我が家に電話が引かれた日
小学生が携帯電話を持つことも珍しくない現代から見ると、想像がつかないかもしれないが、昔は一家に一台の電話もなかった時代が長く続いていた。父の勤務先の社宅に住んでいた我が家にも電話が無かった。社宅共有の呼び出し電話を使っていたのだ。書類に電話番号を書く時には番号の末尾に(呼)と書き加えていたものである。
私が中学生のころ我が家に電話が引かれることになった。父が「うちにも電話が来るぞ」と言った時、妙に嬉しかったのを記憶している。まだNTTになる前の電電公社が我が家のために選んでくれた番号は、0472-54-1833だった。母は覚え易いといって喜んでいた。私はさっそく「御用だイヤミさん」という語呂合わせを考えて家族を笑わせていた。
既にクラシック音楽への傾倒が始まっていたとはいえ、ベートーヴェン一筋の時代だったから、その番号の重大さなど気にも留めなかったが、大学に入ってブラームスへの乗換えが起きると、その番号がただならぬものであることに気付いた。
0472-54-1833
下4桁に注目して欲しい。ブラームスの生年1833が、キッチリ横たわっているではないか。私自身は大学卒業後、就職と同時に大阪に赴任してしまったためにこの番号を自宅電話番号と称していた時期は9年間だったが、長く自慢の一つであった。もちろん現在はこの番号にかけても「お客様がおかけになった番号は、現在使われておりません」になってしまっている。
それにしても人間の欲望とはきりが無い。局番の「54」が、「57」だったら完璧だったのになどと無いものねだりをしたくなる。
このところとどまるところを知らない奇遇ネタである。
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<空の風様
でしょ。こりゃあ相当ナモンですよね。
57-1833だったらもっと良かったのですがね。
投稿: アルトのパパ | 2006年9月 6日 (水) 19時10分
すごいの一言ですね☆
ブラームスに導かれているのですね♪
ちなみに。。私の実家の局番 昔「57」でした。
投稿: 空の風 | 2006年9月 5日 (火) 21時50分