調性ネタ解禁
「ブラームスの辞書」執筆の過程で、調性に関する話題は意図的に避けてきた。ご予算の都合があったことは既に述べたが、実はそればかりではなかった。
ブラダスに代表されるデータベースを駆使して、ブラームスの癖を逆探知するのが「ブラームスの辞書」の主たる狙いなのだが、調性のネタはエクセルによる統計にはなじみにくい。楽譜に散りばめられた音楽用語であれば、版の異同にだけ注意してればよかった。どれどれの用語が、どこそこの作品のどこそこの小節の○○のパートに現れるというのは、十分に客観的で、始めにルールさえ決めておけば容易にデータベース化できた。
調性はそうもいかない。調の扱いの巧みさがブラームスの魅力の一つになっているくらいだから、1箇所2箇所とキッチリ数えることが難しいのだ。調号と実際に鳴る調のズレなど日常茶飯だし、調の微妙な移ろいというものを数えることはブラームスに対して失礼にさえあたるだろう。
しかしながら、2年目に突入したのを機会に少しずつ調性関連のお話に言及をしたいと思っている。ブラダスのサブシステムとしてブラームスの作品の楽曲冒頭の調だけはデータベース化が出来ている。このほどベートーヴェンでもその入力が出来たので、徐々に調性への言及を始めたい。実は黙っていてはもったいない話ばかりである。
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<麻由子様
ありがとうございます。あくまでも「少しずつ」ですが調性ネタに言及して行きます。
投稿: アルトのパパ | 2006年6月 4日 (日) 16時39分
調性に関しては、とても興味深いものがあるので、
これからの調性ネタ、楽しみにしています♪
投稿: 麻由子 | 2006年6月 4日 (日) 15時53分