無伴奏ヴィオラ組曲
最近もっぱらこの曲にはまっている。もちろんブラームスは無伴奏ヴィオラ組曲など書いていない。バッハの無伴奏チェロ組曲のヴィオラ版のことだ。
- 第1番ト長調BWV1007
- 第2番ニ短調BWV1008
- 第3番ハ長調BWV1009
- 第4番変ホ長調BWV1010
- 第5番ハ短調BWV1011
- 第6番ニ長調BWV1012
編曲と言ってよいのか単に1オクターブ上げただけだ。この楽譜を買ってきてコツコツと弾いている。はっきり申し上げて楽しめる。いくつかの条件を守りさえすれば本当に面白い。一つは、CDで演奏されているようなテンポではなくゆっくり弾くことだ。ゆっくりと言っても和音のうつろいを感じ取れて、フレーズの流れがつかめる程度にゆっくりだ。それから重音は適当にはしょる。開放弦で出せる音だけを出すくらいの気持ちで弾く。この条件で音程を厳密に噛み締めながら粛々と音をつなげてゆく。そこにその音がある必然性を味わいながらとでも言おうか。何だか工数のかかるプラモデルを時間をかけて組み立てるような感覚に似ている。今日明日ではとても終わらなそうな感覚が貴重だ。
音楽的に面白い出来事に溢れている。指の訓練にはもってこいでもある。幸いなことに6番を除けば第3ポジションでほぼまかなえる。ヴィオラ一本による単純な音の羅列ながら飽きが来ない。申し訳ないがカイザーやウォルファートの比ではない。
一方同じバッハの手による無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータもヴィオラ用の編曲がある。残念ながらこちらは全て5度下げられている。名高いシャコンヌはト短調というわけだ。こちらは、はっきり申し上げて手が出ない。重音をはしょってしまうと話にならないのだ。難易度は数段上である。楽譜ショップの店頭でパラパラと斜め読みして諦めている。
無伴奏チェロ組曲が易しいと言っているのではない。こちらだって完璧に弾くのは大変だ。でも教則本代わりに弾き込むには数段使い勝手がいい。先日の三連休は毎日1時間半弾いていた。平日の夜も30分は割いている。娘たちは不審なのだろう。「何が面白いんだ」という顔をされている。
ブラームスがバッハを敬愛していた理由にいつかたどり着けるかもしれない。
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コメント
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<とらねこ様
強いて序列をつければ無伴奏ヴァイオリンの方は、手も足も出ない感じです。弾けるところだけつまみ食いする気力もありませぬ。
聴くだけにしております。
投稿: アルトのパパ | 2006年11月 9日 (木) 06時13分
やっぱりVn無伴奏は難しいですか・・・。分っていたことですが、がっかり。その代わりと言っては何ですが、ピアノで平均律を毎日弾いています。毎回新しい発見があります。
投稿: とらねこ | 2006年11月 8日 (水) 23時53分