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2006年8月28日 (月)

最速のアンダンテ

ブラームスは「andante」が好きである。生涯で133回使用している。明らかに遅い側の概念を想定しているが、「adagio」までは落ちないあたり。「andante」から「andantino」や「allegretto」を経て「allegro」に至る領域において、ニュアンス一つの出し入れで微妙な表現が群れをなしている。

「molto」など煽り系用語にも「moderato」などの抑制系用語にも修飾される。「煽り系には修飾されにくい「allegro」とは好対照だ。煽り系の中では特に「con moto」との相性がいい。「andante con moto」が23回も現れる。プレーンの「andante」よりはテンポが上がると解される。「con moto」自身は「andante」以外の発想用語とは一切並存しない。

さて、ブラームスが曲がりなりにも「andante」と楽譜に記した中で、もっとも速いのはどれだろう。作品50「リナルド」の第四曲「andante con moto e poco agitato」も一つの候補であるが、やはり「四つの厳粛な歌」作品121-4が最有力である。「たとえ私が人間の言葉で」と邦訳される作品の冒頭に「Andante con moto ed anima」が付与されている。

これは「andante」が「con moto」と「con anima」で二重に煽られたと解するべきである。「四つの厳粛な歌」作品121-4でブラームス本人が感じていた適正なテンポは、物理的数学的な「andante」の範囲を超えていた可能性が高い。事実上「andantino」あるいは「allegretto」、ひょっとすると「allegro non troppo」に匹敵している。しかし、それでいてなお、名目上はあくまで「andante」にとどまることにこだわったのではないだろうか。考えてもみて欲しい。「四つの厳粛な歌」作品121-4に「andantino」「allegretto」では役不足だ。語感が軽過ぎる。

「四つの厳粛な歌」作品121は、第三曲「Grave」を除く他の3曲が全て「andante」ベースになっている。どうあっても「andante」にこだわりたい人知れぬ事情があったのではないかと勘繰りたい気分である。

そこでは既に速いだの遅いだのといった議論を超越してしまっている。

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