至福の時
今年は、人生の十大ニュースに確実にランクインするような出来事が2つもあった。
ひとつは夏に話が持ち上がった10日間の中国出張だ。
もうひとつは言わずと知れた「ブラームスの辞書」の出版である。初の自費出版にこぎつけたことだ。おそらく後になって人生を回顧するとき、2005年を転換の一年と位置づけることになるだろう。
今、大晦日のひと時を「恒例のDVD見まくり」で過ごしている。昨年もそうしたのだが、気持ちのあり方が180度違う。昨年の今頃は「ブラームスの辞書」の執筆の真っ只中だった。11月23日から始まった執筆が25%進捗していた。項目で言うと「F」にはいったかどうかというあたりをウロチョロしていた。「F」まで書いて100ページを超えてしまったことで、256ページに収めるという予算上の妥協案が、ほぼ絶望と解ったのもこの頃だ。予算のことはさておき、思いのタケをとにかく全てぶちまけて、文書の削除は後からやろうという気持ちに切り替えたのも今頃だ。変に手加減すると、手加減の仕方が均等でなくなるからだ。全部書き上げてから、全体のバランスを見ながら調整するほうが仕上がりがきれいになると直感したからである。
まとまった休日は貴重なので、根を詰めて書きまくったら腰をいためてしまった。正月休み中に10%つまり40ページほど進捗させたと記録に残っている。執筆の進捗をエクセルで管理していたのだ。当時は苦しいとは全く思わなかったが、今の気持ちと比べると差し迫った気持ちだったと思われる。結果として3月7日まで続いた執筆の前半のピークが去年の今頃だったということなのだ。
今、目の前に「ブラームスの辞書」の現物があることが、まだ不思議な気分である。
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