maの二面性
接続詞「ma」は一般的には「しかし」と訳されており。逆接の接続詞と解されている。
ブラームスの用例を分析すると、もちろんかなりの数の「ma」が「逆接の接続詞」の意味でも使用されてはいるのだが、それではピッタリ来ない使われ方をされているケースも少なくない。そのため「ma」の第二の用法として「強調」の「ma」を提案している。訳語としては「くれぐれも」あたりをイメージした。この用法がパーセンテージでいうと50%といったら大袈裟だが、10%では控えめすぎるといった印象である。
こうした副次的な用語をブラームスは実に巧妙に使用して、大変幅広いニュアンスを表現していると思われる。「allegro」「adagio」等の積極的な意味を持つ単語は当然なのだが、「ma」のように補助的な性格を持つ用語の使用例がきわめて変化に富んでおり、飽きさせない。私の著作の中でもこうした補助語は十分にページを割いて解説している。
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