回収行脚
一昨日「蔵書に出来ない」と知らせがあった某音楽大学に「ブラームスの辞書」を回収に伺った。開館まもない図書館は人影もまばらでヒッソリとしていた。
「入り口のカウンターに預けておきます」という手はず通り、まっすぐカウンターに向かった。3名の女性がいた。そのうち一人に主旨を告げると、「ブラームスの辞書」は、すぐ後ろの棚に封筒に入れられていた。「お預かりした本です」と言って渡された。申し訳なかったが、その場で袋から出して本の状態を確認した。サッと見た限りでは損傷もなく元のままに見えたので、礼を言って立ち去った。五分もかからなかったと思う。
「要らない」と言って返却してもらえたことは、貴重である。最も恐れるべきは「要らないと言われる」ことではなくて、「要らないのに死蔵されること」だからだ。300部という小部数であることや、自費出版ゆえの愛着を考えると、たった一冊の死蔵も惜しい。この一冊が無事回収できて、求めてくれる読者にわたる日を待つことが出来るのだからありがたい。
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