緩徐楽章の位置
四楽章制を採用するソナタ26曲に話を絞る。
- ピアノ三重奏曲第一番
- ピアノ四重奏曲第一番
- 弦楽六重奏曲第二番
- ピアノ四重奏曲第三番
- ピアノ協奏曲第二番
- ピアノ三重奏曲第三番
これが、何のリストかお気づきになるだろうか?今回の記事のタイトルが良いヒントになっている。これら6曲は緩徐楽章が第三楽章に来ている。逆にいうとこれら以外の20曲は緩徐楽章が第二楽章になっているということだ。
緩徐楽章の位置は古来、第二楽章だった。多分ベートーヴェンが第九交響曲で、第三楽章に持ってきてから分岐が始まったように思う。以来、緩徐楽章は第二楽章と第三楽章を行き来する。この基準はいったいどこにあるのか?ブラームスは何を基準にこれを書き分けていたのだろうか?調性、曲種、拍子、発想記号、作曲年代等何か傾向があるのか?
すぐにわかること。それは交響曲。交響曲の緩徐楽章は全て第二楽章になっている。次いで弦楽四重奏曲も同様だ。これらはベートーヴェンの得意分野、いわゆるホームである。この場合、第三楽章に典型的なスケルツォが来ないことも共通している。
それから二重奏で緩徐楽章を第三楽章に持ってきたことはないと言いたいところだが、二重奏は、そもそも三楽章制のソナタが多いのでアテにならない。ソナタを三楽章制にするか四楽章制にするかの基準も相当難解だったが、こちらもそれに匹敵している。
さっぱり尻尾をつかませてくれない。
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