「f passionato」の法則
「f passionato」は「強く、情熱的に」と解されている。一般には解釈の難しい語句ではないと思われる。
ところがである。この「f passionato」はブラームス作品に何回現れるだろう?と問われると厄介だ。答えは二回。(他にあったらゴメンだけど)
第三交響曲第一楽章3小節目のヴァイオリンに現れている。もう一つは、ヴァイオリンソナタ第三番第四楽章5小節目のヴァイオリンだ。
両方とも三番だなどというオチだと叱られるかもしれない。けれども、どちらも短い序奏に続いてヴァイオリンが第一主題を奏する場所になっている。偶然にしては出来過ぎだ。おせっかいな校訂者が他の曲にただの一箇所も「f passionato」を奮発しなかった奇跡をと思うと身が引き締まる。ブラームス本人は、はたしてこの現象を意識していただろうか?
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