煽り系と抑制系
私の本の中では、何らかの語に付着して意味を強める機能を「煽り系」、弱める機能を「抑制系」と命名した。
煽り系では「molto」「piu」「assai」が代表的である。抑制系としては「non troppo」「non assai」「poco」「meno」「mezzo」が挙げられる。
語幹に相当する単語によっては、事実上煽り系となる語も存在する。たとえば「allegro」に付着する「vivace」は実質煽り系となる。逆に「moderato」は「allegro」に付着して抑制系となる。
ブラームスでは、明らかに抑制系の表現が勝っている。また「抑制系」は「微調整語」と補完しあって、ブラームス独特の曖昧表示の中核を形成する。
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