初めてのコンサート
今は亡き父に連れられて中学2年の私は、初めてクラシック音楽のコンサートに出かけた。1973年12月16日だったと記憶している。場所は千葉県文化会館大ホールだったと思う。オケも指揮者も忘れてしまったが、曲目だけはちゃんと覚えている。ベートーヴェンの交響曲第9番ニ短調である。
日付を覚えているのには訳がある。この日12月16日はベートーヴェンの誕生日だからだ。
私が少し変わっているのは、一番好きな楽章は「歓喜の歌」を含む第4楽章ではなくて、第1楽章だったということだ。当時も今も第9交響曲の中では第1楽章が好きだ。それでも初めて聴くコンサートには感動した。演奏会後父に「こんな曲にめぐり合えて幸せだ」と語ったという。やがて私が大学生になりブラームスへの傾倒が決定的になると、父はよく「中学生の頃はあんなにベートーヴェン好きだったのに」と言って笑いながら、あの日の初コンサートの時のことを話してくれた。
今日12月16日は、一年のうち一回だけ「昔はベートーヴェンが好きだったこと」をチラリと思い出す日だ。父の思い出とともにである。
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コメント
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<空の風様
おおお!!悲愴違いですとな!!!
強烈な思い出ですねぇ。
私の父は第3楽章で居眠りしてました。
投稿: アルトのパパ | 2006年12月17日 (日) 15時56分
素敵な思い出ですね。
実はベートーヴェンには、私も父との思い出があります。
小学3年生の頃、ベートーヴェンソナタの悲愴が聴きたくてコンサートへ出かけました。ところが、いつまでたってもピアノの演奏になりません。。。オケばかり。。。「お父さん悲愴はいつになったら始まるの?」の問いに「この曲が悲愴だよ」。っと!!
父はチャイコフスキーの悲愴のチケットをとっていたのです。あ〜なんとも。。。
投稿: 空の風 | 2006年12月17日 (日) 15時27分