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2006年10月19日 (木)

作品8初版調査報告

10月7日の記事「柳の下にドジョウを探しに」で予告したとおり、ピアノ三重奏曲第1番ロ長調作品8の初版をブラダスに取り込んだ。このほどその成果がまとまったので報告する。

  1. 初版は全4楽章合計で1728小節に及ぶ巨大な室内楽であった。改訂版は1279小節に圧縮されている。実はこのことが最大の所見かもしれない。その中でもスケルツォは、たった1小節の圧縮にとどまっているから他の楽章の圧縮の大きさが際立っている。
  2. 初版では全1728小節の中に101種の音楽用語が延べ609回用いられている。2.84小節に1個である。改訂版では、全1279小節の中、59種が316回となり、4.05小節に1個となった。本改訂にあっては無風とも思われるスケルツォだが、用語設置だけは2.77小節に1個から4.05小節に1個という具合に頻度を落としている。言葉での説明のし過ぎにブレーキをかけたと解される。
  3. ダイナミクスの使用バランスは「ff」が6%減って、その分が「f」の増加になっている。初版に出現しない「mp」が改訂版に現われている他「poco f」も改訂版で出番を増やしている。大変に珍しい「pp possibile」が初版にあったのだが、改訂で削除されてしまった。
  4. 初版に存在せず、改訂版にのみ出現する指定は20種だ。この20種には特にレアな用語は見られない。
  5. 初版に存在しながら改訂によって削除された指定は67種に及ぶ。「accelerando」も敢え無くカットされている。op46を最後に出現しないという原則が守られている。「marcato e pesante」「p leggiero ma marcato」「p leggiero legato」「poco diminuendo」「pp veloce」を含む約10種の用語は、生涯でここだけになっていた用語である。また初版には「rf」が6回も使用されていたが、これらも全て改訂で削除の憂き目に遭っている。
  6. 「portamento」も初版にあったが改訂でカットされた。作品6-6にただ一度使用されているだけのお宝アイテムである。
  7. 器楽曲では大変珍しいというより室内楽では唯一と言ってよいドイツ語標記も、改訂で抹殺されている。「schneller」がそれである。
  8. 4つある楽章冒頭のトップ系指示にも興味深い改訂がある。「Allegro molto」の第2楽章スケルツォだけが、改訂をくぐり抜けて保存された他は皆修正を受けた。第1楽章「Allegro con moto」は「Allegro con brio」に修正され、第3楽章「Adagio non troppo」は単なる「Adagio」にとって代わった。「Finale-Allegro molto agitato」もまた単なる「Allegro」とされた。旧版第1楽章の「Allegro con moto」と第4楽章の「Allegro molto agitato」は生涯で唯一ここだけの指定である。
  9. 多楽章形式器楽曲の終楽章の冒頭に「Finale」と明記するのは初期から中期までの特徴である。1882年のピアノ三重奏曲第2番op87を最後に途切れる。初期作品に相当する初版で掲げられていた「Finale」の表札が、改訂とともに降ろされているのはこの傾向に矛盾しない。10月17日の記事「フィナーレ」参照。
  10. ちなみに楽曲冒頭では修正を受けなかったスケルツォだが、中間部は「Piu lento」から「Meno allegro」に差し替えられている。

上記の傾向を総合すると作品8の改訂の主旨は「スケルツォを除く全楽章の短縮」が最優先だろう。「mp」や「poco f」が出番を得た一方で「レア用語の削除」もキーワードになっていると思われる。弾き手聴き手ともブラームスの語法に慣れたと判断したブラームスが自ら筆の滑り過ぎを戒めたかのようだ。

シェーンベルグネタに気をよくして手をつけてみたがなかなか楽しめる。柳の下にドジョウがいるものである。

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コメント

<とらねこ様

なに!!仲間が集えばブラームスですとな。そういうノリなら得意です。羨ましい!!!!!

そのお仲間とお近づきになりたかったですね。

何気にと言うのはいい加減にという意味です。しかも遠い昔の大学時代。仲間がいれば即ブラームスでした。

<とらねこ様

そうなンですよ。調べるといろいろあるンです。

それはそうと何気に作品8を演奏するとは、カッコいいですね。

何気に演奏していたOp.8が・・・。

<麻由子様

集計と分析に思ったより時間がかかってしまい今日になってしまいました。箇条書き1項目で一つの記事にすることも出来るのですが、今回は要約版の報告にとどめました。

とゆうよりブラダスに取り込んでしまいまいたから、データの加工が自由自在になったのが収穫です。

わ~、大漁~♪
とても豪華で、すごいです☆

手は加えても、新たな音楽用語は加えなかった・・
というわけですね。

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