スピードレンジ
テンポの幅。
ブラームスが使用した用語解釈上最も遅いテンポは何だろう。頻発する「adagio」は全て落選である。「largo」「lento」「grave」の中から選ばれねばなるまい。ブログ上では深く理由には触れないが、恐らく「grave」だと思われる。ブラームスでは2箇所に「grave」が現れる。プレーンの「grave」が一箇所と「grave ed appassionato」が一箇所である。もちろん物理的、数学的な実演奏テンポとは必ずしも一致しない。どの作品に現れるか探してみてください。
一方、最速のテンポは「molto presto」だと思われる。「presto銀座」の真っ只中に鎮座する。
速いにつけ、遅いにつけ極端を嫌うブラームスだ。スピードレンジの幅は必ずしも広くはないと思う。広くもないレンジの内側で、微妙なニュアンスを使い分けまくるのがブラームス流といえそうである。同じことがダイナミクスレンジにも言えると思う。
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