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2005年9月 5日 (月)

のだめの中のブラームス④

ブラ1のスコア持ってる人はご用意願いたい。

カイ・ドゥーン。ベルリン弦楽四重奏団のコンマスにして三木清良の師匠という設定。ベルリンフィルの元コンマス。肩書きが華麗である。第八巻の冒頭を飾る「R☆Sオケ」のデビュウ演奏会に聴衆として立ち会っている。シューマンのマンフレッド序曲、モーツアルトのオーボエ協奏曲ですっかり聴衆を魅了した後の休憩時間に、ベルリン四重奏団の面々が品定めを展開する。前半の出来を賞賛する同僚を「まだまだブラームスを聞いてからだ」と苦み走った顔で制して見せるカイ・ドゥーンが渋い。話の脈絡からブラームスが試金石と位置づけられていると考えてよい。

この後36ページから始まる演奏の描写は「のだめ」の白眉といってよかろう。36、37ページ見開き上段の構図はティンパニのアップ。のだめの作者様はブラームス第一交響曲冒頭のティンパニによるC音連打を急所と考えているようだ。木管楽器と弦楽器の対比を「情熱」と「絶望」と置き換え、読者にページをめくらせる。38ページにはそのものズバリ木管と弦楽器の対立が描かれる。(一縷の望みは弦楽器でありながら木管の音形をなぞるヴィオラだ)一転39ページには「ブラームスの心の傷」とありオーボエのドアップだ。そうだ。ここは29小節目からのオーボエのソロだ。その証拠に39ページの左半分は上からフルート、チェロである。つまりオーボエソロを受け継ぐ楽器たちであることがそれを裏付けている。41ページ中央のティンパニの一閃は38小節目「allegro」冒頭に間違いあるまい。第一楽章が束の間のCdurで終わっても、この楽章の本質は絶望であると「のだめ」の作者様は考えているようだ。

43ページ目の左端から第二楽章が始まる。のっけからホルンとコンサートマスターの構図である。これは解説が無くても90小節目から始まるコンサートマスターの独奏であるとわかる。44ページ目の上半分は早くも第二楽章の終結部。千秋と清良を交互に配する構図は125小節目の独奏ヴァイオリンの描写に違いない。緩徐楽章終結部における上行する三連符はブラームスの癖、いわゆる「ブラームス節」と言っていい。緊迫感溢れるEdurの分散和音とラスト三小節間のGis音のロングトーンの描写だ。千秋の横顔は明らかに左側にいるコンマス清良の弓を見ている。小節ごとに音が切れるオケに対してコンマスである清良だけはロングトーンだから、最終小節のフェルマータはコンマスの弓との相談になるのだ。左端コマの清良の表情は明らかに「満足」を表現している。次のコマのカイ・ドゥーンのアップは、ここの出来のよさを象徴していると捉えたい。音楽の微細な息遣いさえ聞こえそうな絶妙のコマ割と思う。「のだめ」の大ブレークの一因をこのあたりに求めたい。

フィナーレは45ページから始まる。46ページ冒頭のホルンは第四楽章30小節目「piu andante」を象徴していよう。続くコマのトロンボーンはいわずと知れた47小節目からのコラール。「歓喜の歌を」に重なる清良の構図は61小節目「allegro non troppo,ma con brio」に間違いない。G線開放弦の音が聞こえてきそうだ。49ページは終止和音の後真っ先に席を蹴って立ち上がるカイ・ドゥーンである。

36ページから49ページまで13ページかけて、ブラームス第一交響曲をなぞって見せた。一コマたりとも無駄なコマは無かった。ブラームスを試金石としたカイ・ドゥーンに千秋が勝ったと考えてよい。これがやがて106ページの「よろしこ」に繋がっていると考えたい。106ページからの一連の練習がブラームス第一交響曲であること間違いはない。しからば何楽章か?109ページの構図からそれがヴァイオリンによって奏される第一主題であることが判る。第三楽章がこれで候補から外れる。110ページ下半分のやりとりから、そこが「フレーズのつながり」と「音量」のせめぎあう場所だとわかる。おそらく第二楽章53小節目だと思われる。「ブラームスなめてんじゃないすよ」とやられた因縁の場所だ。弓は返すがフレーズを切るなの意味と捉えたい。111ページで第二ヴァイオリンとヴィオラにネジを巻いている場面があるが、これを57小節目と考えると辻褄が合う。112ページの「あの千秋や清良を子ども扱い」というフレーズは象徴的だ。「ブラームスなめてんじゃないっすよ」と叱られた勉強不足をカイ・ドゥーンが完全に解決したと考えてよい。

シュトレーゼマンの課した宿題を、実はライバルのカイ・ドゥーンが解決したという大きな構想が横たわっていると思われる。

いい歳をしてお叱りを覚悟の深読みに走ってみました。

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