名所・絶景
楽譜上での音符や用語の配置、アーティキュレーションのあて方を総合して「景色」と呼んでいることがある。楽譜を元に演奏家が音に翻訳してしまう前の、楽譜上の諸現象を指している言葉と置き換えられる。つまり「楽譜の眺め」である。さらにこれらのうち演奏して聴いておいしい場所を「名所」「絶景」と表現している。
実際の景色と同じく、楽譜にも豪快な眺めもあれば、繊細な景色もある。
第一交響曲第四楽章30小節目の「Piu andante」は「絶景」の一つである。ホルンの「f sempre e passionato」は言うに及ばず、空気を形作るヴァイオリン、ヴィオラ。しかもヴァイオリンにのみ弱音器の装着を求めている周到さ。8小節目遅れのフルートに付き従う「pp dolce」のトランペット。そして世界遺産級のトロンボーン。しかししかし、これら全ては61小節目の「allegro non troppo, ma con brio」の段取りでしかない。いそいそと弱音記器をはずすヴァイオリンの深々としたG線開放弦だ。恒例の「poco f」に神秘の「mp」を混在させた類例のないダイナミクスである。
「音楽の聴こえ」と「楽譜の眺め」が醸し出す至高の瞬間のいくつかを「ブラームスの辞書」では「名所」「絶景」と表現している。
今日は、長女の誕生日である。
景色ですか。いい例えですね。
ブラームスの絶景は素晴らしいんだろうなぁ・・・。でも知られざる穴場もたくさんありそう!
私はひとつのお話のように思います。
<亜ゆみ様
ありがとうございます。
そりゃもちろん知られざる穴場がいっぱいですよ。
知らずに一生を終えるのはもったいないです。
でも多分一生の間に発見しきれないと思います。
投稿: 亜ゆみ | 2005年12月23日 (金) 16時58分
ご長女さんのお誕生日おめでとうございます。
早いものですね、さぞかし美しく成長されたことでしょう。
ヴァイオリンも熱心に勉強されているようで、
ご家族でカルテットを演奏できる日も、
そう遠くないような感じですね♪
<ひふみ様
ありがとうございます。必ずしも美しくはありませんが、成長は
しています。来年はおばあちゃんんの背を抜くんだというのが
無邪気な目標です。
投稿: ひふみ | 2005年12月23日 (金) 12時53分