信仰と密接不可分だ。「法王」という提案にはその含みもある。

「オルガンのイメージはどうみてもプロテスタントでしょ」という突っ込みを受ける覚悟だけは出来ている。「法王」というとローマに住んでいるイメージがあるけれど、「楽器の法王」は是非ともリューベックかハンブルクにお住まいいただきたい。

2021年1月25日 (月)

蘭学事始

オランダと言えば、サッカーくらいしか思い浮かばぬ脳みそだった。ブラームスが自作の演奏にと訪れたことがあるにはあるが、どう眺めてもメジャーな位置づけにはない。

ところが、ところが、バロック特集がマメにオルガン音楽に言及するせいもあって、オルガンが脳内シェアを増している。北ドイツのオルガン事情を調べ、代表的オルガニストや作曲家をたどっていくと、最後はオランダに引き寄せられる。いわゆるバロックオルガンの保存っぷりで言うならオランダは群を抜く。第二次大戦で連合国側に回ったために、都市部への爆撃を免れたことも多分に影響しているだろう。手許のいくつかのCDはオランダに現存する歴史的オルガンの演奏が収録されている。それらのブックレットを読む際にはオランダ語の知識が要る。オランダ語独特な「a」が連続するスペリングや、「j」の用法などだ。慣れぬうちは面食らう。「kerk」がオランダ語で「教会」の意味だと分かった時は、一瞬で靄が晴れた感じがした。

オランダ語も少しはかじってみようと思う。

 

 

2021年1月23日 (土)

磐井のトリオ

BWV525から始まる一連のオルガンのためのトリオの3番目BWV527ニ短調のこと。6曲の中で好きな方だ。

古代史に結びつけやすいオルガン作品の筆頭だ。西暦527年を筑紫の国造磐井の乱と記憶する。日本書紀、風土記、古事記の記載が微妙に違うことでいろいろ取り取り沙汰されている。4世紀中ごろに大和朝廷が国土を統一していた立場からすると厄介この上ないのだろう。大和朝廷に対する磐井の謀反ということにしないと辻褄が合わないからだ。大和vs九州の国同士の戦争で、味方の振りをして近づいた物部某が、九州領域内でいきなり襲い掛かった奇襲だったと解することですっきりする。つまり磐井は被害者。当時の城塞の遺構「朝鮮式山城」が瀬戸内海方向に向いている例があるのは東に敵がいた証拠だとか。

この人の辞世の句でもあればいいのだが、日本書記は沈黙する。奇襲で勝った側だからそうは書きにくい。

2021年1月22日 (金)

欠史八代

受験生必須の日本史用語だ。記紀において、初代神武のあと2代綏靖から9代開化まで8人の天皇には、系譜の記載だけで事績が書かれていないことを指す。記紀が編纂された奈良時代、皇室の起源をより古く見せるための操作だと指摘され、実在が疑わしいとする向きもある。てゆうかこれが学会の通説だとか。皇位継承が、古代の兄弟相続になっておらず、奈良時代の親子相続になっているなど「様式分析」からそう結論付けられたらしい。

バッハのオルガン自由曲の中、「聖アンのフーガ」で名高いBWV552変ホ長調の次に続く以下の8作を見てほしい。

  1. BWV553 ハ長調
  2. BWV554 ニ短調
  3. BWV555 ホ短調
  4. BWV556 ヘ長調
  5. BWV557 ト長調
  6. BWV558 ト短調
  7. BWV559 イ短調
  8. BWV560 変ロ長調

両親の死後、バッハを引き取った長兄ヨハン・クリストフの息子、つまりバッハの甥っ子の筆写譜によって伝えられるこれら8作は、BWV番号こそ背負っているものの、現代ではバッハの作品にあらずと位置付けられているせいで、CD集や楽譜の収載から漏れていることが多い。だからバッハのオルガン自由曲をBWV番号順に鑑賞してくると、大抵ここで途切れる。つまり「欠史八作」であるという手の込んオチだ。

幸い我が家所有のオルガン作品全集のうちウェルナー・ヤコブさんが、録音してくれているから、聴くことが出来る。そりゃ直前の「聖アン」や「ドリアントッカータ」に比べれば、すかすかな感じもするけれど、手際よくまとまった小前奏曲集として鑑賞に耐える。

興味深いのは調性の配列だ。「C」から順に登っていくのは、インヴェンションや平均律クラヴィーア曲集と同じ教育的配慮を感じる。平均律はもちろんインヴェンションよりも調性選択の幅が狭い。ハ短調、変ホ長調、ニ長調、ロ短調の脱落が目立つ。「G」にのみ長短がそろうことを不審に思ってはなるまい。「シャープなら1個以内」「フラットなら2個以内」という条件で生き残る全ての調を「C」から順に並べるというクリアな基準が浮かび上がる上に、長短きれいに4ずつとなる。

この整合性だけで価値がある。

2021年1月21日 (木)

大化の改新

今では実在に疑問符がついているとも聞くが、私の頃は日本史を学ぶ学生には必須のイベントだった。西暦645年の出来事だとされている。「大化」という元号が定められたとされているが、ここから「令和」まで途切れずに続くわけではない。元号が途切れるという現象は、とても座りが悪いせいか、歴史の授業ではスルーされがちだ。

バッハは、自作カンタータの中からお気に入りの単一楽章を6つ選んでオルガン独奏用に編曲して出版した。1746年以降のことと推定されている。出版社の名前に因んで「シュプラーコラール」と呼ばれている。

このうち最も名高いのが「目覚めよと呼ぶ声が聞こえ」BWV140の第4曲のテノールのアリアだ。三位一体節第27主日のためのカンタータだった。イースターが3月26日以前の年にしか出現しないレア祝日。1723年5月22日にトマスカントルに就任したのだが、1731年にやっと実現した。だから愛着もひとしおなどと勘ぐっている。

オリジナルの冒頭、弦のユニゾンが深々と立ち上がるアウフタクトの美しさは格別なのだが、どうしてどうしてこのオルガン編曲も心にしみる。当時の慣習に従って6曲一組の曲集の冒頭に置かれためBWV645となった。

 

 

 

 

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