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2006年3月19日 (日)

ヴィオラとクラリネット

ブラームスにあって、ヴィオラとクラリネットという2つの楽器は、なかなかに縁が深い。

担当する音域が近いというのも一つの答えだと思うが、単にそれだけではないと思わせる何かがある。晩年のクラリネット入りの室内楽四曲は、クラリネットの代わりにヴィオラでも演奏出来るように、ブラームス本人が編曲している。クラリネットの名手の演奏に霊感を得て一気に作曲したというエピソードで名高いのだが、ほぼ同時に当のクラリネットの入らぬ編成の楽譜を出すこと自体が興味深い。クラリネットの代わりにと白羽の矢が立ったのが、ほかならぬヴィオラだというのが、ブラームスらしい。ソナタについては後日ヴァイオリン版も出ているが、真っ先にヴィオラというのが泣かせてくれる。

第四交響曲の第二楽章アンダンテの冒頭第一主題はクラリネットの出番なのだが、再現部になるとその役目はヴィオラに差し替えられる。同じ旋律の違う側面に光を当てる行為だ。管弦楽のスコアにはこうしたペアが目に付く。高音域で旋律を弾くチェロはホルンとペアになることが多い。旋律を受け持たずベースラインに張り付く時のチェロはファゴットが相棒になることが多い。

弦楽器と木管楽器(ホルン含む)で息のあった相棒を設定するのは、ブラームスの癖とも思われる。もちろんその代表格はヴィオラとクラリネットだ。

不思議というか、言われてみれば当然というか、ヴィオラとクラリネットの互換性は、クラリネットからヴィオラに向かう方向でしか発揮されない。弦楽四重奏曲のヴィオラパートをクラリネットに置き換えたりといったことは一切起きていない。あるいは弦楽五重奏曲の2本のヴィオラのうち一本をクラリネットに差し替えれば、クラリネット五重奏曲の編成になるのだが、かすりもしていない。クラリネットはヴィオラで代替が利くが、ヴィオラはクラリネットで代行不可能という位置づけなのだ。

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