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2006年10月 5日 (木)

カイザーの憂鬱

昨日アップした記事「譜めくり」で思い出した。

9月8日の記事「カイザー」でも言及した通り、今娘たちがヴァイオリンの練習の教材にカイザーの「36studies」op20を使用している。おかげでそのヴィオラ版を購入して私もはまっている。

娘たちは妻の遺品の中から発見されたカイザーを使用している。国内某大手出版社の刊行だ。私はアメリカのインターナショナル社製だ。最近妙なことに気付いた。国内版とアメリカ製で収められた曲の順番が変わっているのだ。国内版は36曲を3巻に分けて刊行しているが、そのうちの3巻に相当する25番以降の並び方が違っている。

  • 25番→28番
  • 26番→29番
  • 27番→25番
  • 28番→26番
  • 29番→27番
  • 30番→31番
  • 31番→32番
  • 32番→33番
  • 33番→30番
  • 34番→35番
  • 35番→36番
  • 36番→34番

という具合である。3巻の12曲は全て番号が変わっている。番号をそのままで順番だけ変えているという訳ではなくて番号そのものも差し替えている。どちらがオリジナルか判らないのだが、いずれにしろ変な話である。ブラームス最高のテネラメンテ作品118-2を勝手に作品118-6に変更するようなものだ。

さらにこのうちアメリカ製の27番(国内番の25番)に奇妙な場所がある。長女の練習に付き合っていて発見した。なんと45小節目がゲネラルパウゼになっているのだ。ご承知の通りの教則本なのに、この1小節が丸々休符になっている。次の46小節目が冒頭主題の再現になっているので、間置く意味と解せなくもないが不自然である。

長く不思議に思っていたがヴィオラ版を購入して謎が解けた。ヴィオラ版は36曲が1冊に収まっている。作品のレイアウトの関係だろうか、全36曲の中で唯一問題の27番だけが、作品の途中に譜めくりが存在するのだ。そして問題のゲネラルパウゼは譜めくりの直前に置かれているのだった。これには妙な説得力がある。世にも珍しい譜めくりの練習曲であるとも解し得る。

国内版ではこれを3巻に分けている上に25番に繰り上げて3巻の冒頭に持ってきているので、譜めくりが発生しない割付けになっている。ページの中段にゲネラルパウゼがポツンと存在する不自然が放置されている形だ。

してみるとオリジナルに近いのは1巻に収められたアメリカ・インターネショナル社製のほうだという公算が高い。国内版は空気を読まずにただ機械的に3巻に分けただけに見える。3巻に分けるだけならまだしも、作品の順番を変えているのに一切それに言及していない。挙句の果てにゲネラルパウゼが、訳も無く浮き上がってしまってはつける薬が無い。

何かよっぽどの事情があるといいのだが。

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