もう一つのワールドカップ
本日ばかりは、ブログ「ブラームスの辞書」でもこの話題にふらないわけには行かない。32カ国が参加して、FIFAワールドカップがドイツで開幕する。日本は3大会連続3度目の出場だ。今やFIFA国際サッカー連盟の加盟国数は国連加盟国数を上回っているという。その浸透度において世界最高のスポーツだ。音楽にさえ匹敵していると思われる。あるいは、音楽がサッカーに匹敵していると言うべきかもしれない。
さて、それでもそこはやはりブログ「ブラームスの辞書」だ。あくまでもブラームスネタに固執することで、アイデンティティを発揮するというものである。
我が家にあるCDでブラームスの歌曲を歌っている歌手は、63名に及ぶ。二重唱もカウントすると64名だ。
- オーストリア 1名 アンジェリカ・キルヒシュラーガー
- ベルギー 1名 ヨゼ・ファンダム
- ブルガリア 1名 ヴェッセリーナ・カサローヴァ
- カナダ 1名 マリー・ニコル・ルミュウ
- 中国 1名 ラン・ラオ
- フィンランド 2名
- フランス 2名
- ドイツ 24名
- オランダ 2名
- アイルランド 1名 アン・マレー
- 日本 3名
- ノルウエイ 1名 キルシュテン・フラグシュタート
- ルーマニア 1名 アンジェラ・ゲオルギュウ
- スロヴァキア 2名
- スロヴェニア 1名 マリアーナ・リポヴシェック
- 南アフリカ 1名 ディオン・ヴァン・デル・ワルト
- スペイン 1名 ヴィクトリア・ロス・アンヘレス
- スウェーデン 1名 アンネ・ゾフィー・フォン・オッター
- スイス 2名
- イギリス 8名
- ウクライナ 1名 アレクサンダー・キプニス
- アメリカ 7名
世界で一番多くの人に話されているのはもちろん中国語だ。次はヒンドゥ語あたり。英語とスペイン語がそれに続きそうである。ドイツ語は、恐らく日本語よりも少ないくらいなのに、ドイツリートは広く愛されている。これにシューベルトやシューマンを集計に加えれば、倍に膨れ上がっても不思議ではない。以下いくつか気付いたことを列挙する。
- サッカーとの決定的な違い、それは南米の欠落だ。オペラの世界では昨今、南米勢がブレークしているらしいが、ブラームスの歌曲ともなるとご覧の通りだ。
- ドイツは開催国らしく最多だ。ワールドカップで開催国になるのはとても大変だが、ドイツリートにおいて「開催国の栄光」は未来永劫ドイツのものだ。羨ましい。
- 南米ほどではないが、イタリアの欠落も目立つ。南米勢と違ってCDショップの売り場においてイタリア人歌手は一大勢力となっているのに、ブラームス日照りは不可解を通り越して不審でさえある。「イタリア歌曲」というジャンルが確立しているからなのだろうか?やはりオペラの国なのだろうか?それにしてもシューベルトの売り場にはイタリアンの姿も発見できるから、イタリア人はブラームス歌曲を避けているのかもしれない。
- イタリアほどではないが、ロシア人もいない。これには多分に言葉の問題もある。ロシアからの輸入CDがあってもロシア文字がさっぱり読めないので、ブラームスを見落としているかもしれない。
- イギリスの8名は、本来イングランド、スコットランド、ウエールズ、北アイルランドに分けねばならないところだが、そこまで詳しく解説されていないこともあって断念した。マーガレット・プライスがウエールズということは判っているが。
- 世界中を旅行して、現地のCDショップに行って探すとこのリストはもっと充実するかもしれない。
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