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2005年7月 6日 (水)

石川書房

私が出版のパートナー選んだのが石川書房だ。社長さんは石川勝一という。これで「いしかわまさる」とお読みする。ご近所の縁とお人柄で選んだ出版社であることは、すでに何回か述べた通りである。彼は出版社の経営者なのだが、専門は装丁でありまた、パソコンを駆使したプリントアートで作品を世に問うアーティストでもある。

ちょうど今、銀座で彼の初個展が開かれている。私の著作の装丁の秘密を覗くため、今日会場にお邪魔した。けっして広いとは言えないギャラリーだが、約30の作品が飾られており、紛れもない宇宙を形成していた。案内のハガキに印刷されていた作品が赤と青のコントラストが鮮やかな作品だったが、実際にはイメージが違った。名前が言える色はその作品にしかないと言ってよい。案内状の作品はむしろ例外だった。淡い感じの色彩を基調とした微妙な色合いの連続である。敢えて「名前を言えない色」と表現したい。「中間色」と表現しては、あのニュアンスは伝わらない。いくつかの作品にブラームスのシルエットでも配置すればそのまま私の本の表紙に使えそうだった。「allegro」「adagio」のような中心的な用語を縦横に組み合わせて繊細な世界を構築したブラームスと共通するイメージである。

作品をしばらく眺めながら談笑した。この人に作品の装丁を委ねたことが、将来嬉しいアドバンテージになるかもしれない。

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