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2006年5月22日 (月)

「poco tenuto」

昨日、一昨日に続くシューマン関連ネタ。

「poco tenuto」は字義通りならば「少し、音を保って」と解されて何の支障もない。しかし既に開催済みの「poco意訳委員会」の提案を採用し「テヌート気味に」という解釈をしたい。ブラームスの作品における「poco tenuto」の用例は二箇所だ。独唱歌曲作品63-5「我が恋は緑」の19小節目と40小節目に出現するだけである。他の作品には一切出現しないといいたいところだが、例外もある。例外については後で詳述する。

作品63-5「我が恋は緑」の出番2箇所は、どちらも同じ景色である。フェルマータの付与された音符に付着している。フェルマータの意味を補足していると解したい。つまり「このフェルマータはテヌート気味にね」というニュアンスだ。「~気味に」という解釈がピッタリとはまり込む。もちろんこの作品はシューマン夫妻の末っ子フェリックスの詩に付曲されたものだ。

「ブラームスの辞書」の執筆を終えた後、念のために作品番号の無い作品についても、入手済みの楽譜を全て検証したところ、「poco tenuto」がもう一箇所発見出来た。「左手のためのシャコンヌDmoll」の92小節目である。原曲は超有名。バッハの無伴奏ヴァイオリンのためのシャコンヌをブラームスが左手一本用に編曲したものだ。右手を脱臼したクララ・シューマンを見舞うためだ。

「poco tenuto」が出現する曲は、ロベルト・シューマンの妻と遺児に関係が深い両作品に限られているということだ。恐らく偶然だと思う。でなければ怖過ぎる。

この手の偶然を軽視しないと、そのうちいいこともあると思う。

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コメント

<Claris様
これを左手1本でと思いつくところが素晴らしい。バッハがヴァイオリン一本なら、おいらはピアノ一本でと思ったのかも。

クララへのお見舞いというのが素敵だ。

「バッハの無伴奏ヴァイオリンのためのシャコンヌ」は素晴らしい曲です。
「左手のためのシャコンヌDmoll」は原曲以上に素晴らしいです。
クララのためにこの曲を書いたブラームスに感動です。

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