最終校正①
本日の著者校正は「piu f」から始まった。「p」の項目は一番数が多い。「p」や「pp」のほか「poco」や「piu」というブラームスお得意の微調整語が含まれるためだ。全400ページのうち実に134ページが「p」で始まる語句になっている。本日はそのうちの263ページの「piu f」からはじめて287ページの「poco calando」まで終わった。
本文中に実例として列挙した全ての場所について、実際の楽譜をあたり、本当にその語句が楽譜上に存在するかどうか確認するのが最終著者校正の目的である。「piu f」のように実例が100箇所近くになると、それだけで30分以上かかってしまう。実際の楽譜をあたると表示した小節数が違っているケースも発見され、その都度修正する。今回の最終校正に入ってから発見して修正した誤りの数は既に30箇所を超えている。これが放置されたまま刊行されていたらと思うと、校正はつくづく大切だと思う。
同時に、譜例が挿入される場所の余白幅と位置に誤りが無いか確認をしておく。
根気が要る作業である。2003年にこの本の執筆を思い立ってから2年と少々の道のりを思えば、ここで手を抜くわけには行かない。ゴールはもう間もなくである。
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