伴奏マーカー
伴奏の声部に付される用語。演奏者に対する伴奏自覚機能を有する。
その瞬間に最も聞こえて欲しい声部を仮に「主旋律」とした場合、それ以外の声部を「伴奏」と定義する。この伴奏に相当する声部の奏者にそれを悟らせる機能と位置づけられる。「主旋律」より一段落としたダイナミクスを与えられる場合が一般的である。この場合には、あくまでも相対的なもので、「pocof」が時には「主旋律」時には「伴奏」ともなりうる。
一方、大抵いつも「伴奏マーカー」になっていると疑われる単語の代表が「leggiero」である。
「伴奏マーカー」はちょうど「主旋律マーカー」と裏表の位置にある。敬語でいう「尊敬語」と「謙譲語」の関係にある。「主旋律」側を直接増強するのが「主旋律マーカー」で「尊敬語」に相当する。一方「伴奏」側を抑制することで、間接的に「主旋律」を際立たせるのが「伴奏マーカー」であり、いわば「謙譲語」にあたるというわけだ。
当然の帰結として、協奏曲のオーケストラ側の楽器に多く見られる。
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