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2006年10月10日 (火)

「ポルタート」意訳委員会

「portato」と綴られる。レガートとスタカートの中間。事実上のメゾスタカートだろう。スラーで結合された2つ以上の音符を明らかに区切って奏することとされている。言葉で説明されるとわかったような気にもさせられるのだが、実演奏上の解釈においては意見の相違の元にもなりかねない。

ブラームスはこの表現を好んでいたことがいくつかの証言から明らかであるが、実は楽譜上に「portato」と文字で記されているケースは一度もない。一度も無いがゆえに「ブラームスの辞書」では見出し語になっていない。

演奏を担当する楽器によって奏法も解釈も違う。弦楽器の奏法としてはメンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲第一楽章の第二主題の冒頭の弾き方がよく例として用いられるようだが、そういわれてもピアニストや管楽器奏者あるいは声楽家には参考程度にしかなるまい。

ブログ「ブラームスの辞書」名物意訳委員会としては、目から鱗の新解釈を提案したいところだが、これがなかなかの難題だ「音は切っても気持ちは切るな」とでもしてお茶を濁す次第である。

さらにポルタートについて最近心配なことを付け加えておきたい。「portato」がひょっとすると「portamento」と混同されていないか心配している。

  1. ブラームス本人が既に混同している。
  2. ブラームスの言葉を後世に伝えた証人が混同している。
  3. ブラームスの関連本の著者が混同している。
  4. ブラームス関連本の翻訳の過程で混同が起きている。

上記のいずれかまたは複数が、一部混入している可能性を提起したい。

思えば昨年の今頃は、上海にいた。

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コメント

<空の風様

そうでしたか。

ブラームスは文字では「portato」と記したことはないと思うのですが、どこかで見かけましたら教えてくださいませ。

ポルタート奏法。。
真珠のよう艶と潤いに満ちた響き。。。私の大好きな奏法です。

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