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2006年4月13日 (木)

オペラを書かぬわけ

我が家にあるCDの中でブラームスの歌曲を1曲でも歌っている歌手は総勢53名いる。男性18名に女性35名である。声種別の内訳は、以下の通りである。

  1. ソプラノ    17名 32.08%
  2. メゾソプラノ 14名 26.42%
  3. アルト      4名   7.55%
  4. テノール    3名  5.66%
  5. バリトン    13名 24.53%
  6. バス       2名  3.77%

これはなかなか面白いデータだ。私は「ブラームスの辞書」の執筆開始以来、コツコツと歌曲のCDを集めてきたが、特定の歌手への傾倒はないので、店頭にあるCDを手当たり次第という集め方だった。だからこの数字は世の中のブラームスの歌曲の縮図になっていると思ってもそう大きな間違いはないと思われる。

まず言えること、テノールの比率が極端に低いことだ。加えてメゾソプラノとバリトンの健闘が目立つ。CDショップの店頭を思い出して欲しい。歌手別の陳列で一番スペースが割かれているのはソプラノで、次がテノールだ。ブラームスの歌曲に限れば、CDショップ店頭の陳列シェアとパラレルな数値とはいいにくい。メゾソプラノはソプラノのマリアカラス一人のスペースでしかない。またバリトンは一人ディートリッヒ・フィッシャーディースカウを除けば、残りは三大テナーの陳列シェアにも届かない。(これはやや大袈裟)

ブラームスの歌曲においては、オペラでは必ずしも華やかとは言いがたいメゾソプラノやバリトンに光が当てられているのだ。少なくとも歌手たちがそう感じるから無視しえぬ数のCDがリリースされるのだろう。それから重要なのはブラームス以外の歌曲、つまりシューベルトやシューマンやRシュトラウス、モーツアルトではもっとテノールやソプラノが充実しているから、ブラームスのメゾソプラノの充実とテノール日照りは、歌曲全体の傾向ではなく、「ブラームスの傾向」と位置付けられる。ちなみにテノール三名は三大テナーではありません。

これは少々大袈裟に言うならばブラームスの音楽性の発露と捉えることも出来るだろう。ブラームスの脳裏に去来する音楽がメゾソプラノやバリトンを求めるということなのだ。なるほど生涯オペラを書かなかったのは正解かもしれない。

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