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2005年9月 4日 (日)

「p」は弱くない

「piano」の略号。一般に「弱く」と解される。小学校の音楽の時間以来「p=弱く」と教えられてきた。テストではこれで○がもらえる。

5年ほど前、娘の通う幼稚園の園児たちと合唱をする機会があった。彼らは日ごろ小さな声で歌うと「元気が無いですねえ」と言われている。そういわれればほとんどどなり声で歌ってしまうものだ。こまったことに「ドナリ声=元気」という図式が刷り込まれている。「f」のプラカードと「p」のプラカードを用意して、「f」のプラカードがあがったら「強く」、「p」のプラカードなら「弱く」と教えてドレミの歌を一回通して歌ってみた。「f」の時は「元気に」歌えた。「quasiドナリ」であるがまだよい。一方の「p」となるとまるで声が聞こえないのだ。「弱くする加減」が全くつかめないようだ。そこで一計を案じた「p」を「弱く」ではないと訂正し「2つ隣の人の声が聞こえるように」と説明した。効果は劇的である。園児たちが2つ隣の席のお友達の声を聞こうとしている。

調子に乗ってもうひとつだ。「f」は「お隣のお友達の声が聞こえるように」と説明して歌わせた3回目は、今もって忘れられぬ「ドレミの歌」になった。ドナル子なんか一人もいない。音楽が生まれた瞬間だったと思う。

ブラームスの楽譜上にあっておそらく最も多用されている用語である。単独使用例は約6000箇所を数えるほか、何らかの単語との複合使用例は約1800箇所存在する。これらの「p」が単に「弱く」の意味で乱発されているとは到底考えられない。堂々の主役を張る「p」もあれば「mf」に主役の座を譲るための「p」もあり、画一的な解釈は危険でさえある。一方、ブラームスが楽曲の立ち上がりで最も多用しているダイナミクスもまた、「p」であり、これは200箇所。「p」を含む語句にまで範囲を広げればさらに180箇所がこれに加わる。

「p」はブラームスの音楽にとって「帰るべき港」でありかつ「発つべき港」であると思われる。サッカーでいう「ホーム」であるとも言い換えられよう。「ブラームスの辞書」の執筆を終えた今、8000箇所になんなんとする「p」がいとおしく思えてならない。

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