いけない想像
8月28日に続いて「四つの厳粛な歌」の話題である。
- 「四つの」というところが既に引っかかって仕方がない。何故「三つの」や「五つの」ではないのだろう。
- それから8月28日の議論、第4曲が「andante」にしては速過ぎる。何か理由があったのではないかということ。
- 「四つの厳粛な歌」には隠しテーマとしての「andante」が存在するのではないかということ。
- 第1曲にだけ「allegro」が出現すること。
- 第3曲だけが上行する分散和音で終わっていること。
たったこれだけのことからいけない想像をしてしまっている。「四つの厳粛な歌」を組曲と見た場合、全体が交響曲の輪郭をなぞってはいまいか?
- 交響曲はご存知の通り全部4楽章制だ。
- 第四楽章は実質「allegretto」テンポである。
- 周囲を「andante」に囲まれながら「Grave」を掲げる第三曲が事実上のテンポの底である。
- 第一曲にだけ存在する「allegro」は、ブラームスにあっては「ソナタ第一楽章」の象徴である。
- ソナタの緩徐楽章が上行する分散和音で終わるのはブラームス節の一つだ。
第一楽章に「andante」の序奏を持ち、第二楽章に舞曲楽章、第三楽章に緩徐楽章をもつ交響曲の輪郭だ。ニ短調で始まって変ホ長調で終わるというのはブラームスのソナタとしては異例だ。これは逆風に見えるが、マーラーの第五交響曲は嬰ハ短調で始まってニ長調で終わっている。他に舞曲楽章に「andante」は遅すぎるなど矛盾もある。
だからタイトルを「いけない想像」としたのだ。
« ノイエバーン | トップページ | Gedichte »
« ノイエバーン | トップページ | Gedichte »
コメント