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2005年6月13日 (月)

ヴィオラと私

執筆中の本は単なる事実の羅列にはなっていない。用例の分析を通じて得られた感触を基にしたコメントを遠慮なく書き加えている。

特にヴィオラへの偏愛を隠していない。ブラームス最後の室内楽であるクラリネットソナタ2曲は、ブラームス自身の手によってヴィオラソナタに編曲されていること、周知の通りだが、本書ではクラリネットソナタを全てヴィオラソナタと標記している。要所要所には私自身のささやかな演奏経験に基づく記述もばら撒かれている。ブラームス作品随所に出現するヴィオラのおいしい出番は、その都度指摘させていただいた。もちろんお叱りやご批判は甘受する。この本のキーワード第一位はもちろん「ブラームス」なのだが、第二位は「ヴィオラ」であると思っていただいてよい。

18歳の春。大学オーケストラの部室に「弦楽器なら何でも」と飛び込んだベートーヴェン大好き少年を待っていたのはヴィオラのパートリーダーだった。その日のうちに楽団備え付けのヴィオラを貸し与えられたのが、初代ヴィオラである。この初代で弾いたのがブラームス第二交響曲だ。アンコールのハンガリア舞曲第四番もこの楽器だった。2年になると後輩に楽器を譲るため自分の楽器を揃えることになる。アルバイトしてためた10万円で買ったのが二代目。オレンジ色がトレードマークのチェコ製だ。この楽器で大学祝典序曲、第一交響曲、ハンガリア舞曲第五番を弾いた。卒業直前4年冬の演奏会のために第三代目を購入した。卒業後10年使用することになる西ドイツ1979製だ。夏合宿の弦楽六重奏曲第一番、卒業演奏会のクラリネット五重奏だ。卒業後第三交響曲、第四交響曲、ヴァイオリン協奏曲、弦楽四重奏曲第二番、ピアノ五重奏曲もこの楽器で初体験することとなった。四代目を愛用する現在もこの三代目は処分されず、いつの日か娘らがという夢に備えている。

そして現在の4代目。長男誕生を記念して購入したもの。ブラームス存命中の1877年ドイツ製だ。この楽器大きさ自慢である。ボディ長がなんと46cmもある。三代目より6cmも大きい。いわゆるヴィオラっぽい音がするところが気に入っている。取り回しは苦労するがかわいい奴だ。弦楽六重奏曲第二番と、ピアノ四重奏曲全曲を4代目になって初体験した。

ブラームスはヴィオラを愛していたと思う。そうでなければおいしい出番が頻発することを説明が出来ない。その証拠の数々を本にしたと言うことも出来る。おいしい出番とは、必ずしも主旋律を意味するものではない。主旋律にありつける頻度は確かに高いのだが、単に主旋律にありついただけで喜ぶわけではない。インスピレーションと呼ぶしかない絶妙の対旋律や、和音進行上の重要な音、含蓄に溢れたシンコペーションなどなど。具体的には見てのお楽しみである。

ヴィオラを選んでよかった。

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