切り貼りの朝
今晩から、いよいよ譜例の切り貼りをはじめる。
すでに短冊状に切っておいた譜例を173箇所に貼り付けるだけだ。粛々と進めるだけの単純作業である。一番気になるのは作業の過程で誤植がみつかることだ。一文字が抜けたとか間違えたという誤りならともかく、修正のため行の増減が発生するような間違いだと厄介である。すでに譜例のためのスペースが全ページで確定していて、一つの修正でそこいら中に影響が出ることにもなりかねない。
それでも、誤植が今みつかる方がいい。永遠に残るキズになってしまうところを土壇場で救ったということだからだ。生まれてくる子供がただ、健康であることを祈っていたのと似ている。自らの手で事前に存分な校正が出来ることに感謝しなければならない。今回の出版の過程に即して言えば、切り貼り作業は、まとまった作業としては著者側に残された最後のプロセスである。と同時に最後の校正のチャンスである。ここまで来たら微塵も労力を惜しんではなるまい。
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