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2006年7月25日 (火)

「quasi」意訳委員会

意訳委員会第4弾である。昨年9月13日の記事でも言及した「quasi」について再論を試みたい。

まずブラームス作品における「quasi」の用例を以下に列挙する。まずはトップ系からだ。

  1. ピアノ協奏曲第一番第三楽章376小節目「quasi fantasia」
  2. 管弦楽のためのセレナーデ第二番第四楽章冒頭「quasi menuetto」
  3. チェロソナタ第一番第二楽章冒頭「Allegretto quasi menuetto」
  4. 弦楽四重奏曲第二番第三楽章冒頭「quasi menuetto,moderato」
  5. 交響曲第二番第三楽章冒頭「allegretto grazioso(quasi andantino)」
  6. ヴァイオリンソナタ第二番第三楽章冒頭「allegretto grazioso(quasi andante)」
  7. クラリネット五重奏曲第一楽章98小節目「quasi sostenuto」

次にパート系を列挙する。

  1. ピアノソナタ第二番第一楽章83小節目「quasi staccato」
  2. ピアノソナタ第三番第一楽章91小節目「quasi cello espressivo」
  3. ピアノソナタ第三番第五楽章78小節目「quasi pizzicato」
  4. ハンガリーの歌による変奏曲第七変奏57小節目「quasi pizzicato」
  5. パガニーニの主題による変奏曲第九変奏134小節目「quasi pizzicato」
  6. ホルン三重奏曲第三楽章43小節目「ppp quasi niente」
  7. 交響曲第二第一楽章118小節目「quasi ritenente」
  8. 交響曲第二第一楽章386小節目「quasi ritenente」
  9. ラプソディート短調op79-2 118小節目「quasi ritardando」

以上だ。全部で16回になる。一般の音楽用語辞典によれば「ほとんど~のように」という見解で問題がないように思われるが、日本語としての収まり面で今ひとつ納得できていない。上記16例のうち「ほとんど~で」の解釈でピッタリはまるのはパート系の6番「ppp quasi niente」の「ほとんど無音で」くらいではなかろうか?ヘンレに存在せず国内版にのみ存在するパート系の2番と3番の怪しさは別途論じるにしても、これらを「ほとんど~で」と解するのではあまりに能が無い。

そこで恒例の意訳提案だ。「quasi~」の訳語として「~っぽく」を提案したい。口語もいいとこの訳語だが、日本語としての座りは抜群である。ためしに上記16例を「~ぽく」と読み替えてみるといい。特に「メヌエットっぽく」「チェロっぽく」「ピチカートっぽく」などは絶品である。解釈に行き詰まった際の気分転換にどうぞ。

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