嘆かわしい
ヴァイオリンのレッスンに行って来た。若干の痛みは残るものの長女もどうにか復帰出来た。先週次女の次なる課題がバッハのイ短調協奏曲に決まったので、今日は長女の曲を考えていただいた。珍しく長女が意見を言った。「ぬるいテンポの曲はいやだ」というあられもない意見だった。ブラームスのソナタとでも言ってくれれば御の字だが、微妙な空気が読める娘ではない。キッチリと性格が反映していて面白い。それらも考慮して先生の提案は2曲だ。
- ヴィオッティ 協奏曲イ短調op22第1楽章
- ベリオ 協奏曲イ短調op104第1楽章
その瞬間私の意見は決まっていた。当然ヴィオッティだ。娘が弾くなんて信じられない。実はブラームスはこのヴィオッティの協奏曲が大のお気に入りなのだ。ヨアヒムとしばしば合奏したという。ヴァイオリンとチェロのための協奏曲の第2主題は、ヴィオッティの協奏曲イ短調の冒頭主題との関係も取り沙汰されているくらいの惚れこみ方なのだ。私は断固こちらを支持したのだが、娘はアッケラカンとベリオだ。
その理由が嘆かわしい。ヴィオッティは7ページで、ベリオは3ページ半だから暗譜が楽だという理由だ。6ヶ月かけて挑もうかという曲だ。少々の困難は覚悟してもらわねばというのが私の考えだが、娘は違う。ブラームスが気に入っていた曲というだけで押し付けられる娘も気の毒だから、ここは引き分けか。
ベリオ(1802~1877)ベルギーの作曲家でヴァイオリニストだ。後半生がブラームスの時代と重なっている。ヴィオッティは後の楽しみにとっておくとして、さっそく楽譜を入手せねばならない。
やはり芸術の秋だ。
« まどろみはいよいよ浅く | トップページ | ヴァイオリンのケース »
コメント