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2006年2月22日 (水)

いわゆる「mf問題」

ある程度楽器に親しんでいる人に対して「何か音出してみて」と言うとする。彼(彼女)は、どうするだろう。「はい」と言って何でもポーンと音を出してくれる。このとき出た音のダイナミクスについて考えたい。このときのダイナミクスが「ff」や「pp」のような極端な位置づけのダイナミクスであることは想像しにくい。

どんな楽器にしろ、あるいは発声でも、音を発するという行為は積極的な行為である。積極的な行為である以上それは、何らかのエネルギーの発散に他ならない。この点で「p」側にはある種のハンデが存在する。エネルギーの発散でありながら「手加減」が必要になるからだ。音を発する以上それは積極的な意思の反映なのだから、発せられた音には強い側のトーンが宿ることになる。だから何も考えずに音を発する場合、強過ぎないフォルテが鳴っている公算が大きい。つまり「mf」である。

「ブラームスの辞書」168ページの「mf」の項目に詳しいが、ブラームスも「mf」のそうした側面を意識していた可能性がある。「mf」以外のダイナミクスが「手加減」なり「強調」なり「集中」なりの作為を必要とするのに対し、「mf」は何も考えずに発音されてしまうことを恐れていたのではなかろうか?ダイナミクスとしての「mf」には罪はないのだが、考え無しに発音されてしまうリスクといつも背中合わせなのである。無論ブラームスとて約600箇所の「mf」を使用しているが、考え無しに発音されることをきっと恐れていたはずだ。

「mf」で曲を開始するケースはわずかに15例だ。「mf」を含む語句にまで広げても10も加わらない。「p関連」で開始される曲が350例近くあることと対照的である。ブラームスはダイナミクスの重心を「mf」とは思っていない。ブラームスのダイナミクス分布の重心は数学的物理的な重心とはズレている。楽曲の冒頭から「考えずに発音されるリスクを冒したくない」と考えていたのではないだろうか?

考えずに発音されるリスクと背中合わせの「mf」に対して、300箇所以上も存在する「poco f」は、古来より十分な議論の対象になってきた。「poco f」であれば、少なくとも「考えずに音を出されるリスク」は数段低く収まるとブラームスが考えていたとしても不思議は無い。

ブログに書けるのはここまでだ。

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