ブラームス神社

  • 道中安全祈願

おみくじ

  • テンプレート改訂しました

独逸日記

  • ドイツ鉄道博物館のおみやげ
    2012年3月28日から4月4日まで、次女の高校オケのドイツ公演を長男と追いかけた珍道中の記録。厳選写真で振り返る。

ビアライゼ

  • Schlenkerla
    自分で買い求めて賞味したビールの写真。ドイツとオーストリアの製品だけを厳選して掲載する。

カテゴリー

« 献本行脚⑤ | トップページ | 献本行脚④ »

2005年9月 1日 (木)

piuの掟

「piu~」は「もっと~」と解される。

あたりまえのことだが、楽曲の冒頭には現れない。「もっと~」という以上、そこまでのニュアンスを受けて「さらにそれよりもっと~」という意味合いである。楽曲の冒頭には現れる道理が無い。

用例は大きく2つに分けられる。「piu~」の「~」に相当する部分の言葉が、楽曲中それ以前に出現しているケースと出現しない。たとえば前者。楽曲のある部分に「dolce」が現れてから、後から同じ楽曲中に「piu dolce」が現れるケースである。「今までもdolceだったけど、今後はもっとdolceでね」という意味合いになる。これは大変判り易い。

「~」にあたる言葉が「piu~」に先行しないケースも少なからず存在する。たとえば第一交響曲第四楽章。序奏の混沌を振り払うように鳴り響くホルンは「piu andante」と記されているが、この楽章中ここ以前に「andante」は存在しない。「andante」は遅い概念なので、「andante」という楽曲中に「piu andante」が現れれば、それはテンポダウンを意味することは疑い得ない。しかし第一交響曲第四楽章の冒頭は「adagio」である。「stringendo」等の紆余曲折はあるが、「a tempo」によってリセットした後に現れる「piu andante」はいったいテンポアップなのかそれともダウンなのか?語感に素直に従えばテンポアップと思われるが、議論の余地はあると思う。

「crescendoの一里塚」でも書いたが、「piu f」と「piu p」では微妙に位置づけ違っている。「piu」を短絡的に「煽り系」と捉えることは危険であると思われる。むしろブラームスに特異な「微調整語」と位置づけるべきと考える。

« 献本行脚⑤ | トップページ | 献本行脚④ »

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: piuの掟:

« 献本行脚⑤ | トップページ | 献本行脚④ »

フォト

ブラームスの辞書写真集

  • Img_0012
    はじめての自費出版作品「ブラームスの辞書」の姿を公開します。 カバーも表紙もブラウン基調にしました。 A5判、上製本、400ページの厚みをご覧ください。
2025年3月
            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31          
無料ブログはココログ