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2006年12月13日 (水)

マーノ・シニストラ

イタリア語。「mano sinistra」と綴って「左手」の意味。「mano」が「手」で「sinistra」が「左」だ。大抵は「m.s.」と略記される。ピアノの楽譜に現れて「左手で打鍵すること」を指示する意味となる。「黙っていたら、右手で弾かれかねない場所を左手で」という意味である。元々明らかに左手で弾くような場所にまで置かれるわけではない。もちろん全部左手で弾くような曲には記載されない。

ラプソディート短調作品79-2の冒頭に2回続けて「m.s.」が出現する。この時、左手は三連符を奏する右手の上空を飛び越えてクロスさせることになる。ウイリー・フォン・ベッケラートの肖像には、このクロスが見られるので、古来ブラームスがこの場所を弾いてる情景を描写したところだと信じられている。髭をたっぷりとたくわえてピアノを弾く恰幅のいいブラームスの像は、ブラームスの演奏を実際に見た人から「そっくりだ」と評価されていることでも有名だ。

ところが、この説には異論が存在する。「ブラームス性格作品 演奏の手引き」という本の中でトマス・シューマッカーという著者は、ベッケラートの肖像は、手の位置からみてト短調ラプソディーの冒頭ではなく、1番ロ短調ラプソディーの18小節目と20小節目の描写だと主張している。83ページのことだ。この部分の譜面には「m.s.」が置かれてはいないが、確かに腕のクロスが発生する。

この両説のどちらかに軍配を上げるだけの知識が無いのが残念だが、こういう細かなことを自著の中で真面目に論じるピアノの大家がいることを喜びたい。この書物は、ブラームスのピアノ小品の分析と奏法を専門的かつわかり易く論じていて貴重だ。技術的なことはさっぱり理解できないが、「ブラームス好き」の心意気みたいなものが伝わってくる。ヘンレ版の指遣いに異論を述べたり、スラーのかかり方一個に対して練り上げられた自己主張をしたり、やはり本場のマニアは凄いと思わせるものがある。

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コメント

<とらねこ様

ですよね。こういうことを真剣につっこむピアニストがいるって凄いですね。この画家も敢えてクロスした場面を描写しているあたりがマニアックですね。よほど印象深かったンでしょうか。

>手の位置からみてト短調ラプソディーの冒頭ではなく、1番ロ短調ラプソディーの18小節目と20小節目の描写だと主張している。

今楽譜を見てみましたが、そう言われてみればそのような気も・・・。
すごい方達がいるものですね。あ、アルトのパパさんを含めて。

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