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2006年7月29日 (土)

宝のありか

本日の主役は「rinforzando」(リンフォルツァンド)だ。昨年7月27日の記事「フォルツァンド」御三家でも述べたとおり、スフォルツァンドやフォルツァートとの区別は曖昧である。

「rf」(リンフォルツァンド)はブラームスの作品中139箇所で用いられている。一般に「sf」スフォルツァンドや「fz」フォルツァートと同じく、「その音を強く」と解されるが基準は曖昧である。声楽のパートに出現しない特性は共通ながら、用法の定義を用例から捕捉するのは大変難しい。

しかしながら、ここに一つの仮説を提案する。「sf」「fz」「<」(アクセント)に比べてお宝度が高いと思われる。しばしば「p」側のニュアンスの中にも現れて、作品のポイントを手際よく指し示す機能を想定している。「神秘の楔」とでも名付けたい。またフレーズを塊として際立たせる「marcato」に対して、「rf」は瞬間的な際立ちを意味していると解したい。この機能には「瞬間型marcato」とでも名付けたい。

  1. スケルツォop4の269小節目と、ピアノ協奏曲第1番第4楽章418小節目には、驚いたことに「poco rf」が出現する。思い切って「リンフォルツァンド気味に」と解しておきたい。両者とも「神秘の楔型」だと思われる。
  2. 交響曲第1番op68第2楽章12小節目冒頭と25小節目冒頭。この2つを「神秘の楔型」の代表として紹介したい。両方とも直前のダイナミクスはppになっている。特に後者25小節目は、小節の冒頭が休符になっていて、その直後の音符に付与されていることで、休符の存在が強調されている。この部分が楽章冒頭のエコーであることを仄めかす構造になっている。第1交響曲中、他に「rf」は用いられていない。
  3. 第2交響曲第4楽章188小節目の第2ヴァイオリンとヴィオラに現れている。8分音符1個先行する全ての楽器には「sf」が当てられている。つまりこの場所は、ブラームス全作品で唯一「rf」と「sf」が交錯する場所ということになる。
  4. カプリチオop76-1の8小節目の冒頭及び同小節の最後から2つめの16分音符が、「瞬間型marcato」の典型と位置付けられる。同曲中に「rf」はこの小節にしか存在しない。それどころか作品76の全8曲を通してもここだけである。
  5. 第3交響曲では、第1楽章に一度だけ出現する。201小節目だ。同楽章の終末近くでクライマックスの標識として用いられている。これも「瞬間型marcato」と思うが、唯一ティンパニだけが単なる「f」になっているという謎も孕んでいる。
  6. インテルメッツォop118-2にもある。再現部が始まって間もない78小節の3拍目だ。この用例は並外れて精緻である。提示部の同じ場所2小節目には跡形も無いのだ。この部分、明らかに再現部が仄めかされていながら、旋律を微妙に変化させている。問題の「rf」はその変化の始まる瞬間に置かれているのだ。しかも周辺のダイナミクスは慎ましやかな「pp」である。「神秘の楔型」の典型だ。

ちょっと歩いてみただけでご覧の通り、興味深い事例に溢れていると判る。見た目意図の判らぬ用例であっても、宝のありかを示す標識かもしれぬと心得て、周辺をよく探索することをお奨めしたい。

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コメント

<亜ゆみ様

op118-2の78小節目に注目しているだけで、ブラームス様はお喜びになると思いますよ。きっと。

Op.118-2の78小節目のところは私も気になっていました。
ppの静けさの中に突然現れるrf。
だからと言ってここはあからさまにfまでは出しません。(私の場合ですが)
このrfは心の中でのrfだと思うのです。

ブラームスさま、間違って弾いていたらごめんなさい。。

<空の風様

そりゃあ、単にブラームスが素敵なだけですよね。

褒めているのですよ〜。素敵すぎて。。。

<空の風様
禁断の言い回しでしたか!!訳のわからぬ定義をしてしまって、すみません。あんまりカッコいので思わずってところです。

「神秘」。。これまた私の大好きな言葉ではありませんか。
神秘とはまさしくブラームス!!私は神秘な世界をいつも散歩しています(笑)。

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