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2006年5月 3日 (水)

ドイツ人がうらやましい

生まれながらにドイツ語を話す人たちがうらやましい。学生時代には第二外国語だったドイツ語だが全く歯が立たない。単位をとるのに苦労した思い出しか残っていない。

しかし今ブラームスの歌曲に親しむようになって、当時では考えられぬ勢いでドイツ語の単語を習得しつつある。全くドイツ語がわからないのにブラームスの歌曲にゾッコンである。無論、自由にドイツ語を操る境地に到達出来る見込みは薄いが、もし息をするようにドイツ語を使える状態で、ブラームスの歌曲を聴いたらもっと素敵なのだろう。ブラームスの歌曲に採用された詩には優秀な日本語訳を紹介する書物もあるが、やはり翻訳を挟まずに直に理解したい。ドイツ語独特の音韻や、押韻をネイティヴとして味わいたい。詩への共感が、どのように作品に反映しているのかを実感したいものだ。

考えてもみたまえ。ドイツの子供たちはみな、これらの歌曲の意味を聴くそばから一瞬で理解しているのだ。理解しようなどという努力さえしていないはずだ。流れるように耳から入り、脳味噌が実感しているに違いない。これを羨ましいと言わずに何というのだ。

器楽曲にはまっていた頃には、こんな気持ちになったことは無い。それが第九交響曲だったときも同様だ。器楽では考えられない苦労だが、これしきのことで歌曲熱は冷めそうもない。

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