執筆開始記念日
7月12日に完成した「ブラームスの辞書」の執筆を開始したのは、昨年の11月23日だった。ちょうど一年前だ。
執筆を開始したとはいえ、本当に完成するのかどうかもわからぬ船出だった。6月から始まったデータベース作りが11月15日に終わってから、データの検証をし、見出し語約1200を確定させるのに一週間かかったというわけだ。当時決まっていたのは、「A5判」という判型だけだ。他に「完全版下持込方式」と「出版社」が決まっていたに過ぎない。予算の都合で総ページ数を250ページ程度に抑えたいとは思っていたが、書いてみるまでは判らない状況だった。もちろん装丁も具体的なイメージは固まっていなかった。出来るなら翌年の5月7日ブラームスの誕生日に刊行したいという、希望的観測を胸に「ブラームスの辞書」第一項「a tempo」に筆を染めた。
「ブラームスの辞書」は、結果としてAからZまで1167の見出しがあるが、執筆は完全にアルファベット順に進められた。仔細に読むとそのことが判るはずである。辞書だからユーザーは必要なところだけを引けばいいのだが、本当は、最初から順に読んだほうが話の通りがいい場合も少なくない。
昨年11月23日の執筆開始で、原稿の完成は今年3月7日だ。無論サラリーマンの勤めを果たしながらの執筆である。こうして今のんびりと当時を振り返りながら、休日の午後を過ごしているのが何だか不思議である。
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