ブラームス神社

  • 道中安全祈願

おみくじ

  • テンプレート改訂しました

独逸日記

  • ドイツ鉄道博物館のおみやげ
    2012年3月28日から4月4日まで、次女の高校オケのドイツ公演を長男と追いかけた珍道中の記録。厳選写真で振り返る。

ビアライゼ

  • Schlenkerla
    自分で買い求めて賞味したビールの写真。ドイツとオーストリアの製品だけを厳選して掲載する。

カテゴリー

« 冬支度 | トップページ | のだめの中のブラームス【21】 »

2006年11月19日 (日)

スコルダトゥーラ

弦楽器の調弦法のひとつ。弦楽器の4本の弦の複数または一つを意図的に通常と違うピッチに調弦すること。大抵は作曲者の考えが反映する。

有名なところでは、モーツアルトの協奏交響曲変ホ長調K364だ。ヴァイオリンとヴィオラが独奏を受け持つが、このうちのヴィオラにスコルダトゥーラが指定されている。4本全ての弦を半音高く調弦して、半音低いニ長調の楽譜を弾くようになっている。半音高く調弦することで張力が増強され、響きに輝きが増すことが狙いだと思われる。運指が楽なことと、開放弦が使いまくれることも狙いの一つかもしれない。独奏ヴァイオリンはお構いなしで、独奏ヴィオラにだけこうした措置が施されているところがミソである。

現在市販の楽譜ではヴィオラも通常チューニングが前提になっているものが多い。当時と違って、弦の張力が格段に向上している現在これをやると、楽器を痛めはしないかと心配する向きに配慮したと思われる。

シューマンのピアノ四重奏曲変ホ長調第3楽章には、曲の途中でチェロのC線を1音下げるという指示がある。これも一種のスコルダトゥーラなのだろう。

バッハの無伴奏チェロ組曲の第5番ハ短調BWV1011にもスコルダトゥーラが採用されている。こちらは最高弦のA線だけが対象だ。A線を1音低いG音に調弦するよう指図がある。低い方からC-G-D-Gとなる。お気づきの通りG線が2本だ。楽譜もこれが前提で書かれている。我が家のCDでは、ヴィオラ版のミルトン・トーマスがこの調弦方法で演奏している。またペーター版のヴィオラの楽譜にはオリジナル調弦と、通常調弦の両方の楽譜が収められている。

最近せっかく無伴奏チェロ組曲ヴィオラ版に親しんでいるのだから、私もヴィオラのA線を1音下げてオリジナルの雰囲気を楽しんでみた。オリジナル調弦版を使っていつもの通りの要領で弾けばいい。しかししかし、ことはあまり単純ではない。D線でポジションを上がっていると不安が先に立って楽しめない。慣れるのに時間がかかる。慣れによって解消する性質の課題は棚上げとして、意外と厄介なのは、楽譜の景色が決定的に変わってしまうことだ。音符の並び方で、その瞬間や周辺の和音の成り立ちにおよその見当をつけているのだが、その見当が狂ってしまうのだ。重音やアルペジオの際の心構えに影響する。

申し遅れたが、ブラームスにはスコルダトゥーラは出現しない。

« 冬支度 | トップページ | のだめの中のブラームス【21】 »

コメント

<temple様

私も同感でござるが大きな声で言ってはなりませぬぞ。

カサルス様が再発見して世の中に広めて以来、チェリストの信仰を広く集めておりまする。教祖カサルス様の功績大でございます。難を言いますとカサルス様はこの組曲を「哲学」にしてしまいました。

「暗譜」「難しい顔」「目をつむる」の3点セットです。サラバンドやアルマンドは瞑想しながら弾かねばなりません。

ヴィオラで弾かれるとチェロよりは深刻そうでなく聴こえまする。肩の力が抜けると申しますか。。。。。この曲を弾くときのチェリストはみなさん気合が入ってしまいますから。ヴィオラですと「どうせ編曲ですから」みたいな後ろめたさがかえって余計な緊張を取り去ってくれるような。

最近TVでヴィオラの無伴奏チェロ組曲を初めて聴きました。
個人的には本家のチェロよりも好みでした。

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: スコルダトゥーラ:

« 冬支度 | トップページ | のだめの中のブラームス【21】 »

フォト

ブラームスの辞書写真集

  • Img_0012
    はじめての自費出版作品「ブラームスの辞書」の姿を公開します。 カバーも表紙もブラウン基調にしました。 A5判、上製本、400ページの厚みをご覧ください。
2025年1月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31  
無料ブログはココログ