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2006年5月10日 (水)

再現部隠蔽

ブラームスの癖のこと。古来よりいろいろな人によって指摘されているブラームス節の根幹である。狭い意味においては、ソナタ形式の再現部がぼやかされる傾向を指しているが、「ブラームスの辞書」の中では、同一楽曲内において一度提示済みの旋律を再示する場合に単なる繰り返しを避ける傾向にまで対象を拡大して用いている。

ソナタの舞曲楽章では比較的単純な繰り返しが施されている場合が多い。そのものズバリのダカーポが使われていたりもする。

一旦舞曲楽章から離れると、ブラームスは単純なる繰り返しを避ける傾向を隠さない。それらのパターンを以下に列挙する。

  1. 旋律は回帰するものの、調性が違っている。
  2. 調性は復旧するが、旋律が微妙に変奏されている。
  3. 調性は復旧するが旋律は仄めかされる程度。
  4. 旋律も調性も復旧するが、担当する楽器が変わっている。
  5. 旋律も調性も復旧するが、伴奏の音形が変わっている。
  6. 旋律も調性も復旧するが、ダイナミクスが変わっている。
  7. 旋律も調性も復旧するが、テンポが微妙に変わっている。

上記の一つまたは複数に該当するケースがほとんどだろう。一番肝心なことは、再示がどんなに変化していようとも、その変化は聴き手が「あっ再現だな」と気付く範囲にとどまっているということである。聴き手に気付いてもらえなかったら元も子もないのだ。無論、気付くのに要する時間には際限がない。2年たって気付くケースだってありである。

これらは、ブラームスの変奏曲好きとも関係があると思われる。一つの旋律にいろいろな角度から光を当てる行為をブラームスは得意にしていた。「何故変奏をするのか?そこに旋律があるからだ」というノリを容易に想像できる。

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