むすめふさほせ論
武漢に間もなく着くころだ。13日午前2時半に九江を出た。多分う~んと眠いはずだ。武漢到着は午前7時39分である。今夜は武漢に宿泊だ。少しはゆっくり出来そうだ。
さて本題。
「むすめふさほせ」って何ぞやと思われるだろう。競技カルタ百人一首の関連用語だ。当然100首が収められているのだが、「む」で始まる歌はたった一首しかないということだ。「村雨の露もまだひぬ槙の葉に霧立ち上る秋の夕暮れ」だ。競技者は読み手が「む」と発音するやいなや「きりたちのぼる~」と書かれた取り札に殺到できるということになる。「す」「め」も同様だ。こうした決まり字が第一文字目にある歌が7種あり、それらは「むすめふさほせ」なのだ。
ブラームスが用いた繊細かつ多彩な音楽用語にあって生涯でたった一箇所しか出現しない指定を競技カルタにちなんで「むすめふさほせ型」と私は呼んでいる。
たとえは薫り高いインテルメッツォop118-2は冒頭指定が「Andante teneramente」だが、この指定はここ以外には存在しない。ブラームスの「Andante teneramente」といえば自動的にインテルメッツォop118-2を指し示すことになる。この手、つまり「むすめふさほせ型」は意外と多い。「ブラームスの辞書」には用例を列挙しているから数えることは出来る。曲の冒頭にあって大まかな曲想やニュアンスを伝える機能をもつ発想記号が、事実上「標題」として機能するばかりか「ある種の感情表現」にもなっていると思われる。あのインテルメッツォ以外に「Andante teneramente」が存在しない事実は、マニアにとってはかけがえの無いことだ。
困ったことは、国内版の表示を見る限り「むすめふさほせ型」なのに海外版では「むすめふさほせ型」ではないか、跡形も無いというケースが少なくない。安易な改変があるとすれば、こればかりは許しがたい気持ちで一杯だ。
ブラームスは、自作の楽曲冒頭のこうした表示にどれほど執着していたかは、わからないというほかはないのだが、無頓着だったとは思えない。1890年ロ長調ピアノ三重奏曲の改訂にあたっては、レアな指定を狙いうちでポピュラーな指定に変更した形跡がある。エクセルに打ち込んで管理していたとは思えないが、古い巨匠たちの楽譜の熱心な研究者だったことを考え合わせると、自作にもこだわりを持っていたを考えたくなるというものだ。
お帰りなさーい。
正解です!
そうそう私も先月アメリカから帰国いたしました。
そういえば先週、ブラ2の初練習がありました。Vn初心者の私としてはブラームスの
交響曲を演奏するのは初めて(*^^*)
ブラームスの交響曲を初めて勉強するのが
一番大好きな「2番」でとっても幸せです。
しかし・・・先週の初練習はかなり悲惨。私だけでなくオケも・・・。これが恐るべしブラームスなのですねぇ。ヘミオラと何拍子だか時々わからなくなる旋律がそれぞれのパートで重なり合って、曲を何度も何度も聴いているのに、全く違った演奏に感じました。今週もまた違った演奏になることでしょう(笑)
<Y.A様
ブラームスの辞書にも第二交響曲はたくさん引用されています。
さがしてみてくださいませ。
投稿: Y.A | 2005年10月24日 (月) 22時01分
こんばんは、アルトパパさま。
中国出張中なんですね~。
お仕事お疲れ様です。
ブラームスの辞書もすごいですが、
こぼブログもすごく立派ですね。
ものすごく読み応えがあります(笑)
また時々閲覧させていただきます。
P.S 私が誰かわかりますか??
<Y.A様
お褒めに預かり光栄ですが、「Y.A」は難問ですね。
Yが苗字でAがお名前であれば、想像がつきます。最近アメリカから帰国なさいましたか?
投稿: Y.A | 2005年10月13日 (木) 22時38分